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お料理ぎらいのエッセイ

私は料理が嫌いだ。

だいっきらいだ。

自分の食欲を満たすためだけに、わざわざ大変な思いをして作って、ものの数分で食べ終わり、地獄の洗い物をしなければならない。

こんなのは無意味だ。

お金がたくさんあれば絶対に料理なんてしない。

でも結婚をして、そうも言っていられなくなった。

私は仕事をしていない。

そうすると、当然のことながら私が料理を作る機会が多い。

夫は、私の料理嫌いを受け入れてくれている。

女のくせに、料理もろくにできないのか!とか絶対に言わない。

むしろ、よく一緒に料理をしてくれる。

そのときだけは、そこそこ楽しく料理ができる。

面倒な料理は、こういうときだけ作る。


昨日も夫と一緒に料理をした。

メニューは鶏のからあげ。

からあげって言っても、たっぷりの油であげるんじゃない。

フライパンで揚げ焼き。

たくさんの油を使えば、その分処理が面倒だからだ。

だから我が家のからあげは、上手くいっても楕円形。

運が悪いと、おせんべいみたい。

お店みたいにころころ丸いからあげにはほど遠い。

2人で料理を作るときの醍醐味と言えば、味見だ。

揚げたてのからあげを2人でつまむ。

あっつくて、舌が火傷しそうだった。

夫が言った、

「我が家のからあげが1番だね」

ものすごくありきたりで、クサイ言葉だけど、

なんだかむず痒くって、じわじわと嬉しくなった。

この人になら、料理作るのもそんなに苦じゃないかもなーって思った。

ちょろい私である。






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