(2)乃木坂警察署
1‘
〇「あーぁ…みんな潰れてんじゃん〜」
美彩「久々に飲んだしね〜」
麻衣「しかも潰れてる子達は全員、非番だし」
遥香「お聞きしたいんですけど?何で中村さんはSATに入ったんですか?」
2‘
〇「そうだね〜、遥香ちゃんはSATの入隊条件って知ってる?」
遥香「いっいえ…すみません…わかりません」
美彩「じゃあ、美彩が教えてあげようー!ついでだからSITの入隊条件も教えるね!まいやんも一緒に説明よろしく!」
麻衣「まずはSATの第一入隊条件からね!SATは警察学校の初等科、初任補習科などで、優秀な成績を修める必要があるの!SATの素質があるのを警察学校時代から見てるんだよ」
3‘
遥香「ふむふむ……じゃあ、中村さんは警察学校時代から優秀だったんですね!!」
美彩「そうだね〜、私達の世代で〇〇は首席で卒業したからね〜!ちなみに私は次席ね!」
遥香「えっ⁉︎じゃあ、同じ課に首席と次席がいるんですか⁉︎凄い!!」
驚きを隠せない遥香。
4‘
美彩「で、SITの入隊条件は第一に刑事になることね」
麻衣「刑事になる為には講習を受けなくてはならなくて、警視庁警察学校の場合は「捜査専科講習」または「公安捜査講習」を受講しているか、または警察の「幹部教育機関である」管区警察学校の「捜査研修過程」を卒業していることが、刑事課に異動できる条件ね!」
遥香「あっ!それなら私も受けました」
〇「それもこの捜査講習は、誰でも受講できるわけではなくて、交番での勤務態度や、刑事課の要請に対する捜査協力状況、犯人を刑事課に引き渡した実績などが評価され、刑事課勤務の素質があると地域課の上司や刑事課の目に止まると、講習に呼ばれるという仕組みなんだけど!遥香ちゃんの場合は乃木坂交番のハコ長のまいちゅんが推薦してくれたから僕も上の方に推薦出来たんだ」
5‘
遥香「そうなんですね!!」
麻衣「まぁアネモネに配属された子達のはほとんど私と〇〇さんが引き抜いた子達なんだけどね」
美彩「話を戻して、次にSATの第二条件は機動隊に入隊するの…入隊するには、志願して配属される場合と、志願はしていなくても異動を命じられる場合があって〇〇は異動だっけ?」
〇「僕の場合は少し違くて当時の第一機動隊の篠田隊長からの推薦だったんだよ」
6‘
遥香「推薦ってあるんですか?」
〇「本来は推薦ってのはないんだけどね」
麻衣「それにさっきも言った通り、警察学校時代から素質があるかを見ているから、そういうのもあるんだと思うよ」
美彩「確か、2年目の話だよね?それ」
7‘
遥香「2年目にですか⁉︎」
警察学校を卒業すると交番に配属されます。
ほとんどの警察官が退職するまで警察署か交番勤務で終わります。
もちろん、警察署や警視庁で刑事部に配属される人もいます。
〇〇は1年も経たずに機動隊から声がかかった。
8‘
美彩「SITの第二条件は刑事課か公安部に配属される事が条件ね」
〇「配属される条件はさっき話したから飛ばして」
麻衣「次にSATに入れる第三の条件は機動隊での活躍などが認められると、「特殊部隊新隊員候補」として声がかかり、「特殊部隊試験入隊訓練」に呼ばれるの…訓練ではSAT隊員としてやっていける適性があるのかをチェックされて残念ながら落選することもあるの」
遥香「私なら落選しそうですね(苦笑)」
9‘
一実「私も無理だなぁ」
〇「ちなみに僕は2年目後半にはSAT隊員として活動していたよ」
遥香「凄い……」
美彩「最後にSITになるには人質交渉術などの専門講習を修了しておくことも「SIT」になる方法の一つで2005年に警察大学校に設置された「人質交渉人」のための「専科」では、全国警察本部捜査一課の「巡査部長以上」の刑事が専門知識と技術を学ぶことができるのね!この専科で学ぶと専門の「人質交渉官」として「SIT」などに配属されるようになるということなんだ」
10‘
遥香「ふぇ〜、難しそう〜」
美彩「そうだね。美彩は高卒だし5年目でSITに入隊してるから早い方だけどね」
麻衣「アネモネにいるメンバーは全員、高卒だけどね」
11‘
そうアネモネに配属されている捜査員は、
全員高卒だがかなり早いペースで昇任している。
それには彼女達の他より特質した身体能力が関係している。
それはまたの機会に説明しよう。
12‘
〇「まぁそれで流れでSATに入ったようなもんだよ(笑)」
遥香「流れで…」
一実「そんなこと言えちゃうのは〇〇さんくらいよ」
美彩「美彩は元々、入りたかったから頑張ってたのにね〜」
13‘
麻衣「それに〇〇さんはSATで隊長まで務めたんだよ」
遥香「本当ですか⁉︎あれ?でも隊長になるには警視以上の階級が必要では?」
麻衣「それは〇〇さんが優秀すぎて特例で当時警部補だった〇〇さんが隊長になったの」
遥香「凄いですね……」
14‘
〇〇「美彩だって警察内では無敗の交渉人って呼ばれるほど凄かったんだよ(笑)」
遥香「後ですね!なぜこの課を警視庁ではなく警察署に作ることを進言したのでしょうか?」
麻衣「そうそう!気になっていたんですよ!!」
美彩「あれ?言ってなかったの?」
15‘
一実「美彩先輩は知ってるの?」
〇「それは簡単な事だよ、警視庁にいると僕達が出る前にSATやSITが出てきたりアネモネに仕事が回ってこない可能性があるからだよ」
遥香「でも…上の決定を無視してませんか?それ」
〇「それでも警視庁の人達は回してこないんだよ、手柄をとられたくなくて」
16‘
遥香「私にはわかりません、同じ警察官なのに…誰が解決したっていいじゃないですか…」
美彩「賀喜ちゃんみたいな子ばっかりだったらいいんだけどね?」
〇「まぁこれが乃木坂署にアネモネを設立した理由だよ、それに僕は警視庁はあまり好きじゃないんだよね…なんて言うの?あの張り詰めすぎた感じ?」
麻衣「そうだったんだ」
17‘
一実「けど〇〇さん、たまに警視庁に行きますよね?」
〇「それは秋元警視総監にSAT、SIT、機動隊の特別顧問を頼まれてるからだよ」
美彩「え、なにそれ、美彩、初めて知ったんだけど!?」
〇「この特別犯罪対策係を設立する際に、こちらの要求を可能な限り許可してもらう条件が、SAT・SIT・機動隊へ月に各2回の特別近接・射撃訓練をすることなんだよね」
18‘
麻衣「そうだったんですか⁉︎」
一実「それで長期張込みもしてるんですか⁉︎」
美彩「変わるよ?」
〇「大丈夫だよ?現場に出るの好きだし、今のところは苦になってないから」
19‘
お母さん…
私が配属されたアネモネは、
凄い人達の集まりかもしれません。
20‘
To be continued
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