好きなバンドが活動休止した
私の好きなロックバンドに「Ao」というバンドがある。
元々は「raison d'etre」（レゾンデートル）というバンド名で活動していて、安田貴広さんをフロントマンとする北海道札幌市のロックバンド。
藍井エイルさんが元々raison d'etreのファンで、安田さんは藍井エイルさんにも楽曲提供している。
前はライブにも行っていたのだけど、安田さんが歌を歌えなくなったということがあり、2017年頃から目立った活動がなかった。
ふと思いついたときにTwitterで状況を覗いたりはしていたが、先日、安田さんのTwitterを見てみると、Aoは活動休止になったと発表があり。。
あぁ活動休止になったんだなと。。
自分の中で色々考えたことを綴ってみる。
2015年のこと
Aoを知ったのは2015年のことだった。
東京で就職して間もない頃で、日本のロックバンドにハマっていた。
田舎者の私は、なんか東京でロックを聴いている自分カッコイイと思っていた。
毎週のように都内のライブハウスに行ったり、新宿のタワレコに行っていた。
私はThe pillowsが好きで、『ストレンジカメレオン』のような暗い感じの曲を演るバンドを探していた。
何のきっかけでAoを知ったのかはわからないが、安田さんがニコニコ動画に上げていた『ライムライト』のMVを観て、度肝を抜かれたことは覚えている。
震えた。
曲も良いのだが、歌詞と声がよかった。
心の奥底にある息苦しさや衝動を静かに叫ぶような歌詞。
透明感があって若々しく、そして青臭さを感じる声。
曲・詞・声が見事にマッチしていて、最高だと思った。
守られていることに
慣れてしまった僕は
流れに負ける
弱い自分を殺せないまま
守るべき心が
守り切れぬのなら
いっそ期待は捨てるほうが
いいかもしれんねぇ
それでも僕は歌う
臆病な怒りを
嘘で膨れた巨大な風船が
胸を満たす
いいぞ…、いいぞ…！とこの曲のことを調べた。
どうやらこれは、raison d'etreというバンドの曲で今はAoという名前でメジャーデビューしているらしいということがわかった。
早速タワレコでAoのCDを買ったら、これがどれも自分に刺さった。
当時、自意識の塊のような人間だった私は（今もだけど）、あらゆる曲が刺さった刺さった。
そうか そうだった 知っていたんだ
俺は凡人だと
こんな平凡な人生を生きる俺は幸運だと
どうやって思えばいいか
誰か教えてくれよ
刹那の衝動や期待なんかは
すぐに消えるから
半端な才能も運も全部
ガソリンかけて 燃やしてぇ
セフィロトとフォトンベルトのCDは、2015年当時でも新宿のタワレコにまだ売ってた。
セフィロトもめちゃ好きな曲。
死ぬほど待ってみたって
変わってゆくわけもなくて
飯食って寝て
ちょっと泣いて
日々は廻っていくんだって
世界の影 時代の風
受け入れながら
この悲壮な星はもう一回転
「Aoすごいよ！すごい！」とTwitterで言いまくっていたら、安田さん本人から「アルバムだと『夢幻無限ディスコード』がいいですよ」とリプライをもらったのもいい思い出。
ちなみにそのときはすでにAmazonのマーケットプレイスで『夢幻無限ディスコード』は入手していた…（笑）
自分の中では、この『無限無限ディスコード』は、the pillowsの『LITTLE BUSTTERS』と並んでロックの「名盤」という位置づけになっている。
レゾン時代も含めてAoのCDは全て揃えた。
どの曲もとにかく自分に刺さった。
2015年当時、他に好きだったロックバンドは「きのこ帝国」で、まぁきのこ帝国なんて誰でも知ってるわけですよ。
でもAoは知っている人しか知らない。私は知っている！
そのことは私の自意識を強烈に刺激した。
こんな良いバンドの、こんな良い曲を、自分は聴くことができる！
今思えば少し恥ずかしいが、当時仕事でしんどい思いをしていたこともあり、確実にAoは自分の支えであり、優越感のようなものすら感じていた。
2015年、Aoのライブには行ったことがなかったが、武道館で安田さんを観ていた。藍井エイルさんの武道館ライブでゲストで安田さんが出ていたのだ。
藍井エイルにはあまり詳しくなかったが、『シリウス』や『サンビカ』という『キルラキル』の曲が好きで、知り合いに誘われて行った。
そこでなんと安田さんが出てきたのだ！
それまで調べたなかで、安田さんが藍井エイルに楽曲を提供していること、安田さんがあの名曲『サンビカ』を作ったことは知っていた。
サンビカを作ったのが安田さんだと知ったときは打ち震えた。
サンビカは、私が好きなアニメ監督の今石洋之監督の『キルラキル』の劇中挿入歌で、ここぞ！というシーンでかかる曲。
主人公の纏流子が、初めて相棒の神衣・鮮血と心を通わせて本気の人衣一体をして、宿敵・鬼龍院皐月と戦うところ、ここで初めてサンビカがかかる。映像と合わさって、それはそれはすごいエモいのだ。
物語終盤、佳境の総力戦のシーンでもかかったりね。
キルラキルは名作アニメなので観たこと無い人は観てつかーさい。
武道館での安田さんは、「俺、母ちゃんにさぁ、武道館行ってくるって言ってさぁ、」みたいな話をしていた。
2015年の年末、JRの青春18きっぷで故郷に帰ったのだけど、ずっとAoの曲を聴いていた。
雪の降る景色を走る電車のなかで、ずうっと。
ライブに行った2016年
2016年、「空の無い世界」という新譜アルバムが出て、下北沢WAVERというライブハウスでライブも開催された。
アルバムは新宿のタワレコで予約したし、ライブもいった。
その後、2017年にリクエストワンマンライブというものがあり、このライブにも行った。
どっちのライブだか忘れてしまったのだけど、安田さんがMCで恋ダンスのフレーズをつぶやいたり、「サンビカやろうかな」とか言ってみたりしてたことを覚えている。
あと空の無い世界のライブだったと思ったのだけど、セットリストに『ライムライト』があって、頭がおかしくなるかと思った。あれほど聴いた、苦しいときに助けられた名曲、ライムライトを生で聴けたのだ。
ライムライトはレゾン時代の曲で、ファンも多く、会場のテンションも凄まじかったことを覚えている。
盛り上がりすぎて、最前列の柵みたいなところの人がギチギチになってしまい、安田さんが「ちょっと危ないな、危ない」と言っていた。
最後のMCで、「俺もさぁ、ぶっ殺したい奴とかいるよ！？そりゃいるよ！それでもさぁ、生きていこうぜ！」みたいなことを言っていて、勇気が出た。
それから
それから、目立った活動がなくなってしまったのだけど、ずっと聴いていた。
Aoやレゾンの曲はウォークマンにプレイリストを作っている。
ゆかりんの復活ライブがあったり(2017)、the pillows30周年記念の横アリ名公演(2019)があったり、そんな中でも、折りに触れて聴いていた。
自分はあまり、一時期ライブに行ったとしてもアーティストを長期間追い続けるということはしないのだけど、Aoはずっと聴いていた。
先日、安田さんの配信で、もしかしたらraison d'etreを再結成するかもしれないと言っていた。
レゾンでもAoでもいいから、また安田さんの歌が聴きたいと思う。
発表された新曲の「キーメイカー」もAoだった。
紛れもない安田さんの曲だった。
多分これから何もなくても、Ao/レゾンの曲は聴き続けるだろうけど、またライブで聴きたいと思う。
ずっと待っています。
答えは無いのも
一つの答えだろう
彷徨う分だけ涙も落とすだろう
それでも落としていることに気付かないように
これからもずっと歌い続けるのさ
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