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【詩4編】君と夜

【君の写真】

不思議だね

君はいつも同じ服

君はいつも同じ顔

不思議だね

僕は嬉しくて笑う

僕は悲しくて泣く

辛くはないよ

君はいつも優しいから

君の写真が見たいから

僕は

何だって乗り越える

勇気が出るんだ



【夜の散歩】

優しい風が吹いている

ふと誰かを思い出す

わざと畑道を選んで

緑の香りを嗅ぐ

限りなく小さな星が

小さく光る

濃い群青色の空

今にも呑み込まれそうに

沈んで見える

優しい風がふいた時

笑っている君の顔が

青空に映った

優しい風は

君だったんだね



【静かな夜】

ツピタンサスの葉が揺れている

間接照明が優しく美しく照らす

物音一つない静けさの中

虫の声が聞こえる

急に切なくなる

誰かに会いたくなる


ツピタンサスの葉が揺れている

間接照明が寂しく切なく照らす

飛行機の音に呑まれていく

虫たちの合唱

寂しさの中に

小さな幸せが芽生える

諦めたくない

君はまだ眠っている

僕はきっと迎えに行く



【夜の太陽】

冷たい風がコートの隙間に入り込む

ポケットの中 握ったこぶしに力が入る

いつもは硬い布が 今日は優しく

鼻先を冷気から守ってくれた

一人で耐えてきた

あの頃を思い出す

今も一人きり

いつしか心地良くなっていた

こんな自分じゃダメなのかな

一体僕は何が欲しかったんだろう‥

息を吸い込んで 夜空を見つめる

寒さは心地良い風となって

髪をといていく

星を追って 空を軸に回ると

大きな太陽が現れた

息を吐くのを忘れ 苦しくなる

夜の太陽が 静かに光を放っていた

僕はここに居て良いんだと

言われた気がした

静かな光を探していた

子供の頃から探していたもの

それは

ここに見えるくらいに静かなもの

明るく照らす太陽はキライ

静かに寄り添ってくれる太陽

君のそばにいたい


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