創作物:一場面物語:夢の途中、砂の島(彼女の独り言)
私はいつもここに在る。
あなたが、辛い時や悲しい時。嬉しい時や楽しい時。そう、あなたがどんな状態や状況だとしても、私はいつもここに在る。
ここは何もないでしょう。砂浜だもの。砂はあるけれど、他には何もないでしょう?
夢の海は、思っていたより荒かった?あなた、どう見ても準備不足だもんね。
……………。
わかるよ。青くて、綺麗で、心が踊って、、、夢の海のそんな姿も本当だもの。
でもね、嵐もあるし、流れもあるよ。そんな甘くないんだよー、、、って、あなたはもう、充分わかってるよね。
もう疲れちゃった?夢の対岸に着くの諦める?
まぁ、どっちでもいいよ。だって、泳ぐのは私じゃないもの。
とりあえず、休んだら?ここは、何もないから。誰も来ないし。誰も留まれない。お日様は差してれば暖かいし、風も遊びに来るよ。
たまに、対岸が見えるよ。それに向かう誰かも。
みんな、夢の海を渡る事が好きなのね。それは、素晴らしいことだと思っている。だから、ここに在る私の手をとって、一緒に行こうと、、
でもね。私はここに在るから、一緒には渡れない。素晴らしいということも、わかっているの。私、知っていて、ここに在る。
あなたも、きっと、もう一度 夢の海を泳ぎ出す。どんな荒波に揉まれても、心に嘘はつけないから。
私はここから見てるね。あなたが泳ぎ切るのを、ここで。
ここは夢の途中、砂の島。
何時でも、ここに在るから
何時でも、流れついたらいいよ。
体がお日様に温められて、疲れを風が癒してくれたら、きっと何もないことに、我慢ができなくなるんだから。
ヘトヘトになって流れ着く。その日まで、さようなら。
さようなら。夢を泳ぐ人。
サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。