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(1)乃木坂警察署

1‘

拝啓、田舎のお母さんへ

私は今年の春より、

警視庁乃木坂警察署刑事課特殊犯罪対策係

…通称【アネモネ】に配属されました。

そして、今日がその初日です。

2‘

遥香「今日から【警視庁乃木坂警察署刑事課特殊犯罪対策係】に配属になりました!賀喜遥香巡査です!!よろしくお願いします!!」

麻衣「おっ!あなたが新しい新人ね?新内警部補から話は聞いているわ!私は【警視庁
乃木坂警察署刑事課特殊犯罪対策係】・係長の白石麻衣です。よろしく」

3‘

遥香「よ、よろしくお願いします!!」

ふぇえぇ!綺麗な人!この人が係長かぁ〜!

麻衣「あ、七瀬、ちょっと」

七瀬「何でしょうか?」

麻衣「この子、新人の賀喜遥香さん」

4‘

遥香「賀喜遥香巡査です!!趣味はガンプラを作る事です!!」

七瀬「そうなんや(笑)西野七瀬巡査部長です、趣味はどいやさんを描く事です」
どいやさん?何のことだろう?

麻衣「お見合いじゃないんだから(笑)それで、賀喜さんのデスクはそこね」

遥香「は、はい!!」

5‘

指定されたデスクに荷物を置くと、

隣の席の小柄の可愛らしい女性がパソコンで、

何やら熱心に見ている。

祐希「いも…イモ…芋!!」

6‘

怖っ!!えっ…怖っ!ずっと芋って言ってる!!

しかも食い入るように芋の画像を見てるし!!

美月「ねぇ?」

遥香「はい⁉︎」

7‘

急に後ろから話しかけられる。

後ろを振り向くと、

笑顔が可愛らしい女性が立っていた。

美月「そんな驚かなくても」

8‘

遥香「す、すみません!!あ、あのー?失礼ですがあなたは?」

美月「あぁ、私は今回あなたのペア長になった、山下美月巡査長です、よろしく♡」

遥香「賀喜遥香です!よろしくお願いします!」

美月「賀喜さんの横にいる、このいもいも、言ってるアホっ子は与田祐希巡査ね」

9‘

与田巡査……ずっと芋って言ってる。

芋好きなのかな?

美月「まぁ、女性しかいない係だから気を楽にね?」

遥香「はい!ありがとうございます!!」

10‘

美月「いま、何人かいない人いるけど、他の人達もいい人だから大丈夫だよ」

拝啓、お母さん。

配属された所はべっぴんさんがたくさんいました。

11‘

______

12‘

どうも!賀喜遥香です!

今日は私の歓迎会という事で、

私の部屋(宿舎)に集まっています。

13‘

今、集まっているメンバーは前に紹介した事がある、

白石係長、西野部長、山下さん、与田さん。

そしてこの前は張り込みなどでいなかった、

衛藤警部補、樋口巡査長、梅澤巡査長、高山巡査部長です。

14‘

遥香「あれ?2人足りない……」

一実「あぁ、〇〇さん?〇〇さんはもうすぐくるよ、絢音ちゃんは張り込み中!」

高山部長がおっしゃった2人は、

乃木坂警察署で検挙率トップの中村〇〇係長補佐と、

アネモネの頭脳の鈴木絢音警部補

15‘

いつも張り込みをしていて忙しいらしい。

麻衣「ではっ!まだ来てない人がいますが始めましょう!賀喜ちゃん、【警視庁乃木坂警察署刑事課特殊犯罪対策係】、通称【アネモネ】にようこそ!」
「「「「「「よろしく〜」」」」」」

遥香「よろしくお願いします!!」

16‘

麻衣「では、もう知ってる人もいると思いますがもう一度自己紹介と、この【アネモネ】について説明したいと思います!」

遥香「お願いします!!」

麻衣「まず【警視庁乃木坂警察署刑事課特殊犯罪対策係】…通称【アネモネ】は特殊犯罪・特別テロの捜査を行うために3年前に設立された課です。」

遥香「ほうほう……メモメモ」

17‘

麻衣「そして、1人を除いて、女性だけで構成されている係になっていて、理由は女性だけで特殊犯罪などの捜査・鎮圧が務まるのかを検証すべく作られました。」

遥香「はいっ!質問です!!」

麻衣「なんですか?」

遥香「検証するならやはり警視庁でした方がよろしいのでは?」

七瀬「それもそうやな?今まで気にしんかったけど実際どうなんですか?」

18‘

麻衣「うーん、それに関してはこの【アネモネ】を設立するにあたって警察署で試験運用を決めたのは〇〇さんなのよ」

美月「えっ!そうだったんですか⁉︎てっきり麻衣さんが決めたのかと」

麻衣「まぁそこんとこは〇〇さんが来てからにしましょう!ではまず私から自己紹介するね!」

賀喜巡査はメモをとる準備をする。

19‘

麻衣「白石麻衣(29)で【元警視庁刑事部捜査第一課】にいました、一応、美彩と〇〇さんの後輩だよ」

七瀬「次はななやな!西野七瀬(27)やで!【元警視庁刑事部捜査第二課】にいたんやで」

一実「どうも!高山一実(27)です!一応、なぁちゃんとは…ってなぁちゃんって言うのは、七瀬ちゃんの事ね?なぁちゃんとは同い年だけど私は早生まれだから、なぁちゃんの先輩になります!【元警視庁生活安全部少年事件課】にいました!!」

20‘

日奈「どうも〜、樋口日奈(23)です!!日奈は【元警視庁刑事部乃木坂警察署機動捜査隊分註所】にいたよ」

美月「山下美月(22)です!私は〜【元乃木坂警察署地域課乃木坂交番勤務】です!」

祐希「はむはむっ!私は与田祐希(21)!賀喜ちゃんの一期先輩だよー!実はこう見えても【元警視庁刑事部鑑識課】にいました!!」

美波「梅澤美波(22)です。【元秋葉原警察署地域課秋葉原交番】にいました!よろしくね」

21‘

美彩「もうー、みんな固いなぁ〜!美彩は衛藤美彩(29)!みさみさでも美彩姉でも美彩でも好きなように呼んでね!」

遥香「は、はい」

美彩「【元警視庁刑事部捜査第一課特殊事件係】SpecialInvestigationTeam(スペシャルインベスティゲイションチーム)…通称【SIT(シット)】にいたよ〜」

遥香「へっ!衛藤さんがですか⁉︎」

22‘

麻衣「確かに美彩がSITにいたって不思議だよね(笑)」

美月「私も最初聞いた時はビックリしました(笑)」

美彩「もう〜!みんなぁ〜!」

みんなから笑いが起きる。

23‘

“ピンポーン”

するとインターホンが鳴る。

遥香「はーい!」

扉を開けると立っていた人物に固まる遥香

24‘

そこにはあごぐらいまであって、

緩くウェーブがかかった黒髪に灰色の瞳

身長は私梅澤さんよりも高い

顔は驚くほど整っている。

25‘

○「あの?大丈夫?」

遥香「だっ大丈夫です!!どうぞ!お入り下さい!!」

○「お邪魔しま〜す」

そう言って靴を脱ぎしゃがみ込んで靴を揃える〇〇。

その一連の所作が美しすぎて言葉にならない遥香。

26‘

美彩「あっ!きたー!聞いてよー!皆んなが美彩にはSITは似合わないって笑うんだよ〜?」

○「ふふっ…それは美彩が綺麗だから似合わないって思ってるんだよ」

美彩「もー… 〇〇さんはお世辞が上手いんだから」

○「お世辞じゃないよ(笑)」

27‘

ひぇー!

こんなセリフ、ナチュラルに言える人がいるんだなぁー!

お母さん、東京の人は凄いです。

日奈「そういう〇〇さんだって似合わない部署にいたくせに(笑)」

28‘

遥香「中村さんがですか?」

美波「ほら!賀喜さん!〇〇さんに自己紹介して!」

遥香「はっはい!!初めまして!この前【アネモネ】に配属されました、賀喜遥香巡査です!!よろしくお願いします!!」

29‘

美波に促されて慌ただしく自己紹介をする遥香。

緊張しすぎて敬礼をしてしまい、周りに笑われる。

○「はい、初めまして!“僕“は中村〇〇(35)警部です、一応【アネモネ】の係長補佐をしています、僕は現場が好きなので現場にでづっぱです!あー、と何言えばいい?」

僕?僕っ子なのかな?

祐希「モグモグっ…あとは元の所属を言ってます!!」

30‘

○「そうなの?そうだなぁ、僕は【元警視庁警備部警備第一課・特殊部隊】SpecialAssaultTeam(スペシャルアソールトチーム)、通称【SAT(サット)】に所属してたよ」

遥香「ええっ!!全然見えない!!」

一実「だよね〜、〇〇さん、見た目から全然想像つかないんだよね〜」

○「そうかな?僕は皆んなよりは似合うと思うだけどなぁ〜」

31‘

美月「まぁ聞いてもらった通り、かなり天然だよ」

遥香「あ、それは何となくわかりました」

優菜「おっ!2人して先輩いびりだなぁ〜?」

遥香「そっそんなことありません!!」

32‘

麻衣「そろそろ乾杯しない?」

七瀬「そうですよ〜早くしましょう!」

美彩「それじゃあ!」

「「「「かんぱ〜い!!」」」」

33‘

美彩「あ、賀喜ちゃん、勘違いしてそうだから、いうけど、〇〇さんは男性だから〜」

遥香「…はぁぁあ!?」

○「ふふっ」

お母さん…都会の人はわかりません…

34‘

To be continued

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