「15年間誘拐されていた少女」1話
1‘
さて…どうするか…
○「飛鳥ちゃん…?」
飛鳥「う?」
○「何か食べたい物はある?」
飛鳥「うぅ〜」
2‘
考え込む飛鳥。
飛鳥「わかんない!」
○「わからない?どうして?なんでも良いんだぞ?」
飛鳥「あしゅ…おかゆしか食べた事ない…」
3‘
○「っ!…じゃあ…おかゆとお肉食べよっか?」
飛鳥「うん!食べるぅ!」
○「ここで座って待ってて、作ってくるから」
飛鳥「わかった!」
俺はすぐに料理に取り掛かる。
4‘
ーーーーーーーーーー
5‘
ご飯を食べた飛鳥は満腹で眠くなったのか
すぐに寝てしまった。
それにしても犯人は飛鳥におかゆしか食べさせてないとは
そのせいもあって体に栄養がいかずに知能も誘拐された当時から
変わっていないのだろう。
6‘
○「胸糞悪いな…」
“カタカタ”
俺は警視庁、保護観察庁などに提出する報告書を作成してる。
飛鳥「すぅすぅ…」
歳の割には幼すぎる顔…
7‘
○「まぁ…数日は様子見だな…」
さてと俺も寝るか…明日は警察のお手伝いだ
飛鳥は…連れていくしかないか…
8‘
______
9‘
ー次の日の朝ー
“ちゅんちゅん“
○「朝か…ふぁ〜…飯でも作るか」
俺は起きて顔を洗い、朝食を作ることにした。
10‘
○「飛鳥ちゃん、朝だよ」
飛鳥「ん……ビクッ!きゃっ!」
飛鳥ちゃんは起きて僕を見るなり悲鳴を上げる。
○「飛鳥ちゃん!俺だ!〇〇だよ?」
11‘
飛鳥「はぁはぁ…あ…お兄ちゃん」
〇「大丈夫だよ」
俺は飛鳥ちゃんを抱きしめる。
飛鳥「うん…」ぐぅぅ…
○「ご飯にしようか?」
12‘
飛鳥「うん!」
俺達は朝食を食べることにした。
○「美味しいか?」
飛鳥「うん!」
○「今日は一緒に出かけるぞ」
13‘
飛鳥「お出かけ?」
○「昨日連れてきてくれた、お姉ちゃんの事、覚えてる?」
飛鳥「うん!覚えてる!あのお姉ちゃん好き!!」
姉さんが喜びそうだ。
14‘
______
15‘
ー警視庁ー
○「すみません、白石警視はいますか?」
受付「あ、〇〇さんですね、白石警視はいつものお部屋でお待ちです」
○「ありがとうございます、飛鳥ちゃん行こうか」
飛鳥「はーい」
16‘
俺はいつも通りに姉さんが待つ、部屋に向かう。
“コンコン”
?「はーい」
○「入るよ」
“ガチャ”
17‘
入室する。
○「姉さん、きたよ」
麻衣「あ、いらっしゃい!」
飛鳥「あ!お姉ちゃん!」
18‘
飛鳥は姉さんを見るなり、抱きつく。
麻衣「おっ!可愛いねぇ〜!」
姉さんの顔は部下に見せられない程、デレデレしてる。
○「今日はどっちの仕事?」
19‘
麻衣「あー、それは今から来る子から聞いて」
○「姉さんじゃないの?」
“コンコン”
麻衣「どうぞー!」
?「失礼します!」
20‘
?「おはようございます!白石警視!」
麻衣「おはよ!梅ちゃん!」
美波「はい!」
○「姉さん、紹介してくれ」
麻衣「そうね、この子は梅澤美波」
21‘
美波「梅澤美波です!階級は巡査部長です!」
○「初めまして、俺は心理カウンセラーをしている白石〇〇です」
美波「白石警視から聞いています!」
○「それで、今回俺を呼んだのは梅澤さんって事らしいけど」
22‘
美波「はい!そうです!」
○「で、内容は?カウンセリング?それとも捜査協力?」
美波「捜査協力をお願いしたいです!!」
○「内容を聞かせてください」
美波「はい!」
23‘
梅澤さんから資料を受け取る。
どうやら殺人事件らしい
被害者は冬元真春…35歳
帰宅途中に路地裏に連れ込まれて殺された。
被害者の所持品は特に持ち去られた形跡はなく
物盗り目的じゃない。
24‘
俺のプロファイリングによると
身長は約170〜173cmくらいでがっしりめの体格
被害者に馬乗りになって首をへし折っている点から
自身を女性より優位な存在と思っている。
25‘
犯人は快楽殺人犯で女性にコンプレックスを抱いてる。
幼少期の頃に虐待されていた可能性あり。
美波「すごい…資料だけでここまでわかるなんて…」
○「あくまで資料から導き出したプロファイルってなだけだから」
26‘
麻衣「それは心配してないわ、〇〇がプロファイルして間違っていたことはないわ」
飛鳥「お兄ちゃんってすごい?」
麻衣「すごいわよ」
飛鳥「お兄ちゃん、すごいー!!」
手を叩いてはしゃいでる飛鳥。
27‘
○「ま、まぁ…これから現場を見せてもらって正確なプロファイリングさせてください」
美波「はい!」
麻衣「飛鳥ちゃんは預かっておくわね?」
飛鳥「お兄ちゃんと一緒がいい!」
麻衣「〇〇はお仕事なのよ」
28‘
飛鳥「お兄ちゃんと一緒がいい!!」
駄々を捏ねる飛鳥。
昨日、会ったばかりでこんなに懐かれるとは…
○「飛鳥ちゃんを連れて現場調査してもいいかな?」
麻衣「まぁ…許可するわ」
29‘
○「姉さん、ありがとう」
飛鳥「一緒!!」
美波「うん、一緒だよ」
飛鳥「やったー!」
結局、飛鳥も連れて、現場調査をすることに。
30‘
_______
31‘
美波「ここです」
○「悪いけど、少し飛鳥ちゃんを見ててください」
美波「わかりました、飛鳥ちゃん、こっちにおいで」
飛鳥「はい」
32‘
俺は被害者が横たわっていたであろう場所に手を置く。
そして目を閉じて、深呼吸して、目を開ける。
○「ふ〜ん…そうか…辛いな…」
美波「あれは…なにを?」
33‘
?「よっ!」
美波「山崎先輩!」
怜奈「〇〇くんと捜査中か」
美波「〇〇さんの事知ってるんですか?」
怜奈「もちろん、彼は超感覚共感症候群なのよ」
34‘
超感覚共感症候群?…初めて聞く言葉だ
美波「それはどういった?」
怜奈「簡単に言えば、共感性が高いの」
美波「共感性?」
35‘
怜奈「そう、彼は現場から被害者や加害者の残留思念を読み取って感じ取るの」
美波「それって…サイコメトリーでは?」
怜奈「本人曰く、違うみたいよ?」
怜奈先輩と話していると〇〇さんがこちらに来る。
36‘
○「お待たせしました」
飛鳥「なにしてたの〜?」
○「お仕事だよ」
飛鳥「終わった?」
○「うん」
37‘
美波「〇〇さんはサイコメトラーなんですか?」
○「違うよ、俺は人の思いを感じ取ってその人の行動を再現できる」
美波「どう違うんですか?」
○「基本的は似てるけど、サイコメトリーは超能力みたいなものだけど、俺のは科学的に証明できるものだよ」
38‘
〇〇は美波に説明すると、持っていた鞄からノートを出して何かを書き込む。
○「はい、これで犯人につながると思います」
美波「っ!了解です!これで当たってみます」
怜奈「さすがね、〇〇くん」
39‘
○「僕としては本職のカウンセリングの仕事をしたいんですけどね」
怜奈「あははは!確かにね!」
飛鳥「お兄ちゃん、お腹すいた」
○「よし、帰ってご飯食べよう」
飛鳥「うん!」
40‘
〇〇達は梅澤達に挨拶をして立ち去る。
美波「それにしてもすごいですね」
怜奈「そうだね…でも気をつけなきゃいけないよ」
美波「なにをですか?」
神妙な顔をする山崎
41‘
怜奈「共感性が高いって事は犯罪者の気持ちとも共感できるってことよ」
美波「……」
怜奈「彼に捜査依頼をするのはいいけど、依頼内容は考えてしなさい」
美波「はい、肝に命じておきます」
42‘
怜奈「じゃあ、私は聞き込みに行くわ」
美波「はい!私も聞き込みに行ってきます」
それにしても白石〇〇…彼はいったい…
43‘
To be continued
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