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風がないのに、ざわざわと波立ち、うごめく木。


中東にあるイスラエルの生態系は、当たり前ですが、日本とはまた違ったバリエーションがあり日本の常識を覆される発見・経験が豊富にできました。


無風の暗闇の中でうごめく木

ある日、二件隣の部屋のボランティア仲間の部屋に集まって、皆でワイワイしている(トップ写真はウイジャボードで遊んだ時のですが)うちにすっかり日が暮れた頃に外に出ると、すぐ外に生えている木の様子がおかしい。
何かが動いてる・・・?
なんだろう・・・そんなにビール飲んだ覚えはないんだけどなぁと思いながらも、目の焦点が定まらない。
「なんか目が霞んでるのか、木が変に見える〜」と訴えると、他のボランティア仲間たちも部屋から出てきて、一緒にどれどれと外の木を凝視しました。

「何かいるの?」と言いつつステファンが目をこすりながら更に木に近づくと・・・
「ワァオッ!?」と叫んでのけぞり飛びのきました。
「何だなんだ?」と、やんやと皆が出てきて木を見に来ました。
「なんか木の幹が動いてない?」誰かがわたしの代弁をしてくれました。
「だよね?でも暗くてよく見えない」
俺に任せろ」ベルギー人のミシェルがライターを持ってやってきました。
シュポッ🔥と火が点き辺りをぼんやりと照らしました。
「ワアァッ〜!」「キャアァッ!」慌ててみな後ずさりました。
やっと何が起きているのか判明しました。
「まさかこれ、全部ゴキブリ〜!?」カロラインが叫びました。

そう、幾重にも折り重なったゴキブリの大群が1本の木に群れて木の幹を覆い尽くし、波のように上に下に這いまわっていたんです。

一通りのスウェアワード(言ってはいけない言葉)を連発した後、ミシェルが
「誰かヘアスプレーを持ってない?」と聞いてきたので、カーラが自分の部屋からロレアルの缶を持ってきました。
「でもこれ殺虫剤じゃないよ」
まぁ、見てなって」と言うなりスプレーを手に取ったミシェルは、咥えタバコをしながらスプレーをゴキの木に向けると、スプレーのノズルの前にライターをかざし、点火と同時にスプレーを噴射しました。
すると「ごおおおぉ〜〜〜っ!」と凄い音を轟きわたらせて、即席火炎放射器よろしく炎の柱でうごめくゴキブリを焼き殺そうとしました。

呆気にとられて見ていたわたしたちは、次の瞬間、阿鼻叫喚をあげて方々に逃げまくりました。
というのも、ゴキブリたちが「となりのトトロ」に出てくる「真っ黒クロ助」のお引っ越しよろしく、バタバタと空を四方八方に飛び出して来たんです。
でもゴキブリって、辛うじて飛べるけど、その飛跡のコントロールは無きにも等しく、わたしらの頭上を飛び去る途中で突然に力尽きてボトリと落ちてくるという・・・
絵に描いたようなドタバタでした。

こうやって今思い返せば楽しい思い出ですが、その渦中にいたときはパニックそのものでした。ヨロヨロと頭上で力尽きて落ちてくるゴキの雨

その後は、ミシェルを怒鳴りつけて即席火炎放射器を止めさせ、後日キブツの人に殺虫剤を撒いてもらいました。

この事件以来、わたしらボランティア仲間たちの結束が強まったのは、怪我の功名でしょうか。

ハミングバードかと思ったら・・・

またある日には、ハイビスカスの様な大輪の花の前で空中ホバーリングして蜜を飲んでいるハチドリを見かけました。
それまで本物のハチドリ(ハミングバード)を見たことのなかったわたしは、もっとよく見ようと近づいてみました。
近づいても逃げる素振りを見せずに同じ位置でせわしなく羽ばたいていたので、両手を籠のようにしてそっと捕まえてみました。
思ったより簡単に捕獲できたので、改めてきちんと見ようと、逃げないようにゆっくりと両手の籠を開いて見てみると・・・

それはオレンジ色の、バッサバサの毛深い、蛾でした。

即座に「ぎゃぁっ!」の効果音と共に手を離すと、でっかい毛深い蛾(モスラと命名)は、何事もなかったように飛び去って行きました。
それにしても、蛾なのに、感触はまるでハムスター🐹でした。


巨大トカゲとかくれんぼ🦎

ここのトカゲも半端ない大きさで、下手すると頭から尻尾まで1mを超える個体が、家の外壁にひっついていたり、トロントでリスを見かけたのと同じくらいの頻度で、木にはリスでなくトカゲが鎮座していました。近づくと、木の反対側に逃げるので、それをもっとよく見たいわたしは、木の周りをグルグルと周ったり。
そして窓の外には、鮮やかな緑色の・・・カメレオンが闊歩していました。
カメレオンって、足の指が2本づつしかないとか、両眼が別々の方向に動くとか、しっぽがトグロを巻くとか、改めて実物を前に確認させてもらいました。可愛いぃ〜かった。

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