球持ちとしなりに関する考察(3)

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今回は、つかむ、という感覚について考えていこうと思います。


ボールをつかむという表現は、インナー系ラケットでよく使われる表現ですね。インナーフォースから聞くようになった表現な気がします。


つかんで飛ばす。野球でいうなら相手のボールをグローブで捕球して、そのままグローブで投げる。そんなイメージでしょうか?


ここで考えてみてもらえばわかると思いますが、グローブで投げたところでそこまで早いボールは出ないと思います。その理由はなぜかというと、グローブがボールを持ちすぎるからです。


このように、つかむという感覚は、飛ばす感覚とは対称的な感覚であるといっていいかもしれません。


では、なぜインナーフォースが、ボールをつかんで飛ばすことができるのでしょうか?その答えは簡単で、ラケットの内側に木材より固い特殊素材が入っているためです。


だから、木材の柔らかさがボールをつつんで、内部のカーボンがボールを弾き飛ばす。そんなイメージを持ってもらえるとわかりやすいかと思います。


ここでしなりとつかみは、球持ちという表現でひとくくりをされていて、分かりにくいという人もいるのではないかと思います。そこで、こんな図を書いてみました。


真ん中の丸が人の体、黒い線が人の腕、赤い線がラケット、青い丸がボールを示していると捉えてください。

ファイル 2021-02-20 3 14 22

上の図が、しなりの感覚を示した図で、下の図がつかみの感覚を示した図になります。

ファイル 2021-02-20 3 14 22_1


これはあくまで二次元的な図なので、どういう風に回転をかけるのか、という話は次回以降にしようと思いますが、自分が普段打つときに、どちらの感覚で打球しているイメージが強いのかを考えてもらうと、ラケット選びや練習で伸ばしていく感覚がわかるかと思います。


ただ、固いラバーを好む選手は、上の図のようにしならせて打球し、それより柔らかいラバーで打つ選手は、このようなつかむ打ち方をする選手が多い印象です。


この二つの感覚はどちらがいいという話ではなく、その人の個性であり、得意な方を伸ばすべきです。しかし、反対の打ち方も状況によっては必要な感覚になり得ると思うので、練習で心がけて両方の感覚を養うべきだと思います。



3回にわけて、球持ちについて考察してきました。

つかむ感覚は手でボールをつかむ感覚にちかいと思うのでイメージしやすい思いますが、しならせる感覚はどうでしたでしょうか?


皆さんの卓球に関する何かの役に立ったなら幸いです。


次回は、ラケット上のボールの軌跡について考察してみたいと思います。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

※一個人の私見です


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