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勝手に1日1推し 186日目 「パリポンピドゥーセンター キュビズム展 美の革命」

「パリポンピドゥーセンター キュビズム展 美の革命」国立西洋美術館     芸術

キュビスム展をキュビスト(ル・コルビジェ)の手による建築物で鑑賞する喜び!!
時空を超えた夢の共演。なんてことでしょう。当然心得ての企画でしょ?素敵過ぎる!!感動!!
新年でありまする。

年末は大掃除もせず、餅も買わず、YouTubeにて山田五郎さんの「オトナの教養講座」をひたすら見ておりました。おもろ!

私、そこまでキュビズム及びピカソに思い入れ(?)はなかったので、展覧会についてもスルーしていたんですが、山田さんの解説を聞いて、美術史におけるキュビズムの偉大さに改めて仰天しまくったもので、勇んで馳せ参じましたよ。
てか、ピカソって女たらしだから個人的にあまり好きになれなくてですねえ。しかもなんか要領の良さが鼻についちゃってヤなんですけど、まぁ、凄いなってなりましたよ、フツーに・・・。
でもでも「キュビズム=ピカソではなくて、本展は特にピカソというよりキュビズムに焦点があたっている」とのことでしたので、馳せ参じましたよ。

うむ。良かったです!!「オトナの教養講座」さまさまです!ありがとうございます。

セザンヌ&ルソーのヘタウマ画から発展し、キュビズムという実験的形の革命の成功による抽象画の誕生までの流れ。これがよぉーーーく理解できました。
凄い画期的!近現代絵画が大きく動いたターニングポイントだったんですね、キュビズムは。
絵画のみならず、建築、彫刻、どれもがキューブ。んぬあー、すごい。これも山田さんネタなんですが、キュビズムについて「あの時代の芸術家たちがもれなく感染した「はしか」だ」っておっしゃってて、それくらい世界中のアーティストたちの誰もが罹患(心酔)し、影響を受けた新時代の芸術で革命的だったんですよね、キュビズムは。

好きを追求し続けること=固定概念からの脱却からスタートしたと言うか、理解を超えた表現方法と言うか、新しい芸術への探求と美の概念が一択じゃなくなったんでしょうね。上手、下手の問題じゃなくて、個の方法論や主張が尊重されるようになって、見たままを描かなくていいじゃん。絵は絵で、現実じゃないじゃんって、芸術の枠が広がったし、芸術の担う役割も変わっていったんだと思います。戦争の影響も大きいとのことですが、新時代を迎えたんですよ、世界が。
「新時代はこの未来だ 世界中全部 変えてしまえば 変えてしまえば」って遥か未来、21世紀極東日本生まれのAdoさんも歌ってます!!
時代とともに人も思考も感覚も何もかもが変わっていくんですよね。

本展のサブタイトルの「美の革命」ってマジ、ホント、ソレナ。

で、ここからが本展レビュー。
とにかく、ピカソとブラックのザイルで結ばれた時代のラブラブぶりがめちゃ微笑ましくて良かったです!モチーフやテーマを同じくして描いてるの!
「ギター奏者」と「ギターを持つ男」の2点、貼っときます。同じやん(違うけど)。


「ギター奏者」ピカソ
「ギターを持つ男」ブラック

また、この同じっぷり(違うけど)をからかったかのようなキュビズム紹介雑誌のイラストがまた、いいのよ!!
同じやん(微妙に違う?)。

上段:左の絵→ピカソ・右の絵→ブラック

ウケる!エスプリやん。
そして、生活の一部にも食い込むキュビズム、すごー。

ちなみに、2人だけの世界でセザンヌをリスペクトしつつ、悪ノリさながらキュビズムを探求し続けたピカソ&ブラックはシャトー派と呼ばれ、その他、ドローネーやモディリアニ、デュシャンやル・コルビジェなど後に別の分野で美術史に名を残すようなアーティストたちが所属したのがピュトー派と呼ばれ、ってな感じで派閥(?)があったっぽいです。更にどちらでもあって、どちらでもないみたいな立ち位置のグリスやレジェというアーティストもいて・・・って・・・
???ってなると思いますが、いずれにせよ、描く対象を形化、抽象化し再構成、多視点から描くなどの定義は同一だし、セザンヌやルソー&アフリカ芸術リスペクトなんかも同じだったと思います。ラブラブのシャトー派2人の間に入れなかった、否、悪ノリについていけなかったのがピュトー派の面々だったのかもしれませんね。ダダまで疾走!後のアートシーンを牽引したのはそんなピュトー派だったんですなあ。

今回のメインビジュアルは、ピュトー派ドローネーの「パリ市」(トップ画像参照)です。形骸化してしまったパリの街並みを新たな視点で、更にはルソーオマージュも含めて描いているとの解説を読み、感激しました。とっても素敵でした!!
しかもデカい!デカい!デカい!美しい!
奥様のソニアさんの作品も素晴らしかった。つか、だんだん抽象画と区別がつかなかったりしますが。
つか、ラストを飾るレジェ×マン・レイの映像作品なんて「アンダルシアの犬」っぽささえ感じました。シュルレアリズム?!

あ~、楽しかった!!それに、セザンヌ&ルソーの作品まで見られた!自分のスタイルを確立する前の巨匠(?)たちの作品に沢山出会えるのも、得した気分です!

ポンピドゥーセンターの改修に伴いここまで大規模な展覧会が叶ったらしいです。感謝(驚)。Fishmansでした。50年ぶりなんですって。
え?じゃあ、ここまで一堂に会するのは、また50年後かもしれないってこと?是非、この機会に、アナタも美の革命の目撃者に!

ということで、推します。


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