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【幻日のヨハネ】占い屋を名乗る意味

怪文書公開から逃げるな

道徳アニメとして捉えたくない逆張りの記録
名前には意味があるよね、ってそりゃそうだろ

反転される呼称

幻日のヨハネは「反転」の物語である。現実世界の沼津を幻日異世界のヌマヅへと、何もない田舎を魅力あふれる故郷へと、どこですら何者にもなれないヨハネを、どこででも何者にもなれる存在(何でも屋)へと反転(異化)させる。

呼称とは解釈であり、呼称を変えることで反転が生じる。第3話、人々が魔王と呼ぶ存在は、ヨハネによって少女マリへと。第4話、ヨハネがガラクタと呼んだものは、カナンの手によってハイテクマシンへと反転する。

ところで、第4話では他にも特徴的なシーンが反復されていた。何でも屋と呼ばれたヨハネが占い屋と訂正する、というものだ。これは単に本編の「善子ちゃん!」→「ヨハネよ!」のくだりをオマージュしたモノに思えるが、それ以上の意義を見出すこともできる。

名前に込められた願い

善子がヨハネを名乗ることには単なる厨二病以上の意味があったはずだ。そう、ラブライブ本編における「自称」には明確に意味がある。まずはグループ名を通じて、シリーズが「名前」に込めたモチーフを確認する。

占いで出てたんや
このグループは9人になったとき
未来が開けるって
だから付けたん、9人の歌の女神 "µ’s"って

ラブライブ! #8 「やりたいことは」

無印1期2話、箱の底から"μ’s"と記された紙が拾い上げられる。第8話、希が9人での活動を予期して名付けたものだと明かされる。

誰が書いたのかもわからないのに?
だからいいんだよ

ラブライブ!サンシャイン!! #3 「ファーストステップ」

サンシャイン1期3話、千歌たちは砂浜に描かれた"Aquors"の文字と出会う。第9話、かつてスクールアイドルであったダイヤが描いたものだと判明する。

その真意は明言されていない。しかし、9話は果南と鞠莉のすれ違いによって解散したグループが和解によって蘇る回であり、この内容から推測は可能だ。ダイヤの不可解な行動に込められていたのは、もう一度活動したいという願いだろう。

ここで、希の行動にも同様の解釈が可能である。絵里がしがらみに囚われず、スクールアイドルを楽しむことを彼女は望んでいた。
"μ's" すなわち9人の女神、絵里の存在を前提とした名前にもその願いが込められている。

学校を通して一つに結ばれるって思いから
結ヶ丘って名付けたでしょ?
私たちもそれと同じで
いろんな色の光で結ばれていくといいなって

ラブライブ!スーパースター!! #9 「君たちの名は?」

その名を背負う意志

ラブライブシリーズにおいて、名前とは願いである。名前が願いであるならば、自称とは意志である。

私、本当は天使なの

ラブライブ!サンシャイン!! #5 「ヨハネ堕天」

サンシャインにおいて、津島善子は堕天使ヨハネを自称する。その真意として、彼女は不運(+メタ的に、いじられキャラ)という設定を背負わされているが、堕天使を自称することで運命に抵抗しようとしていることが語られる(2期#5)。すなわち、不運ではなく天運である、そう解釈しようと試みているのだ。

彼女は本心では堕天使なんてものを信じてはいない(2期#5)。それでもなおヨハネを自称する意味とは、理不尽な運命を否定し、自己を肯定する意志表明に他ならない。

さて、幻日において、ヨハネは占い屋を自称する。占いとは曖昧な状態を自らの手で解釈せんとする試みである。ヨハネに占いの素質はないが、それでも占い屋を自称し続けることに意味がある。それはまさしく、物事を肯定的に解釈しようとする意志表明である。

現状では怠惰/能天気な性格故になんとなく始めた仕事、という程度の位置づけだろう。しかし、ヨハネが真に「占い屋」としての自覚を持った時、それは行き詰まった状況を反転させる力となるのだ。

ヨハネが占い屋を名乗る意味、今は深い意味などないのかもしれない。しかし、ヌマヅの危機を前に彼女は成長し、必ずや運命に抵抗せんとする意志が芽生えてくるはずである。

運命は変わらないのだろうか。
ヨハネは意志を持ってこう答えるだろう。

歌は変わっていく
私たちは新しい歌である

幻日のヨハネ #1 「はじまりのうた」



これ車輪を再発明しただけか?

余談1:ED

生まれたときから 多分決まってた
あの日出会って  この場所で歌って

"キミノタメボクノタメ"

Q.このEDめっちゃ運命論だけどいいの?
A.都合の良い解釈を選び取ろうって話だからセーフ!!!!!!!!!!れ!!!!

全然見当違いだったらゴメンでしかねぇよもう
贖罪のバンドリ1期再走だ

余談2:ライラプスの名前

ファクトチェックパーセンテージ
トゥーハンドレッズです

◎ライラプスとテウメッサの狐
捕えられない狐=街を脅かす脅威=「呪い」
ライラプスは呪いに対処するため
に暗躍している(#3)
→ライラプスは恐らく呪いと共に星になる運命にある、と推測できる

ライラプスは運命に定められている
と仮定した場合
・大人びた性格⇔不自由
(負の側面という再解釈が
 まだ描かれていない)
・宇宙スケール(#1)⇔自らの命の軽さ?

ヨハネが抵抗する運命とは、
ライラプスの定めに他ならない

恐らくヨハネは運命に抗い、
猟犬ライラプスを妹と再定義する(#1)

捕えられない狐=呪い=霧
霧を払う魔法(#3)とは
狐を捕える/不確定な未来を切り拓く 
とかどうよ

待てよ、狐……?

国際情勢的にこいつラスボスはダメだろ

余談3:ぐちゃぐちゃアイデアを

・ヨハネってめっちゃ批評家じゃね?
作者の意図とか運命とかが全てなわけねぇし、解釈次第すぎるだろマジで

展開予想とか推理ゲームとかやめましょうよ!
余談2をまるまる削除しろ!
いやでも 名前の意味考えようって文章じゃないすか 気になるやんライラプス/妹とか

・ライラプスはヨハネのイドでは?
(ヨハネは言うほど抑圧されてないけどね)
ヨハネにしか聞こえない声
ヨハネを圧倒的に理解しているライラプス
自問自答のような対話
イド:友達が欲しい、何かにならねばならない
無意識に導かれて思い出の切り株に(#1)

占い屋/ペルソナ⇔影/何者でもない自分
⇔何にでもなれる自分/何でも屋(=光)

幻日は影を反転させる物語であり、影≒イド
たるライラプスの解釈も反転されるだろう

・占い=(日常系で)抹消された父の形見
を受け継いでいる点も興味深い

夕方に解決することが多い
=昼/夜、影/ペルソナ、男性性/女性性の統合

ヨハネのアニムスが占い屋なのでは?
作中で密かに描かれている「男性」
=何者かになれという圧力
対となるべき、女性の抑圧とは?
=何者かになるなという抑圧
→曖昧な存在で良い!ってテーマなのか?

・抑圧された影といえば女性!(どうした?)
運命に縛られており
他の生き方が許されないライラプス
→ 「声」を奪われた「犬」に「歌」を与える

・魔法少女ものの系譜なんかなぁ
名前が意味を持つ、ってのでリリカルなのは最終回を思い出した 原型すぎる
友達になるには?→なまえをよんで ってやつ

なのはシリーズ初代だけでサボってるんだよな

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