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アメリカに全体主義の危機。●米国の黒人男性窒息死、警官ら不起訴 司法長官「失望」

米ニューヨーク州ロチェスターで昨年9月、ダニエル・プルードさんの死亡事件に抗議するデモの参加者=AP
米ニューヨーク州ロチェスター市で昨年3月、黒人男性が警察官から頭部を覆われて窒息死した事件で、地元の大陪審は捜査対象となっていた警察官7人を、いずれも起訴しないと決めた。ジェームズ州司法長官が23日、発表した。理由は明らかになっていない。  
亡くなったダニエル・プルードさん(当時41)には精神疾患があり、裸で外に出ていたところ、通報を受けて現場に駆けつけた警官から拘束された。頭部を地面に押さえつけられ、7日後に死亡。検視では「殺人」と認定された。  
だが、警察は事件後、長期間にわたって詳しい状況を隠そうとした。遺族が昨年9月、入手した当時の映像をもとに事件を公表すると、抗議デモが広がった。  
ジェームズ氏は大陪審の決定について「我々の刑事司法制度に対する国民の信頼に背くものであり、残念なことに、歴史がまたくり返された」と批判。「大変失望した」と憤った。
ニューヨーク州の法律によると、大陪審は一般市民16~23人で構成され、起訴するには少なくとも12人の同意が必要となる。ただ、多くの手続きが秘密裏に行われるため、詳しい評決はわからず、ジェームズ氏は大陪審制度の改革の必要性も訴えた。(ニューヨーク=藤原学思)
【引用終わり】
法治主義で世が治まるためには、裁判所の決定には誰も従う事が前提になります。
「悪法もまた法なり」であり、古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、死刑判決を受けた後で、逃亡を助言する人達に対して「裁判所の決定に誰もが従う」という一点で、法治主義が成立するのであるからと、毒杯を飲んで死罪を受け入れました。
一方でニューヨーク州の司法長官が「我々の刑事司法制度に対する国民の信頼に背くものであり、残念なことに、歴史がまたくり返された」と、裁判所の決定が自分の善悪基準に合わないからといって、判決に抗議しています。これは、法治主義=司法制度を守護すべき人が、法治主義を破壊する行為をしていることです。
この事件を時系列で追うと、以下の通りです
1 2020年3月。ダニエル・プルードさん(当時41)の普通でない行動で警官が呼ばれた。
2 7人の警官が、ダニエル・プルードさんを捕まえだ。
3 7日後 プルードさんが死亡した。
4 検視では「殺人」と認定された
5 昨年9月、遺族が映像をもとに事件を公表する。
6 抗議デモが発生。
5 大陪審が調査。
6 大陪審は7の警官を不起訴にした。
これに対して、司法長官が「我々の刑事司法制度に対する国民の信頼に背くもの」と発言するとは、私は法治主義の立場に立てば異常だと思います。
まず司法長官がいう「国民」とは誰か? と言えば、自分と「7人の警察官を起訴すべきだ」と考える人達です。
しかし、全国民の中には「警察官を起訴すべきでない」と考える人もいます。現実に、一般市民16~23人の選ばれた陪審員達の中に、起訴に反対した人達が、起訴しないと決定する数だけいたからこそ、不起訴になったのです。
ですから、「国民の信頼に背くもの」という立派な言葉を使ってはいますが、その意味する所は、国民の中には「起訴すべき」と言う意見の人と「起訴すべきでない」という意見の両方の意見の人がいるのが現実にもかかわらず、『私は起訴すべきと思うから、起訴しない決定を下した刑事司法制度は、(自分と、私と同意見の)国民の信頼に背く』つまり『自分の望む判決を下さなかった司法制度は悪い』と批判して「大変失望した」といっているのです。
そして、『自分の望む判決が出しさそうな司法制度に、変えなくてはいけない』と言っているのですから、私の目で見れば異常にしか見えません。
しかしジェームズ氏は、まるで自分が正義の味方だと言わんばかりに堂々と発言しています。
これはなぜなのか?
それは、「法律もまた、自分が信じる善なる社会を実現させるための道具である」と捉えているからだと思います。
即ち、「法律=道具で、法律とは自分達が支配するモノで、都合よく活用する為のモノである」という、認識なのだと思います。
この「法律は道具である」という捉え方は、目指すべき社会は違っていても、中国の習近平主席と同じなのではないかと思います。
ジェームズ氏は、ブラック・ライブズ・マターの社会をつくる為に、法律を使いたい。
習近平主席は、自分が帝王でいられる社会をつくる為に、法律を使いたい。
つまり、アメリカのリベラル勢力は、「自分達の説く善を信じなければ許さない」という全体主義勢力であり、だからこそ「アメリカのリベラル勢力は、習近平主席と同じ手法を使う」のではないかと、私は思うのであります。
このような感覚は、私だけでなくジャーナリストの門田隆将もお持ちのようです。

●門田隆将氏がトランプ叩きと森元総理叩きの日米に危機感「ドス黒い全体主義が世界を覆う」


2/14(日) 13:58配信【東京スポーツ】

門田隆将氏
ジャーナリストの門田隆将氏(62)が14日、ツイッターで日米を覆う全体主義への危機感を訴えた。  
米国では13日にトランプ前大統領の1月6日の連邦議会襲撃事件の責任を問う弾劾裁判が行われた。しかし、有罪評決に必要な3分の2に届かず無罪が言い渡された。この弾劾裁判に対しては、平和的なデモを訴えたトランプ前大統領の責任を問うのは「無理筋」「茶番」とする意見も多かった。
こうした流れに門田氏は「弾劾否決だが“peacefully”との言葉をcutし『陰謀を煽った』とされる米、週3回の人工透析の中、五輪に献身してきた元総理を“発言切り取り”で集団リンチする日本」とトランプ前大統領と、“女性蔑視発言”で東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を辞任した森喜朗元総理に対する批判を比較。  
その上で「両国とも大統領選での不正選挙疑惑の真相究明を唱える人間を陰謀論者に仕立て上げ、絶対に解明をさせない。ドス黒い全体主義が世界を覆う」と日米を包む危機を訴えた。

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