【明日もまた日が昇り風が吹く のか】

日が落ちて
月が昇る

風が吹き
夜が来る

明日もまた
日が昇り
風が吹く

そうやって
疑いもなく

今日と同じように
明日という日が
訪れることを

信じてきた
そのカンジが

ぐらついている

気づかないフリも
できないことはない

だが

さすがに
この奇妙な

なにか湿った
細い紐のようなもので
じわじわと
締め付けられるような

イヤなカンジは
消えはしない

日常的に繰り返される
お茶の間の画像音声
街や駅のあらゆる通路で
うるさくつきまとう
音声つきの広告やニュース

遠くの国の
とてつもなく
大きな争いごとや
悲劇や災害などを
断定的に伝える媒体

客観視からはほど遠い
大量の繰り返し音信を
濁流の如く放出し
人々を惑わし続ける

本来備わっていたはずの
秩序や礼節や敬愛の心

それらを
捨て去った者たちは
いったい何を手にしたのか

貴重な宝を手放してまで
手に入れたものは何なのか

嗚呼

日が落ちて
月が昇る

風が吹き
夜が来る

明日もまた
きっと

日が昇り
風が吹くことを

願う