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アロマオイルという趣味ができてから学んだこと・ブレンドレシピ

私がアロマオイルにはまったきっかけはヒマラヤスギの切り株から出ていたヤニです。30過ぎてから植物の持つ匂いの神秘に気付きました。

それまで植物の芳香と言えばもっぱら食に関することのみでした。

子供のころは、
隣の家のもさもさ生えているいい匂いのするミントを食べてはトラウマになるくらい怒られ、
通学路の坂道の上にある民家のイチイの実を食べてはその家の人に心配され(種は猛毒だとは知りませんでしたがちゃんと吐き出していました。匂い関係ないな)、
ツツジの蜜は美味しいから甘い匂いがするんだと思い、
庭に生えていたシソは匂いで確認し食べられるか判断し、
山椒の木も葉をとる前には匂いで確認していました。
ドクダミの匂いが死ぬほど嫌いだったのも覚えています(これは食べたら絶対まずいと思っていたのでドクダミ茶なるものがあるのを知ったときは衝撃でした)。

なので、食べること以外でいい香りにハマるとは思っていませんでした。

そもそも、私は市販の香水の良ささえいまいち分かっていませんでした。

思春期になると、友達と一緒に田舎街から電車で一時間ほどかけて都市部に買い物に行くようになりましたが、私はグレるまでは自発的に流行物を買うということに興味がなく、完全にただの付き合いとして、可愛いのか良く分からない靴下やギャルブランドのポーチを無言の圧に負けて買っていました。当時私は中学生、ギャル文化全盛期、私の属する地域の女子の間では化粧ポーチを筆箱にするのがスクールカースト上位に入る条件で、私はグレるまでスポーツのできる優等生キョロ充隠れメンタル不安定闇系キモオタでしたので、何かに怯えながら黒とマゼンダの化粧ポーチに筆記用具を入れていました。そうしていれば普通のいい感じの人間に擬態できると思ったのです。

あるとき、友達の中で、いちばんませていたガチリアル充実系暴力暴言美人金持ちギャルと駅ビルに行きました。駅ビルに入って割とすぐに香水コーナーがあり、私はそこがあまり好きではありませんでした。かかっている音楽も好きではありませんでした。当時の私が好きな曲はチャイコフスキーの白鳥の湖と、小学生のころ配られた分厚いお歌の本に載っていた大空から見ればと、林原めぐみの歌でしたが、それがばれたらいじめの対象になりかねないので、世界に一つだけの花とか、大塚愛とか、オレンジレンジとか好きなふりをしていました。無難かな、と思って選んだ曲は、だいたいの友人には受け入れられましたが、ギャルにはキモいしダサいと言われました。別に何の思い入れもない曲と歌手のはずなのに、なぜかとても傷つきました。あの心の底からキモいしダサいと思っているような目は一生忘れられません。もしかしたらあの目は、表面的に取り繕って選ばれた音楽に対してではなく、私が必死で隠していた私の本質に対してだったのかもしれません。

ギャルはテスターを片っ端から嗅いで、「これ好きー」とか「これ微妙」とか「臭っ」とか「まじありえない」とか言っていましたが私には違いが分かりませんでした。確かサムライウーマンがどうのこうのと言っていたような気がしますが、昔のことなので覚えていません。香水とJpopと激しめの洋楽は受け入れ難いが、受け入れなければ生きていけないのだ、と私は悲しみながら思いました。10代の女の子の自我なんてあってないようなもので、その世界はとても狭いのです。

それからとても色々なことがあって、風邪気味でシンガポールに行ってビーチで酒飲んで限界が来てずっと寝ていたことや、引きニートなどの経験を積み、私は自分なりのファッション、音楽、フィクションにおける哲学めいたもの、仕事のサボり方、抑圧されねじ曲がったオタク欲の発散の仕方、町の奇人として生きる覚悟を確立したのですが、どうしても香水、匂い、芳香、フレグランスだけはこれと言ったものが見つけられませんでした。

しかしヒマラヤスギをきっかけにパインの精油に手を出したことで、私は香りの持つ不思議な美しさにハマってしまいました。

私が今持っている精油は、パイン、レモン、オレンジスイート、ユーカリグロブルス、ローズゼラニウム、ラベンダーフレンチ、フランキンセンス、イランイランエクストラなのですが、それらの持つ香りは、私が今まで嗅いできた香水やシャンプーや、ハンドクリームの匂いとは全く別のものでした。おそらく、芳香成分の複雑さと、私のやっかいな人間性がマッチしたのでしょう。

グレたあとの私は2つ、自発的に香水を買ったことがありました。イヴ・サンローランのベビードールと、マークジェイコブスのデイジーです。ベビードールは正直あまり好きな香りではありませんでした。デイジーはボトルがめっちゃ可愛いくて、しかもとてもいい匂いでしたが、透明感がありすぎて、闇系キモオタの私には、これは私の匂い、とは言えませんでした。ルームフレグランスはファブリーズのみ。

しかし、精油からつくる香水はブレンドは自分で考えているから完全に世界で唯一の香りだし、消毒エタノールというファッションとは無縁そうなアカデミックな響きのある薬品を使用している興奮もあり、しかも出来上がった匂いはいい香りなのですが、なんというか、雑多なものを内包しているような感じで、私の卑屈な人間性も肯定されたような気分になりました。

いろいろと長くなりましたが、私が今までつくったブレンドレシピをパーセンテージで公開したいと思います。

文鎮と化したMACのある福利厚生がインスタントコーヒー飲み放題のみという会社に抵抗するためのフローラル香水

  • フランキンセンス 20%

  • ラベンダーフレンチ 25%

  • ローズゼラニウム 45%

  • オレンジスイート 10%

このブレンドは爽やかな花の香りで、普段使いにしています


モラハラインポテンツ撲滅のための愛の薔薇の香水

  • フランキンセンス 10%

  • ラベンダーフレンチ 10%

  • ローズゼラニウム 76%

  • イランイランエクストラ 4%

イランイランエクストラはとても香りの強い精油なので、1滴垂らすだけで全体の雰囲気が華やかになります。この香水はデートのときに使ってます。


3歳児にも受けたいい感じのオレンジ香水

オレンジスイート 70%
ラベンダーフレンチ 30%

甘くなりすぎないときにつけたい香水


ファミマの駐車場から出る時変な角度で出口に停止して、入ってくる車のおっさんにがん飛ばされて苛立ちと悲しさと申し訳無さで落ち込んだけど、すぐにそんな気分が吹き飛ぶ香水

オレンジスイート 80%
ユーカリグロブルス 20%


仕事やった気分になる香水


パイン 100%
レモン 全体の量から計算して濃度2%未満になるように調整


カーフレグランスのために適当につくったら過去最高の出来になったブレンド

パイン 70%
バニラエッセンス(製菓用)30%

あのですね!これはまじで、あの、史上最強に素敵な香りになりました!合成香料使ってるけど、これは許してください。しかもですね!カーフレグランス用に買ったディフューザーがめちゃくちゃ可愛いんですよ!トップの画像なんですが、sheinで買ってあんまり期待してなかったのですが、いやもうすごい可愛い。ちょうちょの部分が立体的なシールかと思ってたら、ちゃんとしっかりしたアクセサリーチャームみたいなんですよね。もうびっくりです。しかもバニラエッセンスの色でいい感じに色がついていやーもー。見てくださいよ、↓こんなに可愛い。

中蓋閉めてるので棒ささってないけどちゃんと棒も付属してます

これ届いたの昨日だったのですが、昨日はいい日でしたね。近所の文房具屋さんで定規とカッター買ったら群馬と埼玉の限定コラボの可愛いイラストの包み紙で商品包んでくれましたし。


ということでアロマブレンドについては以上になります。ちなみに家でリードディフューザーに精油入れるときはブレンドせず、シングルで使う時が多いです。最近はレモンとかユーカリグロブルスとかフランキンセンスが多いです。

シダーウッドアトラスとか欲しいなあ。あとカモミールローマンとかパチュリーとかローズの希釈オイルとかも狙ってます。

アロマって楽しいですね。

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