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過去の詩「星屑零れるフラスコの中


外を眺めるのは外が在ることを知っている奇跡。

星空を映す美しい川を船で進む。

瞬く音は氷のように冷たく透明だ。

柔らかな風が生え揃ったばかりの緑を撫でる。

見上げた空は恐ろしくなるほどの星に占領されている。


『君が愛した青い薔薇は溶けてしまったよ。あぁ。退屈は恐いよ…』

声は流星雨に流され大切な存在は緩やかに消えていった。




"外を眺めるのは外が在ることを知っている奇跡"


己の書き記したものを褒めるのもなんだが、これは………良きかな。

私達が窓の外を見ること、自国の外を見ること、星の外を見ること…それは奇跡である。

在るということを知りうる者だけが得る奇跡である。

しかし、同時にそれに囚われてはいないかと思う。

「広い、次がある。未来、先がある」

ということに囚われていないか。


不確かで、確かな世界の中で「人」はどうあるべきなのか
遥か遠くから問われているのだろうと私は思う。


この星の民は何を目指す?

君達に「外」はみえているか?

みえているそれは本当に「外」なのか?



いま感じ取れる外は美しい雨音に満たされている。
私達はそれぞれが、きっと、外が在る事を知る奇跡を歩く。

信じ、進み、私達は目撃する。

たとえそれがこの星の決まり事の中でも。
どんなに悲惨でも。平凡でも。幸福でも。

私は蒼い星の片隅で
見つめ続ける。

ギリギリのところまで。






サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。