人も、動物も、虫もみんな同じ。命という大切なものを預かった存在。
くもは缶の淵でうずくまって怯えていた。出てこようとしないきっと外の世界を知らないから何が起きるかわからなくて出るのが怖いんだ。
それは人間も同じで、知らない土地に来た時好奇心で思うがままに突き進める人もいるが大抵は警戒しながら自分の身の安全を最優先する。

私はくもも虫もとても苦手で、実家の部屋にいる時に私の部屋に閉じ込められて育ったであろう蜘蛛を見つけた。
いつもだったら部屋にもいられないくらい怖くて親を呼んでいた。
けど、今日はなぜか違って、監禁されていた自分と重なって蜘蛛が可哀想に見えた。
缶に近づいてじっくりと出てこようとしない蜘蛛を見つめてみた。
男性恐怖症になり世間に出るのが怖かった時の自分に見えて、私は缶を手に取って外に出してあげようと思い、ベランダに置いた。
数分かんして、こそこそと外に出ようか出ないか迷っている蜘蛛を見ていると、生き物はみんな同じで、見た目が違うだけで怖がられて、悪者扱いされて、雑に扱われて避けられてしまう。
人間も同じで、中身なんて見ようともせず容姿や体型、顔といった見た目だけで判断されてひどい言葉を言われたり、いじめられたりしてしまう。
生まれ持った姿は変えることはできないから、一生世間の目を気にして辛い思いをして生きていかなければならない。
人間の世界では、整形やメイクというものがあり顔を変えようと思えばいくらでも変えることができる。
動物や虫はそれができない。
模様のついた生き物に子供の頃から恐怖を抱いていたが、そう考えていたら頑張って生きているその蜘蛛の姿に応援したい気持ちが生まれて、蜘蛛に触れることができました。
でもきっとこの手も蜘蛛にとってはとても大きな何かわからないもので怖いんだなと思い、しばらくそっとしてあげていたら蜘蛛が動き出して、かんから外に出ていくことのできた蜘蛛を見送って涙が出そうになりました。

人は経験を重ねることで、いい方にも悪い方にも見方がかわる。
私はいろんな人を見てきたし、自分の過去の経験を思い返すことで命を共にする生き物に対しての見方、触れ合い方を学ぶことができました。
きっかけ、というものはとても大切で、自分自身の欠落した気持ちや行動をかえることができる。
何事にも初めから自分には絶対できないって思い込んでしまうのではなく、自分でもできるかもしれない、と一度思って挑戦してみるとこが大切だと感じました。
手先の器用さ不器用さとかできるできないは必ずあるから
もしそれができないなら次のことに集中してみて、たくさん経験を積んでいればどこかで役に立つこともあるし、色々とやってみることで仕事や生き方も自分に合ったものを見つけることができるとおもいます。

半年前に私が保護した子猫も、目は目やにで開けられなくなってしまい、餌も母猫のミルクも見えなくて栄養が取れず、今にも亡くなってしまいそうでした。
そんな子猫を見てなんとかしてあげないと、と思い木々の中に入り汚れることも気にせずハエがたかっていても命を守りたい気持ちが勝って、私は必死に捕まえようとしました。
しかし、子猫が弱っているとはいい私が近づくと怖がってすぐに逃げられてしまい母猫に威嚇されました。
夏の暑い時期に猫のことが頭から離れなくて、休みの日は毎週実家へ帰り、猫のところへ行きました。
4日目の朝に段々私になれたのか、すぐに逃げられることは無くなりました。
それでもやっぱり捕まえることができず、その日も暑くて4時間ほどたち、帰りたかったけど諦めずに追っていたら、猫も疲れたのか逃げなくなりその隙に捕まえて保護することができました。
すぐに親と病院に行きました。
目の見えない子猫は何が起きているのかとずっと泣き止みませんでした。
家に帰り、シャンプーも3回くらいして、やっとノミや汚れが落ちて、目も少し開くことができた猫の姿を見た時は嬉しくて諦めないで良かったっておもえました。
猫は知らない場所でずっとクローゼットの裏に隠れてご飯も食べなかったけど、毎週時間が過ぎるうちに自分からこちらに来てくれるようになり、しっかりとご飯も食べてくれて今では大きくなりおもちゃでも遊んでくれるようになりました。

動物も人も、トラウマを抱えていても時間をかけて大切にすることで心を開いてくれる。
繊細な相手に初めから距離を近くしようと無理矢理にでも引っ張り出してしまうことは余計その人の心を傷つけてしまう。
徐々に近づいて、気持ちを理解して、どれだけ時間をかけてでも相手を安心させてあげることが一番大切です。
そして決してその先で裏切らないこと。
そこで見離してしまえば、さらにそれがトラウマになり他人を信じることができなくなります。
その心を持つことができれば一つ一つの命を大切にしていくことができると私は思います。

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