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「読めば、ファンタジー小説が書ける気がしてくる本」を見つけたんだけど

読み終わって、「よっし、書いてみるか」とメモを取り出したところで、気付きました。
「ファンタジー小説って、めちゃめちゃ文字数必要じゃね?」

「世界観」

売れてるファンタジー小説、SF小説を思い浮かべれば、すぐに「世界観って大事だな」と思い当たると思います。

なお、この本で言う「世界観」とは、ファンタジーなら魔法や剣の仕組み、SFなら科学技術の水準や内容のことです。作品によっては、政治や行政、商業の仕組みなども含みます。
いわば、その物語の中の世界を成立させている、さまざまなルール、仕組みのことです。
人気のあるファンタジー、SFの多くは、この世界観に独自性があり、また作り込まれていて、めまいがするような異世界体験をさせてくれます。

本書は、世界観にはどのような要素があり、どのように考えて作り込んだらいいか教えてくれます。
具体的な作品の例が示されているので、とても読みやすいです(※紹介されている作品の多くは日本でも知られているものですし、中には日本発の作品も出てきます)。

噛み砕いて、具体的に説明されています。そのおかげか、読んでるうちに、ぼんやりと僕の頭の中にあったファンタジー小説のアイデアに、肉付けされていくようでした。

世界観を語るだけでは、小説にならない

ただし、世界観を語っていくだけでは小説になりません。

著者は、そのあたりも目が行き届いていて、
「キャラクターアーク(※キャラクターの性格の変化)と世界観の開示がうまくつながっていないと、読者は飽きてしまうよ」
「キャラクターのために、世界観の側がご都合主義になると、読者が冷めるよ」
といった警告がたびたび出てきます。

ちゃんと考えると…

ファンタジー小説って、分量が多くなるんじゃない?

という結論に至りました。ちょっと一筋縄ではいきませんよこれ…。

私が思いついたのは、ハードマジックシステム(※その「魔法」を使ったり習熟するには、厳格なルールに従う必要があるような仕組み。そのあたりのルールが曖昧な、ソフトマジックシステムと対置される)があり、中世よりも前の文化度である異世界だったのですが、これをキャラクター、ドラマと関連づけながら語っていこうとすると、なかなか簡単には話が進みません。

マジックシステムのからくりを示すために、安直に「ライバル」や「師匠」を出せば、中身の無い(説明するだけで、ドラマや性格が無い)キャラクターになってしまいます。
ならばとライバル、師匠のそれぞれに、性格を示すようなイベントを入れれば、全体の話がモタモタしてしまいます。

そもそも、主人公について考えるだけでも大変なのに、ライバルや師匠についてまで「その世界観と整合するようなドラマを考えて書く」となると…

これは、やっぱり大ごとです。

だからそうなるのか

「またかよ」と言われがちな、物語の枠組み(例:異世界転生、タイムスリップで戦国時代へ、…)が、それでも頻繁に使われるは、「世界観語り」の一部を省略でき、キャラクターのドラマに集中できるから、便利に使われるのだろうな、と思いました。

でも、いつか

それでもいつか、ちゃんとファンタジー小説を書いてみたいと思っています。
いつになるか分かりませんけどね…

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