タワマン居住者が教える、住まないと気づけないメリット&デメリット


タワーマンションなるものに住んで3年目のななころりんです。

転勤族の親の元、生まれてこの方あっちこっちに行かされましたが、人生のほとんどがマンション(数年がアパート)暮らしをしておりました。

そんな私が現在、家族四人(夫、私、子供二人)のタワマン暮らしで、それまでの住処との違いで気づいたことなどをレポートしていきたいな、と思います。



タワマン住みと言えども、その『住み方』は色々あります。

我が家が居を構えるタワーマンションは複数棟立っており、一棟丸ごとが賃貸用、それ以外は分譲用と分かれております。

まず、タワーマンションに住むのはどのような人が多いかをそれぞれに分けて観察してみました。

賃貸で住んでいるケース(我が家はこれ)。

社宅での借り上げが多いのか、外国出身の方の割合がよそのマンションに比べて多い気がします。地域性を考えても外国人がそれほど多い場所ではないのですけどね。
我が家の前にお住まいの方も外国人だったらしく、アラブ人ぽい宛名の手紙の誤配が何回か届いてました……。
1フロアには10件の家が入っているのですが、現在のそのうち2件は外国の方です。
エレベーターで同乗する時に他の階の居住者を見ても、多い印象は受けます。

あと、お年寄りが目立ちます。これはタワマンならではの行き届いた管理や周辺の環境の良さを求めて住まれている方も多いのではないでしょうか。

そして分譲のケース。

タワーマンションを分譲で買ってる人は投資用に何部屋か買ってて、その1室を自分で住んでるという富裕層もいるみたいですね。
そこの分譲タワマンに住んでいた方の中にはその部屋を貸して、別のエリアに家を構えて出て行ってしまうケースがちらほらありました。
そちらは賃貸側に比べると日本人が多いな、と思いました。

一時期、タワマン文学なるものが世間を騒がしていましたが、あの創作のせいで変なタワーマンションに対する偏見が世間一般に広まったような気がしてて……。
昭和の団地住み経験者からすると、タワマンなんて団地が縦になっただけじゃん!って感じなのですが。
ただ高層階の方が偉い、みたいな考えは分譲マンションではないと成り立たないと思います。
賃貸の場合は高さより広さの方で大まかな家賃が決まりますので。
そしてその借りる場所は、住みたいと思った時にその部屋が空いているかどうかだけなので、お金持ちかどうかは関係ないんですよね。
少なくとも入れ替わりの激しい賃貸はお互い無関心なので、誰が住んでるかとかはあまりわかりません。
子供の繋がりで、ようやく誰がどこに住んでるかが分かるくらいですが、親も働いている時代なので、親の顔を知らない家の方が多いです。
ママ友間のギスギスはやはりお話の世界。
数少ない知り合いは、どちらかといえば、何かあった時に助け合える仲間のような意識の方が強いです……私の場合はですが。
いつもお世話になっております。

さて、本題のメリットデメリットを上げていこうと思いますが……。

いい情報と悪い情報どっちが先に知りたいですか?

じゃあ、悪い情報からにしましょうか(強制)


デメリットその1 電話が通じない&回線事情が良くないことがある。


入居してからしばらく経てばWi-Fiが開通して電話程度では困らなくなったのですが、問題はその前。
入居当日になんの対策もしていないと、上の階層だと5Gどころか4Gも届かないです。
これを知らず、入居の日、外部と連絡が取れず困りました。

私が先に引っ越し先で待ち、トラックが到着したら電話をもらって入口のオートロックを開けるという手順だったのですが、いざ部屋に入るとベランダの一か所だけわずかに電波が届くか?という感じで。
ベランダで震えながら(当時2月でした)トラックを待っていました。
ふと、音が聞こえて(タワマン上階でも音は意外と聞こえます。200m先の踏切の音なども邪魔がないため、届きます)下を見たらどう見ても我が家のトラックが下に停まってる! もう来てたの! と玄関の鍵を開けっぱなしにして下に降りました。
後できいたら、何度も電話をかけていただいていたようなのですが、通じなかったようです。

それと、ゲーマーは回線事情は入居前にしつこいくらいに確認した方がいいです。
我が家の場合、光回線は契約すらできず、対戦型オンラインゲームでは何度も回線落ちをしてストレスを溜めています。
色々と試したのですが、どうにもなりませんでした。


デメリットその2 地震の時に大変。


地震の時、高い建物は上の階になればなるほど大きく揺れます。しかもゆっくりと。
耐震、免震、制震などの技術もあるみたいですが、やはり限度はありまして……。
これが……酔うんですよね。しかもなかなか揺れが収まらないし、怖いし。震度3くらいでもエレベーターは全基停まり、エレベーターの管理会社の確認があるまで、当然、不通になります。

2024年の正月の能登半島地震では我が家も揺れました。
元旦の日中の発生ということで、初詣のために外出していた人も多かったと思います。
大晦日のうちに大量の食料品を買い込んで籠城するつもりだった我が家はなんの被害もなかったのですが、非常階段と壁1枚という立地のため、すすり泣きしながら非常階段を上る声が丸聞こえで気まずい思いをしました……。
この時はその日の深夜に1基だけ復旧、次の日の昼には全基復旧したようです。
お休み期間と平日で復旧速度に差が出たかどうかはよくわかりません。


デメリットその3 鳥害


タワマンに住む前はアパートの2階に住んでいたのですが、その時に比べてもベランダに鳥のフンが結構落ちています。そして、なかなか落ちません。
ケルヒャーの高圧洗浄機を使って落とそうにも、それが端だったりすると外に水が飛んで下の家に迷惑をかけるのでできません。

それよりもっと困るのが鳩の巣。いつの間にか鳩が住み着いて巣作りしたりしていることも。
しかも営巣されて卵が産まれていた場合は、その駆除を個人がしてはいけません。鳥獣保護管理法なるものがあるので、地方公共団体や専門業者に依頼するしかありません。
業者に頼むにしても値段が結構高く(2、3万円くらい)、それが一度きりならともかく、何度も来たりするのでイタチごっこです。
巣だけなら個人で撤去をしてもいいみたいですが、雑菌などがいてうかつに触れるのも危険です。
鳥が飛んでこないくらいの高層階だったらいいのですが、中途半端な階層では、鳩との闘いが長期化します。
カラスの害の話もあるみたいですが、鳩の害の方がよく聞きました。地域性もあるのでしょうか。


デメリット4 風が強い


風を防ぐ障害物が周囲にないためか、風が地上より強いです。
そのせいか、窓ガラスが異常に汚れます。
布団は絶対に外に干せません。元々柵にかけるように干すのを禁じられているのもありますが、怖くて干せないです。風でうかつに煽られて落ちないか不安で。
引っ越してきて一年近くは洗濯物も外に干すことが怖くてできませんでした。風で飛んで物を落としたら下手したら死亡事故ですから。
それくらいベランダの風の流れが気になります。

それと、家の中も内圧と外圧の差が出やすいです。
デパートに入った時に、ドアが開いた瞬間にぶわっと風が吹いたとかいう経験はないでしょうか。
風がある日などは部屋の窓を開けていると、玄関のドアを開けた途端に、家の中のドアがバタンと閉じたり、玄関のドアが閉まりにくくなったりする現象が起きやすくなりました。
これはもしかしたらタワマンというより建物構造の気密性の問題かもしれないのですが、ご参考に。


デメリット5 エレベーターの問題


タワーマンションの規模によってはエレベーターの数は増えます。
我が家の場合は5基。
それだけあっても朝、夕方の通勤通学時、帰宅時はやや混みあいます。
変な時間にエレベーターがなかなか来なくなるのは夕方4時くらい。
新聞配達の人がエレベーターを各階止まりにして部屋に配って歩いているんですね。
急いでいる時は、少しイライラします。

あと、デメリットというほどではないですが、引っ越し当初はエレベーターに酔ったり、耳が痛くなったりもしました(2日で慣れましたが、今でも調子の悪い時は症状が出ます)。
乗り物に酔いやすい人はご注意を。


デメリット6 家賃と別な部類の出費が高い。


我が家は賃貸ですが、それでも家賃とは別に共益費が月に数万かかります。
分譲マンションでも積み立ての修繕費などがあるようです。
その分、共用部分の清掃、ゴミ集積所の整頓などはしっかりとされていますが、高いものは高い……。

それと、ガス代を2種類に分けて支払っています。
特別な仕組みで給湯しているらしくて……。
床暖房はガスなのですが、冬期には気を抜くと暖房費だけで1万くらい軽くいってしまうので、使いすぎないように気を使います。
でも暖かくて……。


次にメリット面を行ってみましょう。


メリットその1 虫があまりいない。


このためだけにタワマン住みを決心する人もいるようですが、とにかく虫が入り込まないのは事実です。
外干しの洗濯物に虫が卵を産むということもありません。
うちのタワマンは13階までは窓に網戸があるらしいのですが、それ以上の階層には網戸すらありません。
蚊などがごくたまに強い風にのってきたり、エレベーターで人間についてきてしまったりはありますが、それ以上は自力でこられないようですし、実際、家にこもっている限りでは虫さされなどもないし、蛾などの大きめの虫は目にすることもなくなりました。

家の中に虫が発生するとしたら、荷物について運ばれてくる、人についてくる、の方が外から自力で来るより多いので、玄関先で払ったり着替えたりすれば家の内部に持ち込むこともないです。

これは病気対策や花粉対策と同じですね。


メリットその2 24時間ゴミが捨てられる。


これはマンションにもよるとも思いますが、少なくとも、24時間ゴミが捨てられる鍵式のごみ置き場がないタワーマンションを見たことがないので入れておきます。

うちの場合は生活ごみはゴミドラム式(投入口からゴミを入れると、ロータリー式のドラムがゴミを撹拌(かくはん)・圧縮し、貯溜する装置)で、粗大ごみや資源ごみは別置きです。
デメリットとしてはたまにいっぱいになって投入できなくもなりますが、めったにありません。
ドラム式の場合はゴミが分からない場所に集められてしまうので、若く、性被害が起きそうな女性は安心だと思います。

資源ごみ、粗大ごみも置くスペースが広いです。
粗大ごみは回収の前日に置くというルールがありますが、資源ごみはいつでも、ペットボトル1つでも回収ボックスに入れられるので、ある程度ためてからビニール袋に入れて捨てる手間がなくて楽です。



メリットその3 景色がいい


今までも10階くらいには住んでいたので、どうせ引っ越しでもすぐに飽きて外なんか見なくなるよね、と思ってました。
しかし朝、遠くに見える山の稜線を見て、綺麗だなあと活力をもらったり、夜景をぼーっと見るようになりました。
このタワマンに住むまでは近隣地域の2階に住んでいたのですが、この地域から山が見えるなんて知らなかったので驚いたのもあります。

あと、打ち上げ花火が下に見えます。

打ち上げ花火、下から見るか?横からみるか?という映画がありましたけど、上から見ることもあるんだなーと、遠花火を見下ろしながら思いました……。


メリットその4 自宅のマンションがどこからでも見えるので迷子にならないし、みんな家の場所を知っている。


縦に長いタワマンは、場所によってはランドマークタワー代わりになり、目立ちます。
私みたいに迷子になりやすい人間は、外出時はスマホの地図アプリを重宝するのですがそれが必要なくなり助かりました。
タクシーでもマンション名を伝えるだけでも連れていってくれて便利です。
あと、「どこに住んでるの?」と訊かれても、名前を言うだけで「ああ、あそこね」と同じ地元なら皆が家を知っててわかってくれるので説明が楽です。


メリットその5 引っ越しが楽


毎月どころかシーズンなら毎週、日によっては同じ日に数件の引っ越しがかぶるくらい出入りが激しい賃貸のタワーマンションは、やはり引っ越し業者さんがなれています。

引っ越し前には防災センターに問い合わせしなくてはいけないとか、引っ越しトラックを置くスペースを管理業者に言って許可をもらうとかタワマンならではの独自ルールがあるのですが、その手順は引っ越し屋さんの方が詳しく、あらかじめそちらでやっておいてもらえました(本来は契約者がするよう、入居前に言われます)。

それと、先ほどのゴミ出しの件にもつながりますが、引っ越しには大量のごみが出ます。特に段ボール。
引っ越し時は開封した段ボールゴミを置くスペースがなくて、荷ほどきが進まないこともあるのですが(自治体によっては段ボールゴミは一回につき3つまで、など出せる限度も決まっています)、週1の回収では段ボールが邪魔で開封作業が進みません。追加料金を払って引っ越し業者に回収してもらうこともできますが、お金がかかります。
しかし、タワマンの場合は資源ごみスペースが大きく、そういう縛りがありません。いつでもゴミ出しが自由ですので、過去イチ引っ越しの荷ほどきの作業のストレスがありませんでした。

逆に退去で出る時も、大量の物を捨てていくことも多いですが、そのゴミも一気に出せます。
アパートくらい小さなところでの引っ越し作業は、誰かが退去する時のゴミ出し量で皆に迷惑をかけるんですけれど、それもないと思えば気が楽です。



メリットその6 子供の育てやすさ


地域性もありますが、ファミリータイプの部屋が多いタワマンの場合は、地元の小中学校に通う子供は複数人出てくるので、我が子を含めてグループ登校をしたり、集団下校をする時に見守りを誰かにしてもらえたりして安心です。
子供と同じ学校の子とわかると、なんとなく保護者視点でもその子を意識しますし、何かあった時に教え合って情報を共有しますしね。

小学校だと子供が休んだ場合、違う学年、違うクラスだとしても授業で配布されたものを同じマンションの子が気軽に持ってきてくれて助かります。
兄弟がいない場合はこれは大きいです。
大きくなって子供が塾に通うようになったら、子供同士で誘い合わせて一緒に帰宅したりするので、終わる時間が遅い塾でも安心できます(最近は子供にスマートフォンを持たせたり、車でお迎えをする家も多いですが)。



メリット7 環境の良さ


駅の近さや学校からの距離などはそのタワマンの状況によるので省きますが、人数が多いのでその需要を当て込んだスーパー、コンビニ、クリニック、塾、美容院などはタワーマンションの中の店舗スペースなどにオープンされることが多いです。
他にも図書館や区役所の分所ができたりもありますし、最近はデイサービスなどお年寄り向けの施設やフィットネスクラブのオープンも目につくようになりました。
家から近いととても便利です。

小さいことで言えば、地域のお店に配達を頼む時も、同じマンションで買う人がいると、まとめ宅配などがされやすくなります。

あと、意外と見落としがちなのが、行政に対する圧が違います。
タワマンが一棟増えると校区である小学校や中学校のクラスの数が増えるくらい影響力が出ます。
そのため、地域住民の総意として自治体への意見を提出する時に通りやすくなる気がします。
人数の強みで環境を変えていくのを目の当たりすると、人数が多い年代層の意見が通りやすいのは当然だな、となんとなく人口問題につなげて考えてしまいました……。



ざっと思いついたのはこのくらいですが、いかがだったでしょうか。
また何か気づいたら追加していきたいと思います。

書きながら思ったのは、どんな場所に住むにしても、どこもメリットデメリットがあるということ、ですね。
どれを受け入れられて、どれが許せないかは人によるので、私がデメリットと思った場所をメリットと思う人もいるかもしれません。逆もまたしかり。
とりあえず住んでみたいと思うなら「住んじゃえ!」と踏み出すのもいいと思います。
我が家の場合はここしか住める場所がなかったので、入居せざるをえなかったのですが。

これから、タワーマンションに住もうと思っている人が、これを見て住居選びの参考になればいいな、と思います。

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