脂質の取りすぎに気をつけてと言われたら

「痩せたい」「体脂肪を落としたい」というと、よく「脂質のとりすぎに気をつけてください」と言われることがあると思います。
私もつい言ってしまうのですが、そもそも「取りすぎってどれくらい?」「何をどれくらい食べればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
具体的な「気をつけ方」をお伝えします。

取りすぎってどれくらい?

そもそも脂質の適正量はどれくらいなのでしょうか。
ケトジェニックや極度な糖質制限をしていない限り、成人女性の減量中は「一食あたり10~15g」を推奨することが多いです。
女性の場合脂質の控え過ぎは禁物。むしろ一食あたり10gを下回るような食事の場合は、体調に影響が出る場合があります。

1日トータルにして35~45g程度を上限の目安に設定すると、まず「取りすぎ」と言われることはないでしょう。
(人によっては、ここを基準に脂質を足すこともあります)
脂質35~45gは、カロリーにして315kcal~405kcal
1日の総摂取カロリー1500kcalの場合、20~30%に当たる量です。
身長や体重によって変動はありますが、運動量が一般的な成人女性の場合、このくらいを目安に様子を見ながら摂取カロリーを増やす・減らすの判断をしていくのが無理のないスタートだと考えています。

食材ごとの目安
以下は、日常で口にするもので脂質が含まれる代表例です。
・肉の脂身、鶏肉の皮、ベーコン、ソーセージ
・サバやサーモン、ブリなど、「脂のりのいい」と言われるような魚
・アボカド
・ナッツ
・たまご
・ヨーグルト、牛乳、チーズなどの乳製品
・納豆などの大豆製品

まず避けたいもの

この中で、まず避けるべきは
脂身のある肉、鶏肉の皮、ベーコン、ソーセージ
これらは少ない量でもあっという間に10gをオーバーしてしまうもので、栄養価も高くありません。
肉の脂身、鶏皮は調理の際にカットもしやすいですし、霜降りのお肉は選ばないというチョイスがしやすいです。
ベーコン、ソーセージは買わないのが吉。
ダイエットしたいと思ったらまずこれらを避けましょう。

避けた方がダイエットしやすいもの
次に、避けられるといいのは
・ナッツ
・ヨーグルト、牛乳、チーズなどの乳製品
です。
ナッツにはビタミンEや食物繊維、乳製品にはカルシウムなども含まれるため栄養価も高い一方、少量でも脂質の目安量を超えやすい食品です。
また、これらで取れる栄養素は他の食品からも摂取可能なので、「ヨーグルトがないと朝が始まらない、便通が悪くなる」「ナッツがない人生なんて耐えられない」「たっぷりの牛乳が入ったカフェラテが癒し」という強い欲求がない限りは避けたほうが無難です。

残ったメンバーでどう布陣を組むか

残ったのは以下のメンバーです。
・サバやサーモン、ブリなど、「脂のりのいい」と言われるような魚
・アボカド
・たまご
・納豆などの大豆製品
この子たちは、良質な脂質かつ、脂質以外の栄養価も高く、健康維持のためにもうまく取り入れたい食品です。
考えやすいものから説明すると、

脂質5gは、
・アボカドは1/4個
・たまご1個
・納豆1パック
・木綿豆腐100g

つまりこれらから2つを選んで組み合わせ、それ以外の食材から脂質を取らなければ脂質10gは守ることができます。



結構しんどいと思う

なぜなら、私たちがとるべき栄養素は脂質の他に、炭水化物とたんぱく質があります。
炭水化物はご飯を選べば脂質はほぼないですが、朝にパンを食べたいという方もいるでしょう。パンは基本脂質がご飯よりも高いです。

そして私たちの体を作るたんぱく質。
これは、お肉、お魚、エビイカなどの甲殻類、たまご、大豆、乳製品などに豊富に含まれています。

見ていただいてわかるように、たんぱく質が豊富な食材は、同時に脂質を含む食材でもあることが多いです。
もちろん、鶏胸肉(皮なし)、ささみ、カツオ、えび、イカ、タコなどを選べば脂質はほぼありません。
本気で減量を行うトレーニーや、ガッチガチにカロリー設定をして痩せたい人であれば、こうした脂質0食材をほぼ毎日のメインのたんぱく源として取り入れ、先程の脂質あり食材を自身が設定した脂質量に合う分だけ食べる、というメニュー組みを行うことが多いです。

ですが、そうでない方が同じ方法を継続し続けることはなかなかハードルが高いと思います。

大事なのは、何に脂質が含まれているかを知りながら選ぶこと

食習慣の見直しからスタートしたい人は、はじめからガチガチに脂質量を計算しながら食材をチョイスする必要はないでしょう。
ただ、普段何気なく選んでいるもの、特に一般的に「ヘルシー」とされているものに実は結構な脂質が含まれているということを知ることで、「選ぶ力」が身につきます。
アボカドが大好きで大好きで、脂質があっても気にしない!という気持ちで選んでいるならいいんですが、
本当は痩せやすいメニューを選びたいのに、
「このサラダ、アボカドとたまごが乗っててナッツもトッピングされてる。ドレッシングはオーガニックオリーブオイルだって。ヘルシー」みたいな気持ちで選んでいたとしたら、それは一皿で脂質30gを超える「高脂質食」と呼ばれるレベルだったりします。
知らなかっただけで、「努力しているつもりなのに結果が出ない」ということに陥りがちなのです。

でも、もし脂質が多い食材を知っていて、それが外食先で出たとしたら
「今日のお昼は少し脂質が高かったから、夕飯は脂質を控えめにしよう」「帰りは一駅帰ろう」というリカバリーのアクションが取れます。

脂質は体にとって必要な栄養素です。
そして、脂質が含まれる食材は、おいしい。
アボカドが好きなら、アボカドを食べるために、無意識にとっていた(つまり無くても困らない)脂質食材を減らす、無くすことで、好きなものを我慢せずにダイエットを進めることができます。

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