「異世界召喚されたら女性が主体の王国でハーレム剣聖になりました」30
1‘
ハルナ「ここが精霊の泉だ」
美彩「ここが…」
ハルナ「精霊の泉だ」
みんなの前にはどことなく神秘さを感じる泉が広がっていた。
2‘
○「早速で悪いが説明をしてくれ」
ハルナ「そうだな、〇〇よ、其方の体は精霊に近い…今までの異世界人にはなかったことだ、1人を除いては」
○「1人を除いては?」
ハルナ「そう、乃木王国の初代国王がそうだった」
○「また、初代国王か…」
ハルナ「通常、精霊の体は魔力によって構成されているためこのように…」
3‘
どこからか短剣を取り出し、自身の腕を斬る。
美彩「ハルナ様!?」
花奈「血が出てない…」
ハルナ「これは我々、精霊が魔力によって体が構成されてるがゆえだ」
沙友理「血が出ない理屈は理解できたけど、〇〇さんの体が精霊に近い理由は?」
4‘
ハルナ「正しくは精霊王に近い」
美彩「精霊様と精霊王様との違いとは?」
ハルナ「精霊には精霊、大精霊、精霊王と分れておる、精霊と大精霊の体は先ほど述べた通り、魔力で構成されている」
沙友理「精霊王様だけが違うと?」
ハルナ「そう、精霊王の体は魔力…そして、女神に祝福されし魂」
5‘
花奈「祝福されし魂?」
ハルナ「我ら精霊は女神に祝福されて王が決まるのだ」
美彩「そうだったんですね…」
ハルナ「そうだ、女神の祝福は魔力体の精霊のみだ、人間の生身では耐えられないのだ」
○「それなら俺はどうなる?あなたの話を聞くに俺にも女神から祝福を受けてるんだろ?」
ハルナ「感のいい奴だ、その通り、其方は女神に祝福されておる」
6‘
美彩「それはなぜでしょうか?先ほど、生身では耐えられないとおっしゃっていたではないですか」
ハルナ「ふむ…本来ならそうなんだが…」
花奈「だけど?」
ハルナ「〇〇の体は魔力体と生身の生命力が黄金比の割合で成り立っておる」
沙友理「話が見えへんな…」
7‘
ハルナ「つまりは其方は人間でもあり、精霊でもある…」
○「俺が精霊?」
ハルナ「其方、蓄積ダメージが減らないんんじゃないか?」
○「っ!?」
ハルナ「その反応は当たりだな」
花奈「ハルナ様は心当たりがあるんですか?」
8‘
ハルナ「そうじゃな…女神は博愛精神の魂にしか祝福を与えん」
美彩「それと、蓄積ダメージになんの関係性が?」
ハルナ「祝福を受けた者は人を愛し、自身を愛さなねばならぬのだ…そうでなければその者にデメリットがでる」
沙友理「〇〇さんの場合は蓄積ダメージってこと?」
ハルナ「いや、精霊だから蓄積ダメージなんだ、精霊は生身を持たぬゆえ、傷を負わぬ、だから精霊でも受けるものは蓄積ダメージなのだ」
9‘
○「俺は精霊に近い存在だから同じ症状が?」
ハルナ「そういうことだ…其方…自身を愛しておらぬな?」
○「……」
ハルナ「其方は人を愛しているが…自身を愛しておらぬ…いや…許せないんじゃな?」
○「っ…」
10‘
美彩「〇〇?」
○「精霊王よ…」
ハルナ「なんだ」
○「この世界で今、何が起きている?」
ハルナ「話を逸らしたのぅ」
○「そんなつもりはない、これは帰ったら皆んなに話す」
11‘
美彩「わかったわ」
ハルナ「其方は何を知りたい?」
○「王国の過去と現在の状況だっ」
ハルナ「…そうだな…話すより見せた方が早いだろう」
精霊王が〇〇に近づき、頭に手を当てる。
12‘
○「何を…」
ハルナ「ちっと、痛いぞ?」
○「え…ぐっ!」
急に頭を抱えて、膝から崩れ落ちる〇〇。
13‘
沙友理「な、なにを!?」
花奈「〇〇!?」
美彩「ハルナ様!」
ハルナ「安心せい、余の記憶を見せてるだけだ、すぐ元に戻る」
14‘
精霊王のいう通り、〇〇はすぐに立ち上がる
○「くっ…」
美彩「旦那様、大丈夫?」
○「あぁ…大丈夫だ…精霊王…本当に起こるのか?」
ハルナ「まことだ…近いうちに必ず起きうるだろ」
15‘
○「そうか…」
沙友理「お2人さんで話さんと、説明してや」
○「これは王国に戻ったら俺のことも含めて話す」
ハルナ「いいか?〇〇よ、其方は自身を許さなければならない…さもなくば愛する者を守れきれぬぞ?」
○「…わかってる」
花奈「〇〇?」
16‘
心配そうに〇〇を見る花奈。
○「大丈夫だよ」
頭を撫でる〇〇。
ハルナ「さぁ…出口はあっちだ」
来た道とは違う方を指差す精霊王
17‘
○「感謝する」
ハルナ「なに…力になれずにすまぬ」
美彩「原因がわかっただけでもありがたいです!」
沙友理「ありがとうございました!」
花奈「バイバイー」
18‘
精霊王が指差した方向に歩く〇〇達。
ハルナ「なんとも数奇な人生よのぉ…」
“ぽちゃん“
泉に消える精霊王…
19‘
To be continued
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?