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少女A伝

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短編小説集です。
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2017年10月の記事一覧

線路は見えなくても続いてる

このあいだ、幼稚園の頃から知っている男友達からいきなりメッセンジャーで連絡が来た。

「さっき君のことを地元の駅で見かけたよ。帰国していたんだね。ますます綺麗になったと思った」
20年の歳月は、鼻垂れ小僧が女性の機嫌を取れるようになるほどには、長い。
「あら、口が上手くなったわね。見かけたのなら声かけてよ」
「なんか険しい顔で書類を読んでいるようだったから声かけなかった。でも、本当に美しくなったよ

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