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本が好き

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「違国日記」ヤマシタトモコ

長い間新刊がでるのを楽しみにしていたけどとうとう最終巻。 これは、わざわざ買いにいく本。 何軒かあった近所の書店が全て閉店してしまったけれども、わざわざ電車に乗って別の町の書店へわざわざ買いにいく本。 槙生と朝の、いきなり始まった共同生活は当然山あり谷ありで。 その谷は決して埋まることはないし、山は崩れることはない。 お互いの特性に驚きつつも自分の生き方、在り方を考えながら、生きていく様は本が出る度に楽しみだった。 人はみんな違う国に住んでいるのだ。 それぞれの国に

    • 「手ぶくろを買いに」/新見南吉

      先日、青空文庫で読んだのが忘れられなくて絵本購入。 狐の親子が愛おしい。 子供の狐が元気で、可愛らしくて、とっても子供らしさに溢れていて。 雪景色を初めて見たとき、街の灯りを見たとき、帽子屋で面食らったとき、やっと母さん狐のところに戻ってきたとき、もう可愛くて可愛くて。 そしてお母さん狐が母親らしい心配と優しさと暖かさでうっとり。 帽子屋さんもいい。 文章がとにかく美しくて素敵。 こんな美しい日本語久しぶりに読んだ。 絵本の方は黒井健のさし絵がまた繊細で優しく

      • 「小公女」/フランシス・ホジソン・バーネット

        子供時代の私の成分の20%ぐらいはバーネットでできてたんじゃないかというぐらい、世界名作劇場のようなシリーズもので「小公女」と「秘密の花園」をしつこく読んでいた。 外国の少女のお話、という私にとっては非日常の世界なのだけれど、まだ幼い女の子がけなげに生きていくお話で。 どちらもところどころにときめき要素がちりばめられている。 屋根裏部屋に贈り物を届けてくれる名前も知らない友。 変わるところは変わり(成長・前進・変化)、変わらないところは変わらない(友情・元来の優しさ・

        • 読書と私

          ずっと買い続けている本の面白さ、とはまた別に、新しく見つけた本の面白さ、を噛み締めている時、大変幸せを感じる。 前者は安定の面白さなので、待ち望んでいた新刊をウキウキ買ってきて読み、何度もおさらいする。 予想していた通り、楽しかったなあ、面白かったなあ、と満足する幸せ。 後者は本屋で偶然買ってみた本が予想外にというか、予想以上に面白くて、こちらも何度もおさらいする。 続巻があればあわてて買いに行く。 ふと気がつくと、本屋で掛けてもらったザラ紙のカバーの、ちょうど手で

        「違国日記」ヤマシタトモコ