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街のギャラリーの個展はヘアサロンより入りやすいという話。

こんにちは!
ATELIER CICAマネージャーのNaNaMiです。

ただ今CICAでも活躍中のアーティスト、
イユダエマが個展を開催中です。
丁度いいので、今日は『個展』についてのお話。


一口に個展と言っても、有名アーティストの大きなギャラリーでの個展から、新進気鋭のアーティストの街のギャラリーでの個展、カルチャーグループの公共会館での展示など、様々ですが、私が一番「とっつきにくさ」を感じるのは、街のギャラリーの個展です。

お家のような、入っていいの?みたいな場所で、入ると数人が親しげに話し合っていたりして。

あ、もしかして、知り合いの人しか来ていない?入ると絶対に気づかれてしまう。
話しかけられたらどうしよう?少し見たいだけなんだけど、入りづらいな、というような。


私自身は、個展もグループ展も出展したことはないのですが、行ったことならあります。
もちろん、友人、知人のものも、そうでないものも。
その方のアートを元から知っていて行く場合も、知らないけれど行ってみよう、なんてことも。


初めに言っておきます。
私はまぁまぁの人見知りです。

接客業をしているので、中々そうは見られないのですが、仕事外となると駄目。
服屋さんの店員さんに話かけられるのなんて、本当に苦手。美容院へ行く時は、仕事と同じスイッチオンのモードでないと上手く話せません。

そんな私ですが、ギャラリーへ行きます。

実は、ギャラリーというのは最初の一歩を踏み出せば、そんなに敷居の高くないものだと思います。
まず、ほとんどの場合が無料で入れます。
みんな、作品を見に来ているわけですから、黙ったままで大丈夫ですし。
ヘアサロンや服屋より、ずっとずっと、ハードルが低い、と、個人的には思っております。


では実際に、シミュレーションしてみましょう。

例えば、大阪市内だと、中崎町には小さなギャラリーが沢山あります。カフェCICAのある谷六にも、すぐ近隣にいくつかあります。

小さなギャラリーは入り口も小さく、靴を脱いで上がるところなんかもあります。
ギャラリーに入ると誰かしら、居ます。
こんにちは、と挨拶しましょう。

それだけです。

話しかけられたら、勿論答えますが、会話が苦手な方は口籠ってしまったりするでしょう。
構いません。
ギャラリーのスタッフの方も、色んなお客様と接しているプロですので、あまり話したくないのかな、と察してすっと下がってくれるでしょう。(多分。)

後は、存分に、自分のタイミングで作品を見るだけです。

好みじゃないな、と思ったらすぐに出て行っても構わないし、見ている間に制作方法に興味が出てきたら、聞いてみましょう。めちゃくちゃ詳しく教えてくれることが多いです。

そんなに丁寧に教えてしまっていいの?一生懸命編み出した秘伝の技では?と思うくらい教えてくれたりします。


ここ、ポイントなのですが。

個展を開く、ということは、「色んな人に見てほしい」と思っているということなのです。
勿論、あなたにも。

だから、制作者であるアーティストさんも、その想いを引き継いでギャラリーに立っているスタッフさんも、作品に興味を持ってくれることが、とっても嬉しいのです。

だから遠慮しないで、見て、自由に感想を持ってください。

よくわからないな…でも、勿論構いません。
(私も良く思います。抽象画とか、本当によくわからない。)
あなたにとっては「よくわからない」というのがその作品で、無理にわかる必要はないのです。

次第に、「よくわからないけど、なんだかこの色遣いは好きだな」という作品が現れたりします。
その程度で良いのです。


じゃあ何故そもそも、個展に行かないといけないの?今時ネットで作品がわんさか見られる時代だよ?

ということになるかと思いますが。

それは、教科書で見たことのあるような、超!有名絵画をナマで見る時がわかりやすいです。
原画って、凄いんです。

画面上でも、高解像度の画像なら、筆のタッチや紙の質感までわかるかもしれません。
そもそも作品自体がデジタル作品、という場合は、逆に画面上で見ることが最良なのだと思いますが、筆をのせて描いたものは、生で見るのが一番だと、私は思っています。

何が違うの、と言われると、上手く言葉に出来ないのですが…
原画からは、なんていうか、「温度」が伝わって来るのです。
馬鹿みたいな言い方をすれば、「あー、これ、本当に人間の描いたものなんだな」と、実感するというか。

絵の具の盛り上がりで出来る僅かな影だったり、「その空間に置かれていること」による見え方の違いだったり、作者の存在が、実感を持って伝わってくるというか。

(アメリカでピカソの作品を見たとき、
「なんだこれは!なんかよくわからないけど凄い!」と思った私が保証します。
ピカソ、教科書で見ているだけではよくわからないんですよね。)

自分でも作品作りをする方であれば、技法の勉強には最高です。
印刷物では見えないものが沢山見えるので、
「こんなに丁寧に下地作りしてるのか」とか
「思った以上の描き込み量だな」とか
「もしや、ここはこうして描いているのでは」
ということがわかる。
ものすごーく情報量の多いものなのです。


なんやかんやと言いましたが。
もし、少し気になるアーティストさんが個展をする、なんて時には、是非是非是非、行ってみて欲しいのです。

何ここ、行ったことない…
Google マップで見てみたけれど、民家では?
なんてこともあると思いますが、恐るる事勿れ。

ギャラリーはすべて、あなたに向かって開かれています。


そうそう、ひとつだけ。
作品に対しては、ほんの少しで良いので敬意を持って接してください。

例えあなたの好みでなくても、自分の方がよっぽど上手いわ!なんて思っても。
目の前のその作品は、アーティストさんが心を込めて作り上げた作品です。
公に公開しているわけですから、皆さん批判の声も覚悟してらっしゃるとは思いますが、あまりに心ないコメントは、どうかギャラリーを一歩出てからお願いしたく存じます。

私の好きな小説の一節で、
他人の大切なものを蔑ろにするのだけは駄目だ
って言ってました。
本当にそうだなぁって思います。

さて、あとは行ってみるだけですね!

因みに、イユダエマ個展はタピオカドリンクを楽しめるカフェに併設のようなので、とっても気軽にご覧頂けますよ!
もちろん、私も行く予定です。
詳細は以下に。
是非よろしくお願いいたします!


* * * * * *

イユダエマ個展 「DAY DREAMS」
2020.2.1 SAT-2.20 THU 12:00~19:00
可愛Gallery / 入場無料 / 最終日17:00まで

作品はこちらから↓
http://www.instagram.com/ema_iyuda/
Twitter:@ema_iyuda

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