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ピアノで社会貢献

自分の演奏を社会貢献出来ないかと模索した20代。
行き着いた先はグランドピアノ が置いてある大学病院でした。

病院の外来が終わった時間帯に、エントランスで定期的に患者様向けに演奏を始めたのです。

大学病院だったので幅広い年代の方々が聴きにきてくださり、演奏後に温かい声をかけて下さる方、涙を流して下さる方など様々でした。
コンサートホールの演奏会とはまた違った、聴いて下さる方々との交流は新鮮だったと記憶しております。

その度にもっと自分の演奏が患者様の心に寄り添いたいと思うようになり、リクエストを設ける機会も作ってもらいました。

ただ長く入院されている方は少なく頻繁に顔ぶれが変わるため、リクエストをもらってもその方に披露出来ないこともありました。
その度に見なくなった患者様方はきっと無事に退院したのだろうと信じるようにしていました。

ある女性の患者さまから「治療は辛かったが、入院中聴いたピアノ演奏が良い思い出になった」という内容のお手紙も頂いたことがあります。

患者様のために演奏を始めたのに、元気を頂いたのは私の方です。

気付けば病院での演奏も100回以上演奏をさせて頂き、病院側からのご提案で100回記念コンサートまで設けて頂きました。
とても励みになりこれからも続けていこうと思った30代手前。
結婚、出産、育児と続き病院の演奏は一旦終了させて頂くことになりました。
また子育てが落ち着いたら演奏させて頂こうと心に決めています。

時は流れて30代に入り、子供を保育園に入園させました。絵本に力を入れている保育園ということもあり、絵本の世界を知りました。
子供たちのために絵本コンサートを開催したいと思い保育園側に提案したところ、夢が実現しました。
0歳から年長さんまで誰一人最後まで声も出さずに、じっとコンサートを観て下さり興味を持って頂けたことに感動しました。
1歳ぐらいの子でも、うっとりした表情になるのです。
こんなに小さな子たちでも、演奏を聴いて感じとってもらえるのだと本当に感動しました。

保育園側とも絵本コンサートを継続していこうと約束をし、私も子供たちにもっと良い音楽を聴かせたいと思った矢先、2020年へ突入。
演奏コンサートは中止になりました。

そして私自身も演奏をする機会は、感染対策を徹底したお客様の心が読み取りづらい、制限のあるコンサートのみになりました。

思い思いに聴いて、思い思いに感じ取り、演奏者とお客様の思いが通じ合う機会が、私の体感では無くなってしまいました。

まだまだこのご時世は続きそうですが、それでも違う形で聴いて下さる方と演奏者の思いが通じ合うコンサートが出来ないかを模索をし始め30代半ばに突入したところです。

形が変わっても本質は変わらない、そんな演奏を聴く方に伝えれるように、これからも自分自身がブレないようこのnoteに書き留めておきます。


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