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「本文に書いてないから誤答」は意外と良い問題

「本文に書いてないから誤答です」
現代文ではお馴染みのワードだ。

少し前、ひょんなことから
高校生に現代文を“教える”機会をもった。

題材はセンター試験と共通テスト。
お分かりのとおり、選択肢には、
上記の誤答選択肢がそれなりにある。

そこでふと考えた。
なぜこんな設問があるんだろう?

正確な答えは知らないけれど、
自分なりの答えは出た。

話は変わって、
「わら人形論法」というものを知っているだろうか。ストローマン論法ともいう。

ストローは藁(わら)という意味なので、
ストローマンは藁人形という意味。

知っている人も多いとは思うが、
「わら人形論法」とは、相手が言ってもいないことを、さも相手が言っているかのようにして、その架空の意見に対して反論することをいう。

真の相手ではなく、偽の相手(=藁人形)に対して攻撃する(釘を打つ)。

本当は何の意味もないのに、
見ている側は、その迫力に騙されて、
すごい!となってしまう。

例えば、

「子供を道路で遊ばせるのは危険だからやめた方が良い」という主張に対し、「子供を家に閉じ込めておけだなんて、ひどい意見だ」と反論する

カスタマーサービス用語
【No.123】藁人形論法

「子供を道路で遊ばせるのは
危険だからやめた方が良い」
と主張した人は、

「子供を家に閉じ込めておけ」
とは主張していない。

もしかしたら、中にはそんな人もいるかもしれないけれど、そうではないかもしれない

つまり、決めつけることができない。
「公園で遊ばせよう」という主張かもしれない。

私の知る限り、Twitter(X)では、
この藁人形論法が蔓延(はびこ)っている。

①相手の意見を決めつけて、
②強い口調で批判する。

だから、これを自分がしないためには、
まず、①相手が本当にそのように主張しているか、決めつけることに慎重にならないといけない。

つまり、現代文で、わざわざ、
「本文に書いてないから誤答」
の選択肢を用意しているのは、

藁人形論法をするなよ
というメッセージなのだと思う。

議論に、藁人形論法はタブーである。

それを大学に入る前に教えてくれている。

多分、こんなことはみんな分かっている
と思うけれど、自分もしないよう、
戒めもこめて。

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