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野草食日記 206 山菜と放射能

この前、コシアブラについて記事を書いた時、
「地域によっては放射性物質が残留していることがあるということで、産直の店でも見かけなくなった」
というコメントをいただきました。

心の片隅ではそのことについて気になってはいましたが、きちんと調べたことはなかったです。

ニュース番組でこの件について報道されているのは見たことがありません。普段あまりテレビは見ないほうなのですが、これまで特集番組などで取り上げられたりしていたのでしょうか?

昨晩、仕事から戻った夫から東京新聞のある記事を手渡されました。
「3・11後を生きる こちら原発取材班 〜福島・飯館村〜 山菜のセシウム汚染は今 2020年 春」
なんてタイムリーな!

東京新聞の取材班と飯館村住民の伊藤延由さんが、山菜の放射性セシウム濃度調査をしたという内容です。

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この記事によると、生育土のが汚染されていても、山菜の種類によって濃度が高いものと低いものがあるということです。
食品基準は100ベクレル/キログラムで、基準値を下回っているのはタラの芽とシドキのみ。
コシアブラはダントツでセシウム濃度が高く「絶望的」とまで書かれています。

同じコシアブラでも、幼木と高さ4mのものを比較すると幼木の方が圧倒的に高く、1万6383ベクレル。
高さ4mの木が生えている生育土のほうが、圧倒的にセシウム濃度が高いにもかかわらずです。

さて、私が購入したコシアブラは秋田県産でした。
秋田県での取り組みはどうなっているのでしょうか?

「令和2年5月15日現在の秋田県産農産物等の放射性物質調査結果」がネットで公表されていました。
湯沢市で採取された野生のコシアブラについて、セシウム134は不検出、セシウム137は14ベクレルということで基準値を下回っています。

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湯沢市の位置関係がわからなかったので調べてみると、秋田の一番南の東側で、宮城県に隣接しています。つまり、原発に一番近い市で採取されたコシアブラを調査したという訳です。

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今の時代、食品に含まれる放射性物質をゼロにすることは難しいでしょう。
そこを踏まえた上で前向きにどうするかを考えた方が良いと私は思っています。

放射性セシウムは水溶性なので、茹でて水に晒す。
茹でる時に塩を加えた方がより減らすことができる。
味噌を食べる。

味噌を食べることと放射能の関連については、広島大学名誉教授で理学博士・医学博士である渡邊敦光さんの著書に書かれていて、プレビューでも見ることができるのでリンクを貼っておきます。


もしも手にした山菜について疑問に思ったときは、産地県の情報を当たってみて、その上で適切な下処理を行う。このことでより安心して食べることができると思います。

ただ、あまり水に晒しすぎるとせっかくの香りが失われてしまうので、それはそこそこに・・・ね。

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。