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野草食日記 339 秋田の蕨で手羽元のアドボ

アドボというのはフィリピンの代表的な家庭料理なのだそうです。
「漬け込む」という意味の言葉で、文字通り肉を酢などの調味液に漬け込んでから煮込み、ご飯にかけて食べるのが一般的なのだとか。

これを知ったのは坂田阿希子さんの「煮込み料理をご飯にかけて」という本に載っていたからで、アドボ以外にも、各国の煮込み料理が載っています。

本に掲載されていた他の料理も、いくつかチャレンジしました。
でも最近はいつもこのアドボばっかり作っています。
何故なら、手に入れやすい食材で作れて、安上がり、おまけに作り方も簡単なんですよね。
そして、何より醤油と酢で甘辛に煮込まれたほろほろのお肉と、ご飯に絡めたスープが美味しいこと!
私は勿論、夫もこれを作ると毎回おかわり必須なくらい気に入っています。

坂田さんのレシピはアドボという料理名の由来になった「漬け込む」の一手間も省かれていて、材料が整えばすぐ取り掛かれるのが嬉しいポイントです。
昨年から作っているスパイスカレーも同じ鶏手羽元で作りますが、ヨーグルトで肉をマリネする作業があるため、どうしても気持ちと時間に余裕がある時に限られてしまいます。

我が家では、翌日が一日外出という時、前日にアドボを作り、2日間同じメニューを食べます。
手間も洗い物も少なくて済むので、とっても楽ちん。

坂田さんのアドボ、同じものがネットに載っているのでリンクを貼りますね。

ところがこのレシピ、材料が少なくて済むのは良いのですが、野菜が玉ねぎ1/2個とトマト2切れのみ、なのですよね。
もう少し野菜をたっぷり食べたいなぁと思い、いつの頃からか、茄子ときのこを追加するようになりました。
味染みの良い材料が合うのです。

玉ねぎも1個、あるいはもっと多く入れて、みじん切りではなく薄切りにして手間を省き、水はレシピ通りだと少ないので、4〜5倍量入れ、その分調味料も増やし汁だくで食べるという具合にかなり自分仕様にアレンジしてしまっています。
調味料は醤油、砂糖、酢以外にオイスターソースも加えコクを出しています。
中国の黒酢や味醂を入れても味が複雑になって美味しい。

ところで2週間前、秋田に住む野草仲間が「お裾分け」と言って季節の山菜を送ってくれました。
ところが到着してみると、お裾分けというにはあまりにも沢山でびっくり仰天。慌てて、友人に連絡をして蕨とたけのこを貰ってもらいました。

生の蕨、ウルイ、ミズ
この他に細いたけのこと灰でアク抜きした極上の蕨も同梱されていた
近所の友達に分けたあとでこの量

ウルイとミズは届いたあと2日で食べ切り、蕨は友人に譲ったあともかなりの量だったので、ひとまず食べる分以外は下処理をして、冷凍することに。

うちには灰がないから重曹でアク抜き
ジップロックに小分けにした蕨


さてさて、昨日はお茶室で1日仕事でした。

一昨日いつものようにアドボを作るべく材料を買ってきたのですが、ふと、蕨も合いそうと仕上げに入れてみました。
冷凍蕨は事前解凍せず、そのまま使えます。

蕨とスープの味の相性もよく、特有のぬめりもなかなかいい感じです。
彩りは庭で育てているパセリと作り置きしていた中華風うまうま胡瓜。
トマトの赤と卵の黄色が加わると完璧!

蕨の味染みの良さがアドボにぴったり

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。