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「15年間誘拐されていた少女」3話

1‘

姉さんに飛鳥が監禁されていた

場所に連れて行ってほしいと頼んでから

約2週間が経った。

そして3日前に連絡がきて今日、その現場に向かう。

2‘

飛鳥は真夏さんに預けて

俺だけ現場に向かう。

既に絢音さん達がいるらしい。

○「ここか…」

3‘

ここが…飛鳥が監禁されていた場所…

入り口に絢音さん達がいる。

○「絢音さん!」

絢音「あ、〇〇くん!待ってたよ」

4‘

○「梅澤さんと…」

絢音さんとその他に梅澤さんと俺が知らない人がいた。

?「初めまして、白石警視の部下で心理カウンセラー資格を持ってます、賀喜遥香です」

○「賀喜さんですね、よろしくお願いします!」

絢音「じゃあ早速行きましょ」

5‘

俺たちは中に入る。

○「ここが飛鳥が監禁されていた場所…」

美波「そうです、発見された時はそこにある椅子に座っていたそうです、足には鎖が付いていたとのことです」

○「では早速…」

絢音「〇〇くん、無理はダメよ?」

○「わかってます」

6‘

俺は飛鳥が座っていた椅子に座る。

その瞬間、俺の中に様々な思いが心に入ってくる。

遥香「あれは何を…?」

絢音「彼は超感覚共感症候群なのよ」

遥香「ハイパー共感症候群ではなくてですか?」

7‘

絢音「それよりももっと大変なものよ」

美波「大丈夫なんでしょうか…?ここは被害者が監禁されていた場所ですが、加害者もいた場所です」

絢音「えぇ…それは私も白石警視も危惧してる点よ」

美波「呑まれなきゃいいですが…」

8‘

そんな…飛鳥は…ずっと…

やめろ…そんなこと…飛鳥にするな!

飛鳥が泣いてる…どうしてそんなことができる!

やめてくれ…!

9‘

○「っぅ…」

涙を流す〇〇。

絢音「〇〇くん…?大丈夫?」

○「はい…大丈夫です…」

美波「何が見えたんですか…?」

10‘

○「飛鳥の痛み…孤独…悲しみ」

遥香「〇〇さん…あなたは誰です?」

遥香が急に〇〇に質問する。

美波「賀喜巡査?」

その質問に不思議がる美波。

11‘

○「俺は白石〇〇…25歳、職業は心理カウンセラー」

遥香「何しにここに?」

○「飛鳥の事を知る為に」

遥香「知れましたか?知れてどう思いましたか?」

○「ふざけるなって加害者に憤怒を覚えた」

12‘

遥香「大丈夫そうですね!」

美波「これは?」

○「この質問は解離性同一性障害に対して質問する内容ですよ」

絢音「もし〇〇くんが加害者に共感してしまったらすぐにこの質問でわかるの」

美波「そうなんですね!」

13‘

○「3人共、今日はありがとうございました」

絢音「今日は無理せずに休んでね?」

遥香「私も同感です、その能力は見た目以上に神経をすり減らすと思います」

美波「私が家まで送ります」

14‘

○「ありがとう…」

俺は梅澤さんの運転で家に帰宅することになった。

真夏さんに連絡して、今日は飛鳥を預かってもらうことにした。

報告は明日にしよう。

15‘

_____

16‘

○「これは俺が感じ取ったことだから確実とは言えないけど…」

麻衣「大丈夫…〇〇の事はよくわかってるから」

○「どうやら犯人は飛鳥を誘拐してから10年は一緒にいたらしい」

麻衣「10年…?飛鳥ちゃんは誘拐されてから15年よ?」

○「最初のうちは一緒に暮らしていたらしい…その時は…」

17‘

俺は飛鳥に起きたであろう事柄を言葉にするのが憚られる。

麻衣「〇〇…?」

○「性行為はなかったものの…男性器を体に擦り付けたり、咥えさせていたりしたそうだ…」

麻衣「なっ…!チャイルド・マレスター…」

○「犯人はペドフィリアー小児愛好家ーだったらしい…でも徐々に成長する飛鳥に対して興味がなくなった犯人は監禁場所には来なくなった」

18‘

麻衣「それで食事だけ運んでいたってこと?」

○「そういうこと」

麻衣「そんな…」

動揺する麻衣。

19‘

○「それで思ったんだ、今表に出ているあの無邪気な姿は本来の飛鳥が苦痛や現実から背けるために作り出した人格なんじゃないかな」

麻衣「それじゃあ」

○「飛鳥は精神年齢が低いんじゃなくて、解離性同一障害なんじゃないか?」

麻衣「可能性はあるわね」

20‘

○「俺が感じたことはこんなもんだ…あと…なんでもない」

麻衣「わかったわ、このことはまだ観察庁には報告しないでほしい」

○「…わかった」

俺は姉さんに報告すると部屋を出た。

21‘

_____

22‘

あの監禁場所に行ってから数日が経った。

飛鳥「本が欲しい」

○「本?この前買ってあげた本は?」

飛鳥「もう読んじゃった…」

○「10冊くらいあったろ…」

23‘

いや…これはいいかも知れない。

最近では子供っぽい一面も少なくなってきた

これは飛鳥の解離性同一性障害がよくなってきた証拠だ。

飛鳥「だめ…?」

うっ!上目遣い…可愛い

24‘

○「もちろんいいぞ!」

飛鳥「やった…」

控えめに喜ぶ、飛鳥。

素直に可愛い。

25‘

最近は順調だ。

○「…っ…」クラッ

まただ…最近貧血気味なのか眩暈がする。

それに夜中に起きるとリビングにいたりする。

夢遊病か?

26‘

飛鳥「お兄…大丈夫?」

心配そうな顔をする飛鳥。

○「大丈夫だよ」

俺は心配かけないように笑顔で答える。

27‘

飛鳥「ならいい…」

絢音さんに相談してみるか…

○「今日は焼肉でもしようか?」

飛鳥「やった…!」

28‘

_____

29‘

俺は絢音さんにアポを取り、会いに来ている。

“コンコン”

○「入ります」

絢音「いらっしゃい」

俺は科捜研に来ていた。

30‘

絢音さんに近況を報告する。

絢音「最近ちゃんと休んでる?」

○「実は最近、カウンセリングの仕事が忙しくて」

絢音「休んだ方がいいかも」

○「わかってるんですけど、俺のお客さんは紹介制だから断りにくくて」

31‘

絢音「そうだよね、紹介制だと断りにくいよね」

○「それに最近では捜査依頼も増えて」

絢音「捜査依頼?白石警視に言えば…」

○「いや、姉さんからではなくて他の人からの依頼なんです」

絢音「え?〇〇くんの依頼は白石警視が管理してるって…」

32‘

○「そうなんですか?」

絢音「そうよ」

○「確かに今までは姉さん伝えだったのに、最近では姉さんからじゃないな」

絢音「このことは白石警視に伝えておくわ、私から言えることはしっかり休んでってことくらいよ」

33‘

○「わかりました、今日はありがとうございました!」

絢音「私も時間がある時はお家に行くわ」

○「ありがとうございます」

近頃は飛鳥と一緒にいる時間も少なかったし

いい機会だから休むか…

34‘

To be continued

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