(17)乃木坂警察署
1‘
⚪︎「麻衣!」
麻衣「〇〇さん!」
⚪︎「大丈夫?」
麻衣「はい!一緒にいた警官は?」
⚪︎「大丈夫!病院にいるよ」
2‘
麻衣「よかった…」
⚪︎「てか…厄介な拘束のされ方してるね」
麻衣「そうですね、まさか腕にコードを巻かれるとは思わなかったですよ」
白石の腕にはコードが巻かれており、外すには切るしかない。
しかし、そのコードは近くにあるバッテリーにも繋がっている。
3‘
⚪︎「これはコードに流れる電気が遮断されると爆発するタイプの爆弾だね」
麻衣「どうすれば?」
⚪︎「まずはバッテリーと爆弾側を繋げないと、ワイヤーないかな?」
麻衣「それなら、私の胸ポッケにイヤホンが!」
⚪︎「触るよ?」
4‘
中村は白石の胸ポケットからイヤホンマイクを取り出す。
⚪︎「これで!」
ズボンのポッケから折りたたみナイフを取り出して、
イヤホンの保護膜を削り取り、コードを剥き出しにする。
中村「これをこうして…」
5‘
爆弾のコードも中身を剥き出しにして、
爆弾とバッテリーを直接繋げる。
⚪︎「これで大丈夫なはず…多分」
麻衣「多分ってなんですか!?」
⚪︎「だって、こんな爆弾解除したことないもん!」
6‘
麻衣「あー!もうばっさと切ってください!」
⚪︎「いいの!?切るよ!?」
麻衣「切ってください!」
⚪︎「本当に!?いいの?」
麻衣「もう!早く!」
“バチン”
7‘
白石の腕に巻き付いているコードを切る。
麻衣「ふぅ…」
⚪︎「成功だね〜」
麻衣「そうですね」
⚪︎『こちら中村、白石警視の爆弾解除』
8‘
絢音『お疲れ様でした、美彩さんも解除できたようです、山下巡査長、梅澤巡査長も無事保護しました』
⚪︎『奈々未ちゃんの方は?』
絢音『今、現場に到着したそうです』
⚪︎『僕らは一度、対策室に戻る』
絢音『了解です!』
9‘
〜〜〜〜〜
10‘
奈々未「ここね…」
目星の場所、1箇所は違かった
もう一つのこの場所にいるはず!
奈々未「樋口巡査長?与田巡査ー!いるー?」
日奈「ここでーす!!」
11‘
奈々未「っ!樋口さん!大丈夫?」
日奈「はい!大丈夫です!でも、与田ちゃんがいなくて」
奈々未「一緒に行動してたんだよね?」
日奈「はい、でも目覚めたらいなくて」
橋本は周りを見渡すが、誰もいない。
12‘
奈々未『こちら橋本!』
⚪︎『こちら中村!どうした!』
奈々未『樋口巡査長を発見、でも与田巡査がいません!』
⚪︎『っ!?…了解した、奈々未ちゃんは日奈の爆弾を解除に集中して』
奈々未『了解しました』
13‘
〜〜〜〜〜
14‘
⚪︎「聞いてた通り、与田ちゃんがいないらしい」
美彩「でも、どこに?」
七瀬「今から探すにもあと、20分しかないですよ?」
絢音「皆さん!犯人から入電です!」
15‘
美彩「私が話すわ!」
絢音「お願いします」
美彩『こちら衛藤警部補』
?『やぁ、直接話すのは初めましてだね?』
美彩『あなたをなんて呼べばいいの?』
16‘
?『そうだな…僕はノースと呼んでくれ』
美彩『ではノース、あなたの目的は?』
ノース『そうだな〜、警官に罰を』
美彩『どうして?なんの恨みがあって警官を襲うの?』
ノース『3年前、私には娘がいてね、元気一杯の良い子だった…でも娘は部活の帰り、警察官に強姦されたのだよ』
17‘
美彩『なっ!そんな…』
ノース『君達が知らないのも無理もない、この事を知ってるのは上層部だけだ、その警官はなんの退官という形で済まされた』
美彩『それで、娘さんは?』
ノース『自殺したよ…首を吊ってね…』
美彩『なら理由は犯人が警察官だった事を隠蔽した警察が許せないのね?』
18‘
ノース『そういうことだ』
美彩『理由はわかったわ、でも関係ない警察官を巻き込むのは間違っているわ!与田巡査はどこにいるの!』
ノース『モニターを見たまえ』
アネモネ達は与田が映るモニターを見る。
そこには爆弾の残り時間が映し出されていた。
19‘
ノース『どうやら、もう1人の爆弾は解除できたみたいだが、与田巡査のタイムリミットは3分だ』
美彩『居場所を言いなさい!』
ノース『悪いがそれはできない、警察の上層部に復讐するにはこれしかない!』
美彩『くっ!』
どんどんタイムリミットが迫ってくる。
20‘
ノース『さぁ!3・2・1!爆発だ!』
“シーン”
ノース『っ!?なぜだ!なんで爆発しない!』
⚪︎『悪いけど、爆弾は解除してあるわ』
ノース『なっ?!い、いつだ!』
21‘
遥香『それはあなたと喋ってる間にですよ』
対策室に賀喜と与田が入ってくる。
ノース『どうして、居場所が…』
⚪︎『ノース…いや、北原巡査部長』
北原『なっ!どうして、私を!?』
22‘
正体を見破られて、動揺が隠せない。
⚪︎『まず組織は警察内部にもいることがわかった、それもそうだ、随時僕達の動きが知られていた』
麻衣『だから、まずは対策室に何か仕掛けられていないか調べた、そうしたら案の定、盗聴器が仕掛けられていたわ』
絢音『だから、私達は盗聴器に気づいてない演技をする事にした』
23‘
北原『じゃあ、捕まったのも!』
日奈『全部計画通りですよ』
美月『私達の誰か1人を警視庁の使われてない地下倉庫に監禁する事もね』
麻衣『違和感に気づいたのはあなたが襲われたタイミングよ』
北原『襲われたタイミング?』
24‘
麻衣『今まで襲われた警察官は、全員制服警官で職務中だった、でもあなたは“帰宅“途中に襲われている』
北原『何がおかしいんだ!』
麻衣『あなた以外は全員職務中で無差別に襲われている、でもあなたは私服の時に襲われているのよ?なんであなたが警官だと?』
北原『それは職務中の私を見て、帰りを待って襲ったんだろう!』
麻衣『その可能性は低いわね』
25‘
北原『なぜだ!』
麻衣『職務中の警官を襲う奴よ?わざわざあなたの帰宅時を狙う必要もない、それに最初の犯行だけ、無差別じゃないのも変よ』
七瀬『やから、すぐにあんたのことを調べさせてもらったわ、そうしたらあんたの娘さんの事件を知ったんよ』
北原『しかし!あの事件のファイルには犯人のことは何も!!』
奈々未『公安はあなたの娘さんの事件を把握してるのよ、ちゃんと犯人の名前もファイリングしてある』
26‘
北原『なら!』
⚪︎『それでも!あなたがしていることは犯罪です!』
北原『所詮、被害者の気持ちなんて、被害者しかわからないんだ…』
遥香『ふざけないでください!!何が被害者ですか!被害者は娘さんであって、あなたは加害者です!』
“ざざっ!”
27‘
賀喜が北原に言い放つと、無線が入る。
一実『かっきー、よく言った!』
それは高山からだった。
“バン!”
一実「北原修巡査部長!あなたを殺人未遂・爆発物取締罰則・銃刀法違反・密輸・その他も諸々で逮捕する!」
北原「くそっ!」
28‘
一実『犯人を逮捕しました』
⚪︎『一実、お疲れ様』
高山は賀喜とは別行動で、犯人の潜伏先を探っていた。
⚪︎「さぁ、まだまだ仕事があるよ!」
29‘
To be continued
30‘
この作品はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品内での表現・行動なので実際に行っても、
一切の責任は取りかねますのでご了承ください。
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