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六車奈々、会心の一撃!

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タレント・女優の六車奈々によるエッセイ集。子育てをしながら働く、ハプニングと全力投球な日常をエッセイでお伝えします。
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#ハプニング

人生の教訓

待ち合わせに早く着いた。 といっても、お茶をするほど早く着いたわけでもないので、  駅前で待つことにした。 春の陽気に包まれたその日は、まさにお散歩日和。 保育園児たちが、先生に連れられてお散歩をしていた。 二人一組で手を繋ぎ、お揃いの帽子を被って楽しそうに歩いている。 「可愛いなぁ。」 愛らしい姿にホッコリ癒されていると、中団を歩いていた女の子 (仮に名前をさおりちゃんにしよう)が何かにつまづいて転んでしまった。と同時に、さおりちゃんと手を繋いでいた女の子 (仮に名前をし

初夢

明け方、トイレに行きたいなぁと思いながらも面倒で寝ているとき、 「夢の中で用を足している」なんて経験は、誰しもあるのではないだろうか? この日、私もまさにそうであった。 冬の寒い朝、暖かい布団から出て、 冷え切ったトイレまで震えながら行くのかと思うと、 なかなか起きられない。 「あぁ、トイレに行きたい。」そう思いながら、ウツラウツラしていた。 夢の中で、私は温泉に入っていた。 「あれ。すごくトイレに行きたい。でもお風呂だし。。。どうしよう。」 私は迷った。 湯船から出て

ジェネレーションギャップ

私は40歳のとき、34歳のだんなさんと結婚した。 つまり私は、6歳年上の姉さん女房である。 6歳も離れていると、よく人から 「ジェネレーションギャップを感じることは無いの?」と聞かれる。 が、無いのだ。 二人の会話において、かつてジェネレーションギャップを 感じたことなど一度も無かった。 やはり『愛』の力かしら? ある日、ラジオ好きの私たちは、 ラジオパーソナリティーの話で盛り上がっていた。 妻:「女性パーソナリティーなら、誰が一番好き?」 夫:「うーん。やっぱ、ユキね

ビジネスホテル殺人事件

あれは私が24歳の時のこと。 『原田伸郎のめざせ!パーゴルフ』のロケのため、 ビジネスホテルの一室に前泊していた。 壁の薄い、古いビジネスホテル。部屋も少し薄暗い。 22時をまわっていただろうか? 部屋でゴロゴロしていると、いきなり悲鳴が聞こえた。 『きゃーっ!』 何事だ!? あまりの声に飛び起き上がると、 隣の部屋から女性の泣き声にも似た悲鳴が聞こえてきた。 『イヤーーーっっ!』 大変だ! 私は心臓がバクバクしてきた。 もしかしたら、男に暴力を振るわれているのか

バレンタイン・Miss

シャラララ、素敵にKiss♬シャラララ、素直にKiss♬ バレンタインデーと言えば、私には一生忘れられない思い出がある。 その年のバレンタインデーは、MBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」の 生放送に重なったため、私は健気にも一人一人にチョコを用意し、持っていった。 全員に「愛しています」と言いながら渡すと、 「そんなんええねん!」と温かいツッコミが返ってきたりして、 和気藹々とした雰囲気。やっぱりチョコを用意してきて良かった。 そう思いながら全員に配り終えたところで