近所のおばさんがテレビで説教されていた話
私が小さい頃整形、エステ、メイクなどをして女性がきれいになる的な番組が放送されていた。
最近出演していた美容師の方が亡くなられたというニュースをみた事でふと思い出した話を書きたい。
レギュラー番組として放送されていた時代もあったがスペシャル番組になって不定期放送となっていた頃の話。
名前は知らないがどう見ても近所で見かけるおばさんが出てきたのだ。顔だけなら別人と言えるが彼女が何時ものように来ているキャラ物のTシャツを着ているので別人はあり得ないだろうと思った。一緒に見ていた母親も同調したのでやはり間違いはない。
彼女の「変身」には某有名エステクリニックの監修でダイエットをする話であった。時間がかかるようでスペシャル番組であるが次回に持ち越しとなった。
私は連載漫画を追いかける事などエンタメで待つことが嫌いな上に次週が分からないため非常にイライラしたが、顔は知っているが名前は知らない人。次を待つしかなかった。
忘れてしまったがおそらく三ヶ月くらい経った頃待望の次回がやってきた。人生でトップクラスにワクワクしながら見ていたテレビであった。
彼女の話になった時思わぬ展開が的な煽りになりダイエットをしていた筈なのに逆に太ってしまったという内容であった。
グジグジした言い訳にエステクリニックの有名社長が説教をしていた。正直彼女が近所のおばさんでなければ社長側が正しいと思ったかもしれない。
テレビも入ってお金や時間もかかっているのに不甲斐ない人である事は違いない。
しかし顔だけでも知っている人が地位の高い人に叩かれてテレビで晒されている姿は胸に刺さった。
もう一度頑張るという話になり次の回で続きをやるという内容のためスペシャル番組を持ったが彼女の話は放送されなかった。
「まあ、そうだろうな」
内心この結末は予想できたが、ならあんな説教シーンを流さないで無かったことにして欲しかったと思った。
彼女の姿をこのあと見ることもなった。元気に生きてるかも知らない。
ただ、顔見知りがテレビで晒し上げにあっていた姿は偶に思い出すくらいに心に残った。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?