初めてサインを求められて
6月15日に歌集制作ワークショップの最終回があって、製本された歌集を受け取った。ワークショップの受講生はその日から歌集を購入できたので、早速購入いただいた方がいた(ありがたい)。
その方からサインを求められて、嬉しくも戸惑った。歌集を完成するとこういうことがあるのか。ワークショップではいろんな歌人が講師として登壇していて、講義のあと、サインの列が並んでいたけど、あれを俺もやるとは。
とりあえずサインぽいかなと思って「Na³man」と書いた。でも、歌集の表紙には漢字で「奈々生ん」とあるので、漢字で書くべきだったのかもしれない。アルファベットで書いた挙句、「ななな」を「Na³」と書いた。だいぶイキった。あと、他の人はどんなふうにサインを書いてるんだろうと見てみると、みんな楷書だった。俺、筆記体ぽく崩して「Na³man」と書いてしまったよ。イキり散らかしてる。
そして、自分の字が汚いことを悔やんだ。綺麗に文字を書く練習をしておくべきだった。
俺は字がめちゃくちゃ汚い。もとから汚いのに、直してこなかった。中学生の頃通っていた塾では先生から「お前は何回言っても字を綺麗に書こうとせんから、今からこのテスト用紙を端からまわす!」と言われ、自分の小テスト用紙がクラスで回覧されたことがある。小学校の先生も「字が汚いと絶対いつか後悔するよ!」と言っていた。そんな先生の忠告を無視して、床のちぢれ毛のような字のまま過ごしてきてしまった。
自分の作品を買ってくれた方に字が汚いサインを贈ること、綺麗に製本されたものに自分の汚い字が乗っかること、大変申し訳ない。「いつか後悔するよ」の「いつか」は小学校卒業から20年後の6月15日のことだった。
もし今後サインをご希望いただける方がいらっしゃいましたら、とにかく丁寧に書かせていただきます。次第に上手くなると思うので、購入時期によってサインの質にバラつきがあると思いますが、何卒ご容赦ください。
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