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1場面物語 春

電車に乗り込む。
無駄にスカートのはしを伸ばす。

別に、好きってわけじゃない。
いや、嫌いってわけじゃない。

意識している?
いや、これが、してるかって言われると違う。

でも
きっと会ったら、何かわかるんだろう。

そういう
予感があるよ。

私は君に
会いに行く。

会いに行くよ今日。


さて、どうしたものか。

俺は歩く。
歩いて、駅に向かう。

別に好きとかではない。
嫌いでもない。

不思議だとは思うけれど
そこまで珍しくもないんじゃないかな?

まぁ
会えば何かわかるだろう。

そういう
予感がある。

俺は君と
会う。

出会うんだ今日。



きっとなにかがわかる。
きっと隠してもわかる。
きっとなにかがわかる。
きっと隠してもわかる。


駅の人混み。
事前に伝えあった服の特徴を目は探している。

視界の端に
それらしき人影を見つけた。

近づいていく。
わざと外した視線は交わらない。

ざわめきの中で声が聞こえる距離にきて
やっと目線が交わった。

一言目を考えていたはずなのに
それは言葉にならず
二人お互いを見つめる。


風が吹いて
桜の香りがどこからか
届いた昼下がり。

サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。