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「15年間誘拐されていた少女」2話

1‘

飛鳥「お兄ちゃん…」

○「どうした?」

飛鳥「あしゅ…お腹いたい…」

○「えっ!?」

急に飛鳥がお腹痛いと言い出した。

2‘

○「飛鳥ちゃん、どう痛い?」

飛鳥「わかんない…お股から血が出てる…」

股から血…?まさか!

○「あ、飛鳥ちゃん!少しまってて!!!」

3‘

俺は急いで、姉さんに電話する。

○『姉さん!』

麻衣『急にどうしたの?』

○『あ、あ、あ、飛鳥がっ!』

麻衣『落ち着いて?飛鳥が?』

4‘

○『げ、月経みたいなんだ!』

麻衣『えっ!』

○『うちに来れないか?』

麻衣『あ…これから捜査会議なのよ…知り合いを向かわせるわ!それまで飛鳥をお風呂場に!暖かくしてあげて!』

○『わ、わかった!』

5‘

“ピッ”

電話が切れる。

それにしても飛鳥は月経は初めてなのか?

とりあえず、姉さんの知り合いを待つか。

6‘

_____

7‘

“ピーンポン!”

来た!

○「はーい!」

“ガチャ”

?「久しぶり!」

8‘

○「絢音さん!」

絢音「白石警視から話は聞いてるわ」

○「助かります!」

この人は警視庁科学捜査研究所の鈴木絢音さん。

医師免許も持っている。

9‘

俺は飛鳥がいるお風呂場に案内する。

飛鳥を絢音さんに任せて、お腹に良い飲み物を用意する。

飛鳥「お兄ちゃん…」

○「これ飲んで、ベッドで横になってな」

飛鳥「うん…」

10‘

○「どうでした?」

絢音「うん、普通の月経だから大丈夫だよ、ただ…」

○「ただ…?」

絢音「飛鳥ちゃんに話を聞いたら初めての月経だったらしいの」

○「飛鳥の精神年齢は5歳ですが、体は20歳です…そんなことがあるんですか?」

11‘

絢音「ん〜、普通は肉体が成長するにつれてくるものだから精神年齢が低くてもありえないんだけど」

○「だけど?」

絢音「可能性としては…栄養不足による身体未発達で生理が来てなかった」

○「身体未発達…」

12‘

絢音「〇〇くんの報告書を見させてもらってるけど、飛鳥ちゃんは栄養素が少ない物ばかりを食べていた…それなら体が未発達でもおかしくないわ」

○「ならどうして急に…」

絢音「それは〇〇くんの所にきてちゃんとした食事をとっているからだと思うわ」

○「そうですか…」

13‘

絢音「まぁ…悪いことではないから安心して、飛鳥ちゃんには私から説明しておくから…〇〇くんも最初のうちは気にしてあげて?」

○「はい、ありがとうございます」

俺は絢音さんにお礼を言う。

14‘

絢音「じゃあ私は帰るけど、何かあったら連絡してね」

○「はい、ありがとうございました」

絢音さんを見送る。

○「飛鳥ちゃん、大丈夫?」

飛鳥「うん…大丈夫」

15‘

○「また何かあったら言うんだよ?」

飛鳥「うん、一緒に寝て?」

○「一緒に…?」

飛鳥「うん」

16‘

困ったな…精神年齢が低くても、体は大人…

精神年齢を上げるには子供扱いするのではなくて

大人として徐々に教えていかなければ…

……今日はいいか…

17‘

○「わかった、お昼寝しよっか」

飛鳥「うん」ぎゅっ

○「おやすみ」

飛鳥はすぐに眠った。

18‘

それにしても飛鳥はどんな生活を…

姉さんに言って、飛鳥ちゃんが監禁されていた場所に

行ってみるか…

ふぁ〜…俺も少し寝よ…

19‘

_____

20‘

飛鳥「起きて!お兄ちゃん!」

○「ん…ふぁ…おはよ」

飛鳥「お腹すいた!」

○「お腹大丈夫?」

飛鳥「大丈夫!」

21‘

よかった…無理はしてなさそうだ

○「ならたまご粥作るね」

飛鳥「っ!たまご粥好き!」

飛鳥は嬉しそうにはしゃぐ。

22‘

ーーーーーーー

23‘

○「飛鳥ちゃん」

飛鳥「ん?」

○「真夏さんって覚えてる?」

飛鳥「真夏!おばえてる!」

24‘

○「明日は真夏さんの所にいて欲しいんだ」

飛鳥「お兄ちゃんは?」

○「僕は仕事だよ」

飛鳥「あしゅは一緒じゃない?」

25‘

○「うん、明日は一緒に行けないんだ」

飛鳥「わかった、真夏と一緒にいる」

○「ありがとう、えらいね」

飛鳥の頭を撫でる。

飛鳥「えへへ」

26‘

_____

27‘

○「では飛鳥ちゃんをお願いします」

真夏「任せて!」

○「飛鳥ちゃん、いい子でね?」

飛鳥「うん!お仕事頑張って!」

うん…可愛い…

飛鳥を真夏さんに預けて、俺は警視庁に向かった

28‘

ーーーーーーー

29‘

○「姉さん?いる?」

麻衣「あら、〇〇、どうしたの?今日予定あったかしら?」

○「いや、そういうわけじゃないんだけど…」

麻衣「??」

○「実は頼みがあって」

30‘

麻衣「頼み?」

○「あぁ…飛鳥が監禁されていた場所に連れて行って欲しいんだ」

麻衣「っ…どうして?」

○「知りたいんだ…飛鳥の事…どんな生活していたのかを」

麻衣「なぜ?飛鳥ちゃんの件は犯人が死亡している事、両親は音信不通で今は私が保護者、それ以外なにを知りたいの…」

31‘

やっぱり姉さんは何かを渋ってる。

○「何でそこまで渋るの?」

麻衣「心配なの…」

○「心配?」

麻衣「そう、〇〇の能力が…」

32‘

○「超感覚共感症候群のこと?」

麻衣「そうよ、貴方の能力は危険すぎる…カウンセリングしてるだけならいいけど、現場捜査はそれとは危険度が違う」

○「でもそんなの今更だr…」

いや…姉さんに頼まれた捜査は“被害者”の現場だった。

“加害者“の現場には行ってない。

33‘

麻衣「怖いのよ…〇〇が加害者の心に共感するのが」

○「……」

わかってる…自分の病気の特性を…

この病気ー超感覚共感症候群ーは他人や場所から

その者の気持ちを読み取ることができる。

34‘

麻衣「わかっているわ…調子のいい話だって…〇〇の能力の怖さを知っていながら〇〇の能力を利用してるんだから」

○「姉さん」

麻衣「それでも私は〇〇の姉よ…」

悲しそうな顔する姉さん。

35‘

○「それでも俺は知りたいんだ」

麻衣「そこまでしてなぜ?」

○「飛鳥の気持ちをわかってあげたいんだ…彼女がどこで、どんな生活をしていたのか…孤独を味わったのか…それがわかれば飛鳥の成長にも繋がる」

麻衣「〇〇…」

○「それに飛鳥は孤独だと思うんだ…」

36‘

麻衣「孤独?どうして?今の飛鳥ちゃんを見てると楽しそうよ?」

○「あぁ…そうだろ…でもたまに苦しそうな顔をするんだ…飛鳥は誰にも言えない…言っても理解はされど本当の意味で共感されないと幼心に理解してる」

麻衣「っ……」

37‘

○「だから俺は共感してあげたいんだ…飛鳥にわかって欲しいんだ、1人じゃないって、孤独じゃないって」

麻衣「…わかったわ」

○「姉さん!」

麻衣「ただし条件があります」

38‘

○「条件?」

麻衣「少しでも危険って思ったら必ずやめること!いい?」

○「わかったよ、約束する」

麻衣「現場に行く日程は後日連絡するわ、多分当日、私は行けないから部下と絢音を同行させるわ」

○「わかった、お願いするよ」

39‘

麻衣「決めたら頑固になるのは出会った頃から変わらないわね」

○「ははっ…ごめん」

麻衣「ううん、それが〇〇の良いところだから」

○「ありがとう」

これで先に進める…飛鳥の事を知る為に

40‘

To be continued

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