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奇跡の宿

先日、近所のドラッグストアに置いてあった温泉のパンフレットを暇つぶしにもって帰ったら、出不精のオットが珍しく行こうと言い始めた。

私も4月からのステイホームで疲れていたので、早速電話してみたら、6月はまだ営業していないとのことだった。でもせっかくだからと、じゃらんなど見て他の温泉の予約をとって、久しぶりの遠出をした。

目指したのは熱川の片瀬温泉だが、行く途中の熱海や伊東が閑散としているし、食事をとろうとしても店も殆ど閉まっているし、不安な気持ちで宿に向かった。

ついてみると、じゃらんの東伊豆温泉ランキングで上位にランキングされている、その宿は、平日にも関わらず、そこそこ人がいて驚いた。いくつかある貸し切り露天風呂も「入浴中」で入れないところもあったりした。

翌日、楽しみにしていたバナナワニ園も、フルーツパーラーがやっていなくて残念だったけど、熱川ばにお君のTシャツ買ってもらって、移動して鰻をアテに昼から日本酒を飲んで、良い休日だった。

二泊目は金曜で週末のせいか、さらに人が来た。宿の周りを散策してみたけれど、どのホテルも営業していなくて、駅前の温泉まんじゅう屋さんや射的屋さんも閉まっていて、ゴーストタウンみたいだった。モノトーンの片瀬温泉で、我々が泊まった宿だけ生気が感じられて、奇跡の宿だと思った。

帰りは、東京方面近道という看板を信じて箱根の方に抜ける道を通ったら、ものすごい霧で全然前が見えなくて怖かった。

途中にミスタースポックの看板の蝋人形館とかあって、ちょっと面白かったけれど、そんな奇妙な帰路からも、やはりあの宿は奇跡の宿だったのだなあと思った。

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