見出し画像

「会社」として、ではなくて「個人」として

こんにちは。4月末に会社を辞めました、ななみんです。
はい、大丈夫です。無事、転職先でお仕事を初めています。

大手グローバル企業に入社した時の話し

前職は東京都内の大手CRO(医薬品開発業務受託機関)。噛み砕いて言えば、製薬会社が開発した新薬の販売申請手続きをする会社です。会社は51ヶ国に拠点を置く、従業員18,000人のグローバル企業。日本従業員は約1,400人。その内、私の所属部署は400人程。私はその部署に2017年10月に入社した12人中の1人。

とってもちっぽけな私でした。

私は入社の頃から、この巨大な組織という会社に悩まされていました。「こんなに大勢の人が一つの組織に何のために集まっているのだろう。そして、私は何のためにここで仕事をするのだろう。」

私はいつか自立して自分の目標に向けて自分の組織を立ち上げることを夢描いていた。その目標意識が強かったからなのか、大きな組織での団体行動を抵抗していた。

当初は、入社式から新入社員研修、アセスメントを受けてからのプロジェクト配属を経て会社の一員として働く自分や同期が、透明の糸に操られる絡繰り人形のように見えた。私は、人形遣の陰を感じては、「騙されない。いつか絶対抜け出してやる。」と心で決めたもんだから、「会社」と「自分」を常に切り離して仕事をしていた。きっと、周りからは激しく疑問を打つける変人だと認識されてたはず(笑)

「会社」と「個人」の線引き

「会社」と「自分」を切り離すことで、良かったことと良くなかったことがあることに気付きました。

まず、良かったことから。自分「個人」の価値観に向き合うことができたことですかね。「今年度の売り上げ◯◯を達成する」、「クライアントに高品質のサービスを提供する」、といった会社としての目標ではなく、私個人が会社に貢献することで何を得るのか、何を得たいのか、を考えられた。私の場合、独立するのであればどんな経験を積まなければいけないのか、一生懸命考えていました。

さて、良くなかったこと。それは、同僚や上司と「会社」として接してしまったため、「個人 対 個人」としての関係性が築けなかったこと。独立意識が高い私は自分の未来のことばかりで、目の前にいる同期や今会社で出来ることを遮断していました。それを気付かせてくれた上司の言葉があります。

「会社の良いことはそれなりのリソースがあるから、所属している間は上手く使ってみるのもありじゃないかな。」

そう言ってくれた上司も、一度はキャリアチェンジのために会社を辞めてはロールチェンジで会社に戻って来た方でした。彼女が自身のキャリアを突き進むために、こんな大きな組織を動かしながら自分のチャンスを作っていく姿を見て、私は心から尊敬しました。

私は今出来ることが何なのか、考えてみようと思えました。

この会話が切っ掛けで嬉しい出来事がありました。将来独立させようと続けていた社外活動に、上司の協力をお願いしてみました。それは、今まで私が「会社」と「自分」に壁を建てていればあり得ないと思っていたかもしれないけど、今「会社の一員」として出来ることを考えてみたら、好奇心が湧いてきた。上司は純粋に優しかった。社外で私が頑張っている取り組みを見て、「尊敬している」と肯定くれました。きっと、こうやって私が実現しようとしているビジョンが共有できて、私が社内でモヤモヤしている理由を分ってくれたのかもしれない。

その後、上司は交代して、彼女は産休に入って、私はこうして会社を卒業して今に至るけど、彼女とは「会社」とは関係無く「個人」としてLINEのやり取りは今でもずっと続けています。

これから活躍する「個人」のパワー

そして、今の仕事は「新産業アクセラレーター」。
何それ?ですよね(笑)

日本の新しい産業を作るのは「アントレプレナー(起業家)」よりかは、「インタープレナー(社内起業家)」だと会社で先日議論されていました。インタープレナーとは、自分の社内を新規事業作りをリードする人でもあり、他の共産企業との架け橋にもなり、最終的には一つの産業エコシステムの発展の中心になる。そんな人がこれから活躍することが期待されるのだとさ。

「そんな人。私の会社にいたっけな?」と思っていたら、あの上司の顔が思い浮かびました。彼女と築いた関係性は「上司 対 部下」でもないし「社員 対 社員」という単純なものでもなかった。心からお互いの価値観を分ち合っていた「個人同士」だったのかな、て今振り返って思えた。

きっと、そんな貴重な出会いが社内、社外、関係なく、色んなところに隠れていて、新産業に発展する可能性があるとしたら、一瞬、肩書きを取り払って、一人の人間として隣の人とお話するのが楽しくならないかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?