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雪が降ったから思い出した

雪が降ったから思い出した、だけだ。

汚い世界を真っ白に染めた雪を、綺麗とは思えないな
どうしてこんなにも汚い思い出になってしまったのか。


小さな窓から眺めた初雪
あの冬、東京に雪が降った。

あの時見た白い景色はあんなにも綺麗だったのに。


雪が積もる、コンビニまでの道をサンダルと薄着で。
2人身を寄せて、手を繋いで歩いた。
寒い空気と熱い手の感触を今でも追いかけている。
2人の吐いた白い言葉が1つに重なるのを眺めていた。


まだ雪は止んでいない
帰り道、君の片手にはアイスと、私の手。


家に帰って温め合うように抱き合う夜が
そのまま溶け合う夜が何よりも愛しかったのに。


何も残っていない冬に思いを馳せてる。
君が隣にいない冬にまだ重ねている。


今日、また雪が降った。
世界を白く染めた。心まで書き換えて欲しい。
君は思い出すことなんてないのだろうけど

たまにでいい。
どうか、私の体温と形を思い出して欲しい。
思い出していて欲しい。


寂しいのは私だけなんて嫌だなあ
あの頃の2人は感情を分け合って居たのに。

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