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[アルツハイマー病は治せます]見逃せないTEDスピーチ

「アルツハイマー病は正常な歳の取り方ではないーーーゆえに、治せます。」
”Alzheimer' Is Not Normal Aging.--- And we can cure it.”

これは2015年に発表され、90万回以上視聴されている、サミュエル・コーエン氏により8分にまとめられた、簡潔明快なTEDスピーチです。

このページをご覧になる読者の方は恐らく皆、誰かまたは自分自身がアルツハイマー病にかかる可能性が高かったり、看病している、または看病している人を知っているなど身近に感じる経験をされているかと思います。
現実、わたしの母もアルツハイマー病を患っています。

こんなご時世の中で発せられるトップクラスの研究者の発表に、襟を正す思いで聞き入ってしまいました。
世界最高峰の科学者たちが全力をあげて解明すべく研究している成果の一部を、当事者本人の口から聴ける機会です。
英語でのスピーチなので意訳(一語一句の翻訳ではなく)しました。参考になったら嬉しいです。はい、ここから。

アルツハイマー医師の発見

「アルツハイマー病は、140年前にドイツの医師アオイス・アルツハイマー(Dr Alois Alzheimer)氏が、患者のオーガスタ・ディター(Auguste Deter)を診察・経過観察・解剖して発見されたものです。オーガスタさんを助けることができないまま、ある日突然亡くなってしまいました。

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彼女が亡くなり解剖してみたところ、脳内が奇妙に引っ張られ、絡まっていることに気がつきました。それは今まで見たことのないものでした。

そしてもっと特筆すべきことは、それから140年経った今ですら、オーガスタさんの為にしてやれることはほとんどないということです。

世界で初めてのアルツハイマー病の患者のオーガスタさん。⬇️画像2

140年間ほとんど進展のないアルツハイマーの治療法

現代までに様々な抗生物質やワクチンが開発され、伝染病やがん、HIVや心臓病の治療薬が開発されています。が、アルツハイマー病に関しては、全くと言っていいほど何も進展がありません。

今現在、世界中で1400万人のアルツハイマー病の患者がいますが、その数は2050年には1億5千万人になると予測されています。その中には、今お聞きの皆さんもかなり含まれていくでしょう。

85歳以上では、アルツハイマーにかかる確率は2分の1です。
ということは、あなたの老後は、アルツハイマーにかかってソファに座りきりになっているか、あるいは、アルツハイマーにかかっている身内の介護をしていることでしょう。

発見されてから140年も経つというのに、世界中におけるトップ10の死因のうちでアルツハイマー病だけが、予防も、治療も、遅延すらさせることができないと言われています。

真剣になって耳を傾ける聴衆。⬇️

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研究にかける時間と予算

なぜでしょうか?
研究にかける時間と予算が圧倒的に足りないからです。

がんの研究予算が年間50億ドルなのに、アルツハイマー病は10分の1の5億ドルです。それに対し、がんの年間治療費は1000億ドルなのに、アルツハイマー病は2倍の2000億ドルかかっています。
しかし、年間の死亡数は大して変わらない、癌は55万人、アルツハイマー病は50万人です。

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この予算の違いはなんでなのでしょう? それは認識の違いからきます。
アルツハイマー病は、歳を取ったら皆かかる病で治せないものだと思われています。しかしそれは違います

その証拠にこの比較画像を見ると、健康な高齢者の脳と、アルツハイマー病にかかった高齢者の脳の違いは明白です。

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脳が縮み、隙間だらけになり、脳神経組織がからまった状態になってしまうのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病は、容赦ない記憶喪失認知能力の低下の原因になります。
それは、寿命を縮めるだけではなく、致命的なものとなります。

ベタベタのプロテイン細胞

ケンブリッジ大学での研究により、あるプロテインの細胞がノリのようにベタベタと脳内にくっつき、絡まり、肥大化、伝染していくことにより、脳組織が破壊されていくことが判明されました。

それは折り紙に例えるとイメージし易いかもしれません。折り紙は、紙を秩序正しく折り合わせてまとめ形作られていくアートですが、その紙の一部にベタベタするものがランダムにくっついてしまい、きちんと折れずに形崩れていく感じです。

これを解明するのは爆弾の解体作業にも似ています。どの線を断ち切ったら爆発を止められるのか、間違った線を切ると爆発してしまうので慎重に処理しなければなりません。

そして最近ある化学物質が発見されました。
それを証明するのに、虫で実験されました。

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左端は健常な虫です。グネグネ活発に動いています。中央のはアルツハイマー病に感染している虫です。ほとんど動きがありません。硬直しています。そして右端のは、アルツハイマー病にかかっている虫にこの薬を与えたものです。ウネウネと元気に動いています。

現在この研究に、世界中の医療関係者、生物学者、遺伝子学者、化学者、物理学者、工学者、数学者たちが全力を上げて解明に力を注いでいます。

助けが必要

ここで皆さんの助けが必要です。
世間の認知度をあげる必要があるのです。
これまでエイズや癌の認知度向上のためのキャンペーンが世界中で行われ、研究費がまかなわれてきました。

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しかしアルツハイマー病は、患者自らの声を発することができません
そして彼らを介護・看護している家族たちは憔悴しきってしまっています。
ですので今、あなたたちが率先してアルツハイマー病の認知度を上げ、臨床可能な薬を作り出せるよう、ご協力をお願いします。

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アルツハイマー病は治せる病気となります。」

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