56日『タイム〜君と過ごす100日〜』
1‘
昨日、病院で検査して
〇〇は一時的な記憶障害だと診断された。
今まで行ったことのある場所に行ってみることにした。
前頭葉の海馬が刺激されて、思い出すかもしれない。
2‘
奈々未「着いたね」
⚪︎「はい」
奈々未「ここは初めて、〇〇とデートした場所だよ」
⚪︎「そうなんですね…僕は海が好きだったんですか?」
3‘
奈々未「ううん、そうでもないわ、むしろ嫌いって言ってた」
⚪︎「え…ならどうして?」
奈々未「嫌いだけど、奈々未に似合うからって一度だけ連れてきてくれたの」
⚪︎「一度だけ?」
4‘
奈々未「そう一度だけね、その後のデートは一度もここには来てない」
⚪︎「理由は聞いてますか?」
奈々未「うん」
⚪︎「聞いても?」
5‘
奈々未「奈々未は海が似合うけど、僕は全てを飲み込んで連れていってしまいそうな海が嫌いだって」
⚪︎「僕にそんな過去は?」
奈々未「ないわ」
⚪︎「ならなんで?」
6‘
奈々未「昔から夢に見るんだって、私が海に飲まれていなくなるのを」
⚪︎「それで…でも…記憶無くす前の僕は相当橋本さんが好きだったんですね」
奈々未「ふふ、相当よ?」
⚪︎「ははは、そうなんですね」
7‘
楽しそうに笑い合ってる2人。
⚪︎「橋本さん」
奈々未「ん?」
⚪︎「僕は記憶を取り戻したいです」
奈々未「うん」
8‘
⚪︎「僕の記憶を思い出すのを手伝ってくれますか?」
奈々未「当たり前でしょ?」
⚪︎「ありがとうございます」
奈々未「なら早速、知り合いに会ってみよう!」
9‘
〜〜〜〜〜
10‘
沙友理「うふふ」じー
⚪︎「こ、この方は?」
奈々未「私の友人で松村沙友理よ」
⚪︎「よ、よろしくお願いします」
11‘
沙友理「よろしゅ〜な!」
⚪︎「ぼ、僕とはどういった関係ですか?」
沙友理「元カノやで!」
⚪︎「えっ!?」
奈々未「嘘を言うんじゃないわよ!」
12‘
“バシッ”
沙友理「いったぁ!」
奈々未「この子はあなたと一緒に店を合同経営してたのよ」
⚪︎「あ、そうなんですね」
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沙友理「ほんまに記憶がないんやな」
奈々未「そう言ったでしょ」
沙友理「なぁ、〇〇」
⚪︎「なんでしょうか?」
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沙友理「ちゅーせぇへん?」
奈々未「はぁっ!?」
沙友理「やって、記憶ないんやろ?正直奈々未が彼女って言われても、ピンとこおへんやろ?」
⚪︎「それは…」
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沙友理「やから、誰とキスしてもええやん?」
奈々未「その思考がわからないわよ」
沙友理「キスしてしっくりきたらそれが彼女やろ?」
奈々未「沙友理としてしっくりくるわけないでしょ、したことないんだから」
呆れる顔をする奈々未。
16‘
沙友理「したことあるで?」
⚪︎「え…」
奈々未「はぁっ?〇〇!!」
⚪︎「僕は知らないです!そもそも覚えてない!」
沙友理「記憶あっても覚えてらんよ」
17‘
奈々未「どういうこと?」
沙友理「〇〇がお店で寝てる時にしちゃったからな〜」
奈々未「なんでそんなこと…」
沙友理「理由はあらへん」
おちゃらけた顔をする沙友理。
18‘
奈々未「はぁ…沙友理はそういう子だった…」
沙友理「うふふふ」
⚪︎「??」
よくわかってない〇〇だった。
19‘
To be continued
20‘
この作品はフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。
またこの作品内の表現や行動はあくまでも、
作品内での表現・行動なので実際に行っても、
一切の責任は取りかねますのでご了承ください。
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