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ハトぴー と 私

こんにちは。小学校に植わっているグミを友達と鳥より早く食べ尽くして、先生に叱られた過去があります。美味しかったなぁ…

はじめましての方は、はじめまして!
また来てくれた方は、どうも有難う!
koedananafusiです。
去年カラスと私のなんてことない思い出話を書きました↓↓↓↓↓↓

私は不思議と「鳥と虫」に気づく事が多いので、「鳥と虫」にまつわる話はいくつかあるのですが今回は「鳩」との短くもハートフル(ハトだけに)なエピソードを書こうと思います。

小学生、鳩を鷲掴みにする!!

あれは、ピラカンサ(橘擬き)が実をつける頃のこと。
私と近所の子供たちは仲良く遊んでいました。
中学校が近くにあり、校庭周りは高いネットが張り巡らされ、外側は小さな土手のような作りでした。ピラカンサが植えられ、芝が敷かれたその場所は小さな子達の遊び場でした。

いつも通り、土手をよじ登りネット越しに校庭を眺め、拾った木の棒で周りを叩き、ピラカンサの可愛いオレンジの実をとって投げ(……私は、やんちゃな女の子でした)楽しく遊んでいたのですが、いつもと違う事が1つありました。

鳩です。

ピラカンサの根本、少し空洞になった場所に鳩がちょこんと座っていたのです。
私達が近づいてもその鳩は動きません。

「どうしたんだろう?」
「動かないね」
「お腹空いてるのかな?」

周りの子達と鳩についてあーだこーだ言う中で、私は鳩が弱っているのではないかと考えました。だって、何時もは逃げてしまう鳩がこんなふうに大人しくしているなんて変です。

その当時、野良犬も普通に闊歩する世の中でしたから、こんなところにいては食べられてしまう!と私は思ったのです。

「たすけるっ!」

私はそう決断します。
周りの子達はたじろぎます。だって、鳩なんてどう保護していいかわからない年齢の子供ばかり。それに、大抵のお家、我が家も例外なく動物を拾って帰ると物凄く叱られるのです。

「怒られるよ」
「どうするの?」
「鳩って何食べるの?」

周りの子達は不安そうに私を見ます。しかし、決めたら吉日!やらねば気の済まない私は、まず鳩をピラカンサから追い出すことにしました。
TVで数日前に野生の鳥を捕まえて観察しているシーンをみたばかりでした。あの方法で捕まえよう!きっとできる!(我ながら良く記憶が残ってるなと思う)

かくして、周りの子達と私は鳩を棒で脅し(乱暴…)ピラカンサから追い出しました。
鳩は追い出されても飛びませんでした。飛べないほどに弱っていたのです。しかし、鳩も黙って捕まりたくはありません。蓋の空いた側溝に逃げ込みます。私達はすかさず、鳩の行く先に網を差し込みます(虫取り網をぶん回して遊んでいた…)鳩は仕方なく戻ってきました。

私の脳裏には、TVで野鳥を捕まえるおじさん。羽側を優しく包むように掴み持ち上げるあの姿!私にも出来る!いざ!鳩つかみっ!
バサバサっ!と羽が動きますが私はグッと鷲掴み捕獲成功。
こうして、弱っていた鳩は抵抗むなしく小学生に捕まったのでした。

小学生、ばあちゃんに怒られる…

鳩を鶏を持つように掴み、そのまま小走りで数十m先の家に向かいました。
その走っている時に「あ、名前。名前はハトぴーにしよう!」と考え、鳩はハトぴーになりました(今思うと何故、ハトぴーなのか…)

私の実家はお店を営んでいました。
だから、到着してすぐ広々した店の中に鳩を置きました。ハトぴーは鳩が豆鉄砲を食らったような顔で立ちすくみます。
それを見て怒ったのが、店番をしていた祖母。
物凄く怒られました。

そりゃそうだ。遊びに行ってた孫娘が鳩を素手で掴んで持ってきた上に、店に放すんだから。(店が食べ物屋じゃなかったのが救い)しかも、無理やり鳩の口にプチトマトを刺して食べさせようとするんだから(ハトぴーはヨロヨロしていました。ごめんね…)

素手……小さな私に言ってあげたい。野鳥を素手で触ってはいけませんよ、と。どんな伝染病を持っているかわかりません。みなさんも、野鳥を掴むときは素手は駄目ですよ!(そもそも許可なく捕獲しちゃ駄目)

しばらく観察することは許されましたが、もとの所に戻してこいと言われます。

「でも、弱ってるよ。死んじゃうよ」
「それに見てよ!ハトぴーは足輪をつけてるよ!誰かの鳩だよ!」

そう。ハトぴーは足輪がついていました。

今なら解ります。足輪がついているということは、ハトぴーは伝書鳩(レース鳩)です。何処か遠くから放鳥され、家に帰る途中で傷ついて飛べなくなったのでしょう。
小学生の私はそこまでの事は知らず、足輪=首輪で誰かのペットだということくらいしか解りませんでした。

「お家があるなら帰してあげたい」

私はそう祖母に言いました。

ハトミさんは、鳩を飼っている!

近所にハトミさんという方が住んでいました。ハトミさんは、ハトミだけに鳩小屋を所有し、たくさん鳩を飼っていました(たぶん、名字関係ないぜ)
祖母はハトミさんにハトぴーを任せようと言いました。私は本当は自分で世話して回復させてやりたかったのですが、鳩を飼う知識はないし、さんざん怒られ凹んでいたので、渋々ハトミさんにハトぴーを任せることにしました。

今にして思えば、外から来た知らない鳩を預って回復させてくれだなんて厚かましいお願いでした。
下手すれば、自分の鳩達を伝染病の危険に晒す行為です。
それに、あれだけ弱った鳩を回復させるのは大変でしょう。
でも、ハトミさんはハトぴーを置いてくれました。

後日、ハトぴーは回復して飛んでいったよとハトミさんから祖母に電話がありました。
私はそれを聞いて、ホッとしました。

「お家に帰れたかな」

と私が言うと、祖母は

「ハトミさんは、『あれだけ弱ってたからどうかわからない。でも自力で飛べたから大丈夫だろう』って言ってたよ」

と言いました。「きっと帰れたよ」とか言わないあたり、ハトぴーの状況の厳しさを感じます。

あれ以来、ドバトを見ると、たまーに、ハトぴーを思い出します(ドバトとレース鳩は違いますが色味が似ていたので、イメージされます)
きちんと辿り着けたろうか?帰りを待つ飼い主の元へ。

ハトぴーの飼い主がどんな人かは知りませんが、鳩を大切にしている人なら、自分の鳩がレースから戻らなかったら察していても辛いでしょう。

途中、カラスや猫にやられるかもしれない。雨にあたったり、病気になることもあります。それでも、本能で家を目指す鳩達が無事にお家に帰れますように。

小学生の私は知った。鳩は…ミニトマトをまるのままでは食べないことをっ!!

ここまで読んでくれて有難う御座いました!
私と鳩にまつわるエピソードでした。
生き物が好きで、何でも触りたがった私でしたが、鳩を掴んだのは、後にも先にもあの時だけです。温かな体、柔らかな羽毛、まん丸の目。
ハトぴーと私のたった1日の中の数時間は、私に色々なことを思わせてくれました。

ありがとう!ハトぴー!ありがとう!ハトミさん!そして、よかったな!ヤンチャすぎる私よっ!

(近所の寺のドバト。るんるんッしてて可愛いね)





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