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日本は財政破綻できない?!

そもそも国(中央政府)と民間(企業)では赤字(負債)に対する概念が全く異なります。


日本政府には「日本円」の通貨発行権があります。しかし、民間企業には(地方自治体も含めて)通貨発行権はありません。ここが最大の違いです。


そして政府が負債(国債発行)を発生させるということは、その反対側では民間の資産となるこということです。これはバランスシートで考えれば明白な事実で、誰も否定することはできません。


また日本政府が日本円の通貨発行権を持っている以上、「借金」という概念そのものが矛盾してきます。日本政府は明治以降からずっと国債を発行し続けていますが、国債の償還期限がきたら日銀がそれを買い取り、新しい国債=日本円を発行して「借り換え」をずっと繰り返しています。

そう、日本政府からしてみれば、国債発行は通貨を発行した記録にすぎないのです。通貨発行権を持っているとはそういうことです。


但し、外国の通貨で国債発行している場合は別です。

例えば日本政府は1990年までドル建ての国債を発行していましたが、このケースでは本当の「借金」となります。何故なら、日本政府に「米ドル」の通貨発行権はないからです。ですが、日本政府は1991年までにドルでの借金は完済しています。

他国で財政破綻しているケースは、すべて自国通貨ではなく、外国の通貨(多くは米ドル)で国債発行していたからなのです。


ですから現在の日本は100%日本円建てで国債発行をしており、実質的な「借金」はゼロです。


また、よく巷で言われているような「大量に円を刷る(国債発行する)とインフレになり、円が暴落する!?」というような話をよく聞きます。


しかし、今回のコロナ不況で日本政府は昨年だけでも70兆円規模で追加の国債発行をしてきました。

それにも関わらず、インフレ率はゼロどころかマイナス。国債金利もほぼゼロです。


このことで、国債発行額とインフレ(率)に相関がないことが証明されました。


実際には「インフレ」は国内企業の供給能力と相関があるのです。

例えば、東日本大震災の直後にはトイレットペーパーなどの日用品が手に入らず、ドラッグストアやスーパーなどにはそれらを買い求める人たちが殺到しました。これは流通や買占めによる問題だったので本当のインフレではありませんが、実際に企業が倒産して無くなれば、同じことが起こるのは誰にでも想像できることだと思います。


ですから、本当に問題なのは赤字国債の発行額なんかではなく、「国内企業が倒産して供給能力が絶たれていく」ことなのです。


戦後焼け野原になった日本でも、上記の話と同様に供給能力が絶たれて悪性のインフレになりました。


このような過去の事例から、私達は本当は「どこに問題の本質」があるのかを知っています。


繰り返しになりますが、現在の通貨制度において、日本には財政による経済的問題はありません。「財政赤字」は国の破綻にはつながりません。

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