ジョアンナ・メイシー Joanna Macy
ジョアンナ・メイシーという人を知っているだろうか?
彼女のことを知ったのは多分、1ヶ月前ぐらいだったと思う。
まずは教行信証の読書会がことの始まり。この読書会、パロロ本願寺ご住職、私たちはノリさんと呼んでいる藤森先生が、zoomで開いているもので、以前ハワイにいたお坊さんやコロンビアやブラジルにいる方も参加して、ワイワイ、ガヤガヤあれこれ妄想逞しく、原文をガシガシ読んでいくような会。「わけわからん〜」と思いながらも「親鸞の文章ってカッコいいな」みたいな感じで参加している。
ノリさんはdeep ecology に関心を持っていて、お寺の裏庭を畑にして仲間達と無農薬野菜を作っている。台所のゴミからコンポストを作ったり、米屋で糠を買ってきてコンポストに混ぜる「ぼかし」を作ったり。
そのノリさんがengaged buddhismについて他の2人の方と書いた小冊子を貸してくれた。その3人のお一人が阿満利麿氏で、Kindleで探したら「行動する仏教」があった。
同書の「はじめに」のところにジョアンナ・メイシーの名前は出てくる。ジョアンナ・メイシーさん、とても興味深い。ノリさんに聞いたら「本、あるよ。でも、英語が難しい」とも。貸してくださったのはWorld As Lover, World as Self。その本はお寺に暮らすLeoさんの愛読書だということも判明。わからないところは教えてもらうと言うことでワクワク、読み始めた。
この本、星川淳さんという方の翻訳があるのだが、現在絶版。ほかに日本語の本はないかなぁと探していたら「カミング・バック・トゥ・ライフ 生命への回帰」が見つかり、さらに近々読書会があるという情報をゲット。なんと、訳者であり、ジョアンナの元で学んでいる齊藤由香さんも出席なさると言う。全く知らないグループにもかかわらず、速攻で申し込み、ラッキーなタイミングで手に入れられた日本語の本を読み進む。
するとなんと、そこに書かれていることは「痛みを痛みとして感じること」の大事さについて。
おお、これはカウンセリングやKids Hurt Too Hawaiiの活動の中で大事にしていることではないか!
だが、このことが日常の中ではわかってもらえないことが多い。特に「強さ」がデフォルトな米国(ハワイとはいえ)。前向きで常にチャレンジしていて、生き生きと人生をエンジョイしていて、ポジティブであることが良しとされる文化の中で、「弱さ」や「痛み」をシェアできる場を作ることや、「弱さ」や「痛み」をホールドする力ネガティブケイパビリティの重要性はなかなか主張しにくい。
米国に移り住み、「いつまでもメソメソしてるなんて負け」的な、「悲しい顔はタブー」「人生、楽しまなくちゃ!」的な雰囲気に滅入っていたところだったので、ジョアンナの本に「これよ、これ!」と、心からうなづきながら、大きな味方を得たような思いで読み進めた。これまで自分がやってきた活動や気がかりのあれこれが、大きな全体像の中のどこに位置するのかが見えるような、マップつきガイドブックのような本だった。
しばらくはジョアンナ・メイシー三昧だな。