逆に同い年の子供たちはこの時間に何をしていたの?

子供の頃、特に保育園に通っていた頃、私は1日のほとんどを父のお店のバックヤードで過ごした。
土日はもちろん、平日も保育園が終わると母か、たまに父のお店のスタッフさんがお迎えに来てくれて、そのままお店のバックヤードにカンヅメされる。
これが当時はかなり辛かった。お店は当然お客さんがいるから、子供がうろついて邪魔になってはいけないし、機械なんかもあったからバックヤードに籠っていないといけない理由は当時も何となく理解していた。
自分でいうのもなんだけれど、本を読む事が好きで大人しかった私でも、本当に本当に時間が過ぎるのが遅く感じて、辛かった。
お腹が空いても勝手に食べていい物は無いし、飲む物も自由じゃなかった(置いてあるのはスタッフさんのお弁当やお茶)。
もちろん、両親も度々顔を出して、私がお腹が空いたと言えば少し離れたコンビニに何か買いに行ったりしてくれることもあったし、前もってアレコレ買い込んでから来ることもあった。
スタッフさんたちも休憩の度に話し相手になってくれたし、虐げられていた訳ではないけど、思い出しても遊びたい盛りの子供には修行のような時間だったと思う。
小学生になると、店の近所を少しだけ散歩することを許されたりもした。

父のお店は今ではもう移転してしまったのだけれど、今でも昔お店があった辺りを歩いてみると、もう20年以上も前の事なのにあの日々の事を鮮明に思い出す。
こういうのをノスタルジーと呼ぶのだろうか。
きっとこれからも、薄れてしまうことはあっても忘れることはないと思う。
ただただ何も無い時間を過ごしただけなのに、いやに濃い思い出となって記憶に残っている。

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