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【詩】夜の太陽

冷たい風がコートの隙間に入り込む

ポケットの中 握ったこぶしに力が入る

いつもは硬い布が 今日は優しく

鼻先を冷気から守ってくれた

一人で耐えてきた

あの頃を思い出す

今も一人きり

いつしか心地良くなっていた

こんな自分じゃダメなのかな

一体僕は何が欲しかったんだろう‥

息を吸い込んで 夜空を見つめる

寒さは心地良い風となって

髪をといていく

星を追って 空を軸に回ると

大きな太陽が現れた

息を吐くのを忘れ 苦しくなる

夜の太陽が 静かに光を放っていた

僕はここに居て良いんだと

言われた気がした

静かな光を探していた

子供の頃から探していたもの

それは

ここに見えるくらいに静かなもの

明るく照らす太陽はキライ

静かに寄り添ってくれる太陽

君のそばにいたい


















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