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オーガニック給食協議会総会行ってきました

2024年5月30日(木)、全国オーガニック給食協議会の令和6年度の総会でした。オーガニックの学校給食を進める自治体中心の全国協議会が去年立ち上がってから、2回目の総会です。

今、協議会では、37の自治体はじめ、農協や生協、市民団体全体で110の団体、個人会員は235名いるとのこと。全国的に、発足から1年で、じわじわと広がっていることを感じます。

会長の太田市長からは、オーガニック給食は、必ず全国で実現できると思う、協議会として飛躍してまいりたい、という力強いご挨拶。

令和5年度の事業決算報告と、6年度の事業計画と予算、そして役員の承認がされました。

質疑応答では、オーガニックではやはり経費がかかるがその課題をどうクリアしていくのか、という質問が。
太田市長からは、「首長の覚悟だ」との答え。
初めはコウノトリで町おこしをしようという思いで始めたが、餌代も飼育代もかかり、1億円にもなるから無理だと諦めた。しかし、市民から電話で、無農薬のお米を作ることを提案され、そんなことしたら選挙落ちるぞとか言われながらも覚悟を決めて、やってみたとのお話。農薬の空中散布にかかる経費3000万円の予算は削減したとのこと。
公共調達という仕組みを生かすことで、いすみ市は実現できた、学校給食という公共調達が、有機農業を支えることができるのだ、とのこと。

全国有機農業推進協議会の高橋優子さんから、子どもの健康を守るためにオーガニック給食を推進しようとした時に、どんなメリットがあるのかとか、科学的エビデンスを示せとよく言われるが、全国で活動するママたちへの武器として、協議会としてそのようなデータを提供するなどしてほしいとの声もありました。
いつもよく言われて課題となっている「エビデンス」。子どもたちに良い変化が起きたという事例は各地であるものの、統計的に優位な疫学調査はなかなか難しい中で、どうやって説明し、理解を広げていくのか、ここは課題ですよね。

参加した自治体職員の方からは、これから新たに取り組む自治体へノウハウの提供をしてほしいとの声も。
センター化より自校式が良いということもセットで運動を進めていってほしい、健康よりも環境にとって良い影響があるという観点で発信していくことが重要ではないか、などの声が会場から上がりました。

副代表の下山さん(全国有機農業推進協議会理事長)からは、食料・農業・農村基本法改正が国会で採択された。これからは基本計画策定の流れ。この中に、オーガニック給食を日本の方針としてうたうことが必要だ、と力強い発言。

副代表の秋山組合長(JAひたち)からは、みどりの食料基地いばらきを推し進めて行きたい、自由貿易の時代に生き残るために、安全で付加価値の高い有機農業が必要だ、との発言がありました。

監査役のオーガニック給食マップの山田正彦さんからは、子どもの健康を守るためにオーガニック給食を進めたいとの言葉。

長野県松川町 北沢町長

ゆうき給食とどけ隊とつくり隊がいる松川町の北沢町長が、取組をお話してくれました。人口減少と農業者減少、遊休農家増加という町の課題に対して、市民向けの農業番組をやったり、講演会、研修会などを積み重ね、学校給食に有機食材を提供し、松川をゆうきの里として育てていこうとしてきたことを紹介していただきました。
ご自身も町役場の職員だったとのことで、一生懸命取り組む自治体職員が長期間やれれば、どこの自治体でもできる!と話されていたことが印象的でした。

茨城県常陸大宮市 鈴木市長

常陸大宮市の鈴木市長のプレゼンも、熱がこもったものでした。100%オーガニック給食を目指す!JAとタッグを組んで進めていく!とのこと。オーガニックビレッジ宣言やみどりの食料システム法に基づく特定地区で、慣行農業とも共生していくための協定を結んだことなど取組を紹介していただきました。

関根佳恵先生(愛知学院大学教授)(写真:郡山昌也さん)

「オーガニック給食をめぐる世界の動向と日本の今後の取組」というタイトルで、愛知学院大学の関根佳恵教授が講演していただきました。
お着物、とてもよく似合っていて綺麗でした。これも「着て応援」とのこと。着る物も、食べる物も、買う人・使う人がいることで応援できる物だという思いを表現されていて、素敵でした。

「良い食」(Good Food)とは何か、公共調達の役割とは、EUとフランスの法制度がどのように公共調達とオーガニック給食を推し進めてきたのか、日本の進むべき方向とは、ということをお話いただきました。

関根先生のお話の後は、感動して参加者が大行列!

今年は11月8日に常陸大宮市で全国オーガニック給食フォーラムが開催されます。この盛り上がりが全国で広がって、日本でも「学校給食」という「公共調達」が、日本の農業と環境、子どもの未来を支えていく、そんな未来につながっていきますように。

私もフォーラムの裏方として頑張ります。


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