鬼滅の刃17巻感想「善逸の覚醒、兄弟子との決別」「宿敵・猗窩座と対峙」
しのぶさんの死を早々に伝達する鴉。
正確な情報を即共有は大切です、でも悲しむ暇さえ与えてもらえない最終決戦の最中であることがつらすぎます。
家族を失ったばかりの輝利哉がわずか8歳で産屋敷家の当主となり、妹2人と戦闘状況を冷静に把握しているのがさらに痛々しくて。
家族や柱の死亡に感情が揺らぐことすら許されなくて、最終決戦の重みを感じます。
善逸と兄弟子・獪岳の戦い
アニメの柱稽古編で、善逸が受け取った手紙に書かれていたことは、育ての親であるお爺さんの死。
元柱(鳴柱)の桑島さんは雷の呼吸の使い手。雷の呼吸の継承者である兄弟子の獪岳が鬼となった責任を取り、介錯をつけずに切腹したと。
上弦の壱・黒死牟に頭を下げて鬼になりたいと懇願するなんて。獪岳は、鬼殺隊としての矜持よりも生への執着が勝ったんですね。
鬼にさせられたのではなく、自ら進んで鬼を選んだ。
どう考えてもカスの行動。
獪岳はいつでも不満を抱いて心が満たされることはなかったと。自己承認欲求の欠乏は現代の私たちにも通じるものがありますね。
持ち合わせているものや環境が、実は得難く恵まれていると思えず、隣の青い芝を妬む。
自分はこんなものではないと盲信し、他者を軽んじる。
人間も一歩間違えれば邪道に走る。
獪岳は分かりやすく鬼になった例だと思いました。
善逸は、自ら編み出した7つ目の型を繰り出し、獪岳の首を斬り落とす。
この技で鬼殺隊員として肩を並べたかったと零す善逸。鬼である以上兄弟子ではないと言いつつも、憎みきれないのが伝わってきました。
育ての親も兄貴も喪ってしまった。鬼を倒したのにつらい。
落下する善逸を助けたのは、鬼殺隊員に紛れて援護している愈史郎。気が滅入るような事実を、重傷者に淡々と告げるのが彼らしい。
わずか1話で決着するのが意外でしたが、獪岳が鬼に成りたてだったのと、善逸を見下して油断していたのが幸いしたんですね。
猗窩座と因縁の戦いへ
煉獄さんの仇である猗窩座が、炭治郎と義勇さんの前に立ちはだかります。
炭治郎、無限列車から血の滲むような努力と鍛錬を重ねたよね。猗窩座に強さを褒められるためではなく、倒すために。
名乗るのを頑なに拒否する義勇さんの名前をあっさりと呼んでバラしてしまう炭治郎。
全部説明しちゃうからこの子は〜。
猗窩座が、煉獄さんがあの時死んでよかったとほざいた時、私も怒りで震えた。
それなのに猗窩座へ憎しみよりも思い遣りを解く炭治郎が真っ直ぐで驚く。
義勇さんが痣を発現!
戦いの中で勝機を見出すために考える炭治郎。父親が斧で大きな熊の首を斬り落とした、"透き通る世界"を思い出す。
竈門家って実は代々鬼殺隊なのでは?
病弱なのに子だくさんで戦闘能力も高いお父さん何者?
この戦いも映画のスクリーンで観れるなんて、大迫力の映像になりますね…!
無惨に辿り着く前の上弦たちが強すぎて、一晩戦い続けるの、本当に酷です。
強い鬼と連戦するのは、生身の人間にとって苦しいなんてものではないですよね。
無惨を倒せば全ての鬼が滅びるのに、上弦を倒してからようやく無惨に辿り着けるのはハードモードすぎます。
柱稽古編は最後に和気あいあいと楽しめるセーブポイントでしたね。
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