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日記 エモナードになるしかなしこちゃん

ファクトチェックはwikipediaで済ませたので、言葉の定義に敏感な方でも安心して読んでいただけると思います

「ぽんのみち」アンチ記事ではありません、僕なりの愛なので 

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「エモ」という言葉が広く用いられるようになったのは2016年頃のことらしい。ここ数年で急に生えてきたように思っていたが、もうすぐ10年だ。

2005年の流行語大賞たる「萌え」は、今やゼロ年代を象徴する概念として扱われている。ならば、文字通りその逆張りとして生じた「エモ」は混沌としたテン年代を総括可能な概念なのかもしれない。

元々の「萌え」も捉えどころのないものだったが(幸薄な美少女が関係しているらしいということだけは確かだ)、年数を経るにつれて拡大解釈が進み、全貌の知れない巨大異形概念へと成長したような印象がある。定義が緩いからこそ、ミーム化すれば爆発的だ。

「エモ」を同様のモデルで捉えてみよう。それは儚げな少女と過ごした一夏の思い出から生じ、喫茶店のメロンソーダ、新幹線スゴイカタイアイス、プールの赤茶けたウンコみたいな部分といった事象をも呑み込んでいった。

「萌え」もそうであったが、それは「ツンデレ」のように対立概念ですらも内包してしまう。「エモ」でいうと、かつて「日常系」と呼ばれた、厨房がガビガビ画質の某動画サイトでボケーっと流し見していた程度の作品(※)が異様に称揚され出す謎の現象などがあった。

※断っておくが、けっして「けいおん」の悪口ではない そう読めてしまったならば、貴方の心が汚れているのだ(無敵論法)

刺身が食べたくなってしまい……?←🧐❓

もはや誰もエモの磁場からは逃れられない、「ぽんのみち」を除いては。「ぽん」は広島県尾道市(中国地方で一番エモい都市らしい)を舞台に、港のJK(Emo Point +3)が瓶コーラ片手に(+5)無為の麻雀(伸び代を込めて+10、麻雀はやがてドエモ扱いされるので)に浸るという物語(合計+18)である、はずなのだが。ここまでお膳立てしても全くエモくならないのはすごい。

※あと「五等分の花嫁」の作者の手癖で全員巨乳に魔改造されてる(Ero Point +3、意外にもあんまエロくなんなかった)

エロくもエモくもない「ぽん」(ラーメンはあるけど)でさえ、10年後にはドエモ扱いされてしまうのかもしれない。それも他でもない、懐古おじさんと化した私自身の手によって。しかし、何故だろう、この本当にどうしようもない虚無アニメだけは、全く不合理かつ特権的に、「エモ」の磁場からどこまでも逃れていくような予感がある。

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単純に普通にカスいアニメって誰にも参照されない、ってだけの話かも 「メガネブ!」とかですらつまんなすぎたって印象は残ってるけど、当時なんとなく見てた絶妙におもんないアニメってマジで誰も覚えてない 「ぽん」とか徹夜麻雀って本来そんくらいの、「エモ」に回収されるまでもない、わりと綺麗なウンコ出たくらいの喜び、ヌチョっとした手触りな気がする 定義というより政治、時流の話やね

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