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世にあふれたシステムが業務に合うシステムか否か、簡単に作れるものなのか否か

昔は現在のようなクラウドシステムがなく、会社の業務システムは自社もしくはシステム開発企業への委託が主流でした。

近年では業務システムまたはツールは多種多様に溢れています。
どのシステムが会社に合うか、業務に合うかは会社側はが確認して決めていかなければいけません。

メーカーや販売代理店は、さまざまな言葉で製品がいかにいいかを推してきます。
・ 業務管理ができる
・ 操作簡単
・ 簡単にカスタマイズできる
などなど、システムが如何に扱いやすいか、丁寧に解説してくれると思います。

営業の話を聞くだけでは様々なことができて、自分たちが使う機能以上のことができると思えます。
予算がある会社では使い方次第では、想定している機能だけでなく多くの機能を詰め合わせたシステム、ツールを選択して導入するかもしれません。

でもそれってどうやって会社の業務に合うものだとか判断してますか。
DXと言われる昨今、世にあふれ続けるシステム。
誰がどのようにして判断して決めていけばいいのでしょう。

システムなんだからシステム部門が決めて入れれば業務に合うのでしょうか?
システム部門は業務をどのように実施しているかまでは知らないので簡単にこれとシステムを決めることはできません。

では業務部で決めるのはどうでしょうか。
さまざまなシステムメーカーの話を聞いても、おそらくメーカー側から「このようにしたら使えます。」、「ここの部分の設定を変更したらこんな風ににも使えます。」といわれるでしょう。
実際、ある程度の業務を知れば、販売しているシステムを熟知している営業さんは自社製品を使ってもらえるように猛アピールしてくださいますでしょう。
そして「さまざまなオプションもあっていろんなことができます。」と新しいこともできるように話して下さるでしょう。
業務部は設定できれば使えるのならと、システムを選択して導入できるでしょう。
じゃあ、システム導入は業務部主体で進めていけばいいじゃないでしょうか。しかし、業務部が主体でシステム選択・導入を行った場合に問題になってくるのは運用です。

システムにはサイクルがあります。
導入 ⇒ 運用 ⇒ 修正・見直し ⇒ 継続・更新(新しいものへ切替)
そして運用に戻って実施していく必要があります。
新しい業務システムの導入は現在とても簡単です。
クラウドにアクセスするだけで使えたり、サーバにインストールして利用できたりするものです。
導入時の設定はメーカーがサポートしてくれると思いますので、導入時も時間もかからず対応できるでしょう。
しかし、運用はそう簡単にはいきません。
実際に利用している間に起きる問題、業務に合わせた改善、新しい業務への適応などなど、さまざまな対応が求められます。
そう業務部でシステム運用業務までのキャパはないのです。
しかもシステム導入・設定はPCやソフトなどITに強い人だけで実施していたりするため、運用の舵取りができる人が限られていて、業務部のITに強い人に業務量が偏ってしまうことになります。
そして一番大きな問題はそのITに強い人に人事異動やもしもがあった場合です。誰も設定、運用ができなくなると仕事が滞ってしまうことになります。
そのような場合、仕事が降ってくるのはシステム部門です。
ITに強い会社の下支え部門ですから、システムのことだからわかるだろうと。。。
プログラマーではない私も様々なシステムを触ってきていますのでわからいますよ、なんとなくここをいじったらこうなるって仕組みくらいなら。
ただ、なぜそのような設定をしたのか、業務がどうなっていて、システムでこういう操作をするのかとかは、システムはわからないの聞き取り調査をします。そうするとある程度はシステム設計はわかります。
業務部のITに強い人がシステム設計を残していたら話は早いですが、たいていはありません。
システム設計ができればシステム部門でも運用できるようになります。
そう、業務部のITに強い人がいなくなったらシステム運用はシステム部門に丸投げという話はよく聞きます。

そのためいろんな設定もオプションも活用も考えることはあっても、業務と並行して行うこととなり、作業時間を作ることができず、結局、システム内の宝の持ち腐れになることも。。。
また、実際あったと聞いた話では、業務部が入れたシステムが会社全体の基幹システムとは連携できずに、大変な手作業を挟むことになったものがあるそうです。業務部のシステムからデータを抽出して、データを加工して、基幹システムにデータの入力を行うという手間が発生してしまったとのことでした。システムの連携性を考えていなかったのですね。


このように、システム導入はシステムだけでも業務部だけでもうまくいくことがありません。
システム部門があるのであれば、システム部門と業務部でコミュニケーションをとり、業務に合うシステムを選択し、運用できるようにしていくのがいいと思います。

コミュニケーション、本当に大事。。。

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