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『推し、燃ゆ』 宇佐見りん

芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』を買った。

私は今まで芥川賞や直木賞を受賞した作家の本は買ってこなかった。

興味がないから買わないのではなく、私はメディアに注目されるものは、どんなものでも熱が冷めてしまうのだ。

だから今まで買ってこなかった。買いはしなかったが、受賞報道が出るたびにチェックはしていた。

今回はたまたまラインニュースを開いたときに受賞作品が決まったと見出しがあり、チェック程度に開いてみた。

そこに衝撃的な数字があった。21歳。

純粋に、すげえと思った。

その人の作品を急いで本屋へ行き探した。けれど、田舎の本屋には置いてなかった。

今すぐに読みたいと思い、街の書店に取り置きを依頼した。


そして、今日、ついに丸善に行き、買ってきた。

帰りの電車で読んだ。久しぶりに一気に読んでしまった。


読み終えて、なんとも言えない感情が湧くと同時に、とても不思議な本だったと思った。

色に例えるならば、はっきりとした色使いではなく、ぼやけていて、モヤがかかっているように見せる色使いだった。


はっきりと見えないからこそ、主人公の言葉は?主人公はなぜこうなった?と考えてしまう。


初めて、本が面白いと思った。

今までいくつもの面白い本に出会ってきたが「考えてしまう」「気になってしまう」面白さは宇佐美りんさんの本だった。


凄さを感じたと同時に、書き方も学んだ。


そして、だから本はやめられないと思った。

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