天使の舞い降りた瞬間
サクラの花も舞い散り、これからは緑鮮やかな葉桜の季節がやってきますね。
今日は、葉桜にまつわる思い出を、ちょこっとだけ、お話させて戴きたいと思います。
まだ、なななつが高校生だったころの、数十年前のお話になります。
なななつの通っていた高校には、立派な桜の樹がたくさん植えられていました。
春になると、誇らしげにサクラの花が咲き、その姿は、それはそれは、圧巻でした。
授業中、窓を開けていると、舞い散るサクラの花びらが教室に舞い踊りながら、やってきます。
それは、まさに絵になる光景でした。
そして、時の移ろいとともに、サクラの花は散り去り、葉桜の季節となっていくのです。
でもね…
寂しい思いをしながら、窓の外を眺めているなななつの目に飛び込んできたのは、とても凛々しく鮮やかな色彩を帯びた葉桜の姿でした。
木々のそして葉桜の間から差し込む木洩れ日はまぶしく、その光景はとても柔らかで活き活きとしていて生命力にあふれていました。
サクラの花が散り憂慮していたなななつの心にも、光が差し込んだ瞬間です。
天使が舞い降りてきた瞬間でした。
この季節になると、なななつはあの日の優しい光に包まれた葉桜のことを鮮明に思い出します。
咲き誇るサクラの花は雅ですが、花が散った後のその葉桜には活気がみなぎるのです。
あの生命力にあふれた葉桜の英姿に包まれてみたい…
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